ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき ファースト(改訂) 143ページ目 第四話 人型ソムリエロボットの実力は? 

2012-07-18 21:38:48 | ワインバーでのひととき1改訂四話 完
【143ページ】


「マルゴー村のメドック格付け第2級でオーナーがシャネルのワインはひとつしかありません。

次にアジミーにテイスティングさせます。」


深川博士は、アジミーに向かって、指示を出した。


「テーブルに置かれたワインの入ったグラスを手に取り、テイスティングをして

ワイン名とヴィンテージを答えなさい!」


「承知しました。」


アジミーは、グラスを手に取ると、色を確認し、香りを嗅ぎ、口に含んだ。


「このワインのブドウ品種は、カベルネ・ソーヴィニヨン61%、メルロ35%、カベルネフラン2%、プティ・ヴェルド2%

の比率です。メドックのワインの中では、メルロの比率の高いワインになります。」


「アジミーのテイスティングは、成分分析から入るのですね?」


和音がアジミーのテイスティングに対する感想を述べた。


「それが人のソムリエよりも優れているところ・・・・・・・。」


和音はその後の言葉をにごした。


「そうですよ! アジミーは人間のソムリエには絶対に負けません!」


深川博士は、和音の言葉を褒め言葉と勘違いして、自信満々に言った。


「さあ、アジミー、ワイン名は?」

「色、香り、舌に感じるしなやかな味わい、深みのある果実味、そしてブドウ比率から総合的に判断して

ワイン名は、シャトー・ローザン・セグラです。ヴィンテージは2002年です。」


「そしてアジミーは成分分析の能力が優れているだけではないのも判っていただけましたか?」


和音は、にこやかにうなずいた。