ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

あべのハルカズBAR 51ページ目  護摩壇山  

2014-06-10 11:34:48 | あべのハルカズBAR1 四話 完
【51ページ】



 晴数は龍守旅館の庭に着くと、赤いドレスの女性をアジサイに

戻した。

旅館に入ると、久子おばさんに花瓶を持ってくるように頼み、

それにアジサイをさし、3階の龍谷の間に持っていった。


 その後、晴数は温泉にゆっくりつかり、夕食を食べ終えると、

純米酒龍神村と懐中電灯とアジサイの花を持って、下に降りて行った。

玄関を出ると、静谷がハリアーの横に立って待っていた。


「懐中電灯持ちの女性を出してもいいかな?」

「いいけどさ、晴数兄さん、うわさになっていたよ!

あの赤いドレスの女性・・・」

「そうか?」


 晴数は呪文を唱えて、アジサイを式神に変えた。




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「晴数兄さん、女子高校生なんて出してまずいよ!

もし警察の検問があったら、誘拐と間違えられないかな?」

「あはは、アジサイの誘拐?

さあ護摩壇山(ごまだんざん)へ行こうか」


「はい」と静谷は急に真剣な表情に変え、答えた。


 龍神村の護摩壇山は和歌山県の最高峰の1372mの山であると言われて

きたが、2000年に護摩壇山の東方約700mの峰の方が10m高いことが

確認され、龍神岳と命名される。