ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき セカンド(改訂) 107ページ目 タブレットを操るソムリエ  すでに答えている

2013-12-26 23:14:15 | ワインバーでのひととき2改訂三話まで完
【107ページ】


「秋月さん、ムルソー・シャルムのドメーヌも判りますか?」

「ドメーヌ・デ・コント・ラフォンです。

ムルソー・シャルムの中でも上質で、高価なワインと言われています。」


「ドメーヌまで判るとは、さすが若手NO1の秋月さんですね?」


 和音は感心したように秋月を褒めた。


「ブルゴーニュのワインのテイスティングは難しいものですよ。

ムルソーも、仕事の関係で世界の名酒事典で調べたことがある

のですが62品も載っていましたよ。

滝川社長のお気に入りのボルドーのシャトー・オー・ブリオンはオンリーワン

ですが・・・」


「その通りだ!」 


 滝川社長は、和音のヴィンテージの答えを早く聞きたいと思っていた。


「和さん、ムルソー・シャルムのヴィンテージを答えていだだけますか?」

「滝川社長、和音さんはすでに答えていますよ!」

「ええ?」


滝川社長は、首を傾げた。


「会話の中の言葉による示唆ですよ」

「そんな言葉あったかな?」

「和音さんは、フランスの国の宝と言ったでしょう?」 

「それが示唆?」


 滝川社長はあごに手を当て、しばらく考える仕草をした。