ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき セカンド(改訂) 98ページ目 タブレットを操るソムリエ ムルソーを探す

2013-12-12 22:54:14 | ワインバーでのひととき2改訂三話まで完
【98ページ】


「そういうことだ!」 


 滝川社長は頷き、社訓の続きを話した。


「三つ、シャトー・オー・ブリオンを扱うように品質管理を徹底せよ。

この意味も分かるよね?」

「はい、シャトー・オー・ブリオンのようなプレミアムワインは温度や湿度の調整、

日光や振動等を防いだりきめ細かな品質管理が必要です。

取扱いの商品すべてをシャトー・オー・ブリオンのようにということですね?」


「そうだ!

宅配業者のクール宅急便の温度管理の不徹底なんてもっての外だ!」

「よく分かります。」

「この三つを社訓として社員に徹底させ、会社の業績をアップさせることが

できたのです。」

「なるほど」


 秋月は頷いた。


「滝川社長、和音さんとのテイスティング対決用のワインですが、すべて

私に任せていただけますか?」

「ああ、もちろんそのつもりだよ」

「それでは、入手困難なブルゴーニュの白ワインのムルソーを2本探して

ください!」

「わかった!」

「これで、和音さんは、社長がムルソーを探しているという情報を

 入手するでしょう。」と秋月が言って、ニヤリと笑った。