ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

あべのハルカズBAR 37ページ目  ブラックボウモア42年1964

2014-06-01 23:10:33 | あべのハルカズBAR1 四話 完
【37ページ】




 ママの陽菜は、棚からブラックボウモア42年1964を取り出した。

「ボウモアの飲み比べはいかかですか?

42年熟成の希少なボウモアです。」

「とても高いのでしょう?」

「原価でも一杯3万円でしょうか。

落書き消しに頑張っている辰巳さんに、私達3姉妹からプレゼント

させて頂きます。」

「いや、私の悩みを聞いてもらって、その上にプレゼントまで決して

いただけません!

通常の半分の量でグラスに入れてもらうことはできませんか?」

「できますが、プレゼントのつもりでお勧めしたのに悪いわ!」

「その気持ちだけもらいます」


 陽菜は、ブラックボウモア42年1964をグラスに15ml注いで、

辰巳の前に置いた。

彼は、それを手に取り、シェリー香を感じながら、半分程口に含む。


「悩みを聞いてもらい、おいしいボウモアを飲んで

最高に幸せな気分だよ!また来てもいいかな?」

「ええ、もちろん。ボウモア18年のボトルがほとんど残っています。

三ヶ月以内にぜひお越しください」


 陽菜は、名札とマジックペンを辰巳に渡した。




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モリソン・ボウモア・ディスティラーズ社

あべのハルカズBAR 36ページ目  缶のポイ捨てと落書きの違い

2014-06-01 21:00:54 | あべのハルカズBAR1 四話 完
【36ページ】



 店内では、ママの陽菜と辰巳が話を続けていた。

「缶のポイ捨ての場合は、捨てるのに一秒、拾うのも一秒なのです。」

一人がボランティアとして、一時間缶拾いをすると、3,600缶拾い

上げる計算ができます。」

「ポイ捨ての缶よりも、拾う方が早く、多くできると、綺麗になりますね?」

「そうなんだよ。 ところが・・・」


 ここで、辰巳の言葉が詰まり、表情が曇った。


「落書きの場合は、スプレーで数秒でできるが、落書き消しをしようと

すると、時間もかかり、費用もかかり、でも元には戻らない・・・・」

「すると落書き消しには多くの人出が必要?」

「ええ、大阪の泉州地区は、岸和田市をはじめ、だんじり祭りで有名なの

ですが、だんじり祭りを見に来た観客に、落書きの不快な思いをさせて

はいけないと、各団体に落書き消しの応援を依頼して、取り組んでいる

ところです。

町の中心地の落書き消しが軌道に乗り始めたところが、今度は郊外の

道路の壁面や陸橋やポストなどに落書きが増え始めたのです。」

「それはまた大変ですね?」

「郊外では、ボランティアの人が少ないの悩みなのですよ。

それと、最近落書きのある郊外での交通事故が増えているみたいです。」

「落書きに気をとられるのかしら?」



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あべのハルカズBAR 35ページ目  晴数のブログ 術のレベルによる式神

2014-06-01 20:13:42 | あべのハルカズBAR1 四話 完
【35ページ】



 晴数は、マスター室でモニターを見ながら『ちょっよ怪奇なお話』

の記事を書いていた。


 今回のテーマは「陰陽師(おんみょうじ)の術のレベル」である。

陰陽師は、式神を使うという話は、陰陽師の本やテレビや映画で

皆さんも知っていますね?


 その式神にも色々あって、陰陽師の術のレベルによって、操れる

式神が違うのです。


 下の術の陰陽師は、動物や鳥の形をした式神を呼び出すことが

でき、それを操ることができたそうです。


 中の術の陰陽師は、人の形をした式神を呼び出し、それを操る

ことができました。


 上の術の陰陽師は、鎧をつけた武将の式神を呼び出し、それを

攻撃に操ることができました。

もし現代に上の術の陰陽師がいれば、ロボットを呼び出し、操る

ことができるのではないでしょうか?


 そして、最上の術の安倍晴明は、龍の式神を呼び出し、操ることが

できたのです。


 もし、中の術の陰陽師が、鎧をつけた武将の式神を呼び出したらどうなった

でしょうか?

それを操ることはできなくて、武将に切り殺されたのです。



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二見書房