星降るベランダ

めざせ、アルプスの空気、体内ツェルマット
クロネコチャンは月に~夜空には人の運命の数だけ星がまたたいている

スーパー・トリオ 「Bee」

2006-10-15 | 劇空間
どうしたんだろう、最初の曲、ピアソラの「♪アディオス・ノニーノ」で、
チェロの音が聴こえてきた途端、涙があふれてきた。
…心がとけていくような素晴らしい2時間だった。

及川浩治のピアノ、石田泰尚のヴァイオリン、石川祐支のチェロ、
この3人で結成されたトリオ「Bee]の演奏会、
兵庫県立芸術文化センターの大ホールは5Fの天井桟敷まで満員。
私の席は2F左サイドの一番ステージに近い席。ここはとてもいい席だった。
ピアノの及川さんの躍動する両手が、ダイナミックな後ろ姿が凄くよく見える。
ヴァイオリンの石田さんの長い右足の延長上に私がいる。
私を泣かせたチェリスト石川さんはこちらを向いてる。
3人とも黒シャツ姿が似合う。
特にヴァイオリンを持った石田さんの立ち姿は完璧。

ピアソラ「♪天使の死」「♪リベル・タンゴ」
情熱的な演奏、3人がシンクロしているのがわかる。
そんな3人に私がシンクロする。
曲が終わる瞬間、3人の手が同時に宙に舞う。
なんてカッコイイ3人なんだ。

及川さんのリスト「♪ラ・カンパネラ」…ピアノの高音ってこんな音がでるんだって初めて知った。今まであなたを知らなくてごめんなさい。
石川さんのクライスラー「♪愛の悲しみ」…彼の軽く優しいチェロの音色は直接、私の心に届く。
石田さんのモンティ「♪チャール・ダーシュ」…美しい音にまず感激してるのはあなた自身のはず。中学時代にちょっとだけ習ったから、この楽器から美しい一音を出す難しさ、出た時の嬉しさがわかる。自分の耳元でこんな美しい音を奏でる事ができたら、もう弾き続けるしかありません。

ラフマニノフ「♪悲しみのトリオ」って本当に悲しい曲。
音楽って凄い。その場にいる人たちの気分を完全に誘導する。
演奏している彼らはどんな気持ちで弾いてるんだろう。
って思ったらやはり、この曲で休憩になった。

後半
燕尾服姿の3人が奏でる「熊蜂の飛行」…まるで魔術の世界に迷い込んだような気がする。
あとは、クラシックの王道、ベートーヴェンにモーツァルトにメンデルスゾーン。
フォーレ「♪夢のあとに」…チェロの音は人の声に近いのだろうか。石川さんの奏でる音はとびきり優しい人の声だ。

終わった後ホールの外まで続く長い列ができた。
3人が並んで、プログラムにサインして、握手してくれてる。
CD買った人にじゃない。この3000円の演奏会のプログラムにである。

また、必ず来て下さい。待ってます。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「夢見森のモーリス」 | トップ | 南河内万歳一座「百物語」 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

劇空間」カテゴリの最新記事