ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき セカンド(改訂) 7ページ目 美しい切子のワイングラス

2012-08-26 20:33:50 | ワインバーでのひととき2改訂三話まで完
【7ページ】


 切子職人の桐山が鯵元を訪れた翌日、プライベートワイン会が開催された。

招待を受けた和音は、鯵元の部屋に通され、彼の切子のワイングラスのコレクション

を眺めていた。

オリンピックの選手がデザインされたペアのワイングラス、星座のペアワイングラス、

海と人魚のペアのワイングラス、日本スミレのペアのワイングラス、那智の滝のペアの

ワイングラス、尾瀬ヶ原の水芭蕉のペアのワイングラス等々・・・・・。


「すばらしい切子のワイングラスですね?」


和音は、それらに魅せられた。


「作者は有名な方ですか?」

「いや、私がすべて独占しているので、彼の作品は世に出回っていないのです。

近い内に個展を開いてあげようと思っているのですよ! 製作者の切子職人の桐山さんには

まだ話していませんが。」

「ぜひそうしてあげてください。」

「ところで和さん、いや失礼和音さん!」

「和さんでいいですよ。和音は言いづらいですから。」

「それでは和さん、今日お願いしているテイスティング対決で私が負けたら、これらのコレクション

中からお好きなペアグラスを持って帰ってください!」


鯵元は、自信を持って言い切った。


「それでは美しい人魚のペアグラスを頂きます。」

「そ、それは・・・・。」