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星降るベランダ

めざせ、アルプスの空気、体内ツェルマット
クロネコチャンは月に~夜空には人の運命の数だけ星がまたたいている

雨あがりの午後

2007-10-26 | 五七五
雨があがった…世界が美しくなった。
雨があがると、無性に散歩に出かけたくなるのはなぜだろう。
子犬のように、鼻をくんくんさせながら、いつもの道を点検してまわる。
暇だから?
いや、忙しい日々もそうだった。
なかなかリニューアルできない自分なのに、
外の世界は、雨が降るたびに新しくなってる。
雨上がり、一人で歩くと、必ず何かを見つけることができる。
ひものついていない犬のような散歩の達人になりたい。

         水滴と空気を食べに出かけよう

         

         鳥たちが電線揺らす雨上がり

         

         足先で水底のぞく道の池

         

         葉っぱ見てドキドキしてるこんなにも

         

         まるでそう緑の雨が降ったよう         

 

    
    魔法などかけてみせると言えたのは雨が百回降ったその後
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ザクロの実る頃

2007-10-04 | 五七五
女の子が、ザクロの木の下で転んだ。
足の膝からは赤い血が、
つっぱった手のひらには、血のような赤い実がついていた。
泣き出そうとしたら、「大丈夫?」という男の子の声。
女の子は、声のする方に顔を上げた。

…ちびまる子ちゃんなら、ここで瞳に ☆キラ~リ~ン☆
が入るだろうな、というような瞬間…

これは○十年前に、実際に小学校2年生のおかっぱ頭の私の身に起こったこと。
田舎町の、待合室が畳敷きだった古い医院の庭には、たくさん実をつけたザクロの木があった。
医者の孫息子は私より二つ年下だったし、顔もはっきり覚えていない。
でも、このザクロの木の下で転んだシーンは、
今までに、何度も、私の夢の中に出てきた。

夢の中では、時々、この後の話が複雑になっていて、
昨夜は、「僕がやったんだ」って、理不尽な大人に責められてる私を、
半ズボンの少年が、両手を広げて守ってくれていた。

そんな夢を見たのは、昨日、臨港線をディートリヒ号で走っていたら
思いがけず、一本のザクロの木を見つけたからに違いない。
小さな実をつけていた。   
              

              この木の下で転ぶ人に幸あれ!

  禁断の赤い実早く摘んだ幼子
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雷神一過

2007-08-23 | 五七五
昨夜は、肝試しのようにドキドキしながら、ベランダのカーテンを開けた。
PCの電源を抜いて、小一時間。2000発の雷、空一面の稲妻オンステージ。
安全な室内で、守ってくれるであろう(←雷の場合無理です)誰かと一緒にだからできたこと。
…と、無事に過ぎ去ったことだから言えるのであって、本当は、稲妻が光り、夜空全体が明るくなるたびに、震えながら祈っていた。

  雷神の前では消えたくなる自分

臨港線のリンゴさん達無事だったかしら?

 …無事でした。

  みんなより一足先に赤くなり恥じてるような内気な林檎

昨夜の雷神一過、蒸し暑かった今日は、TVで、ペットボトルをおでこにのせたまま、背泳ぎできるジャニーズ系の少年を応援。芸術的な完璧フォームで泳ぐ「バランス王子」=入江陵介君(高3)です。
横のレーンの選手の頭がモコモコ上下するのに、7コースの彼の頭はほとんど動かず、すーいすーいと水平に前に進む。うっとり、見とれてたら、なんといつのまにか、順位も本命森田選手より先に進んでいた。
…結果、世界競泳大会の200M背泳決勝で、金メダルの快挙。
もう、密かに応援どころの話ではなくなってしまった。

  浮かんでも進めぬ背中 前は上…これは私
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「冬ソナかるた」

2007-03-08 | 五七五
「冬のソナタ」を、徹底的に楽しみつくすというサイトがある。
おかみさんの「つっこみ鑑賞記」である。
2年前、おかみさんの呼びかけの下、「冬ソナかるた」なるものをワイワイとつくった。みんなで協力して、画面キャプチャーまでつけた。今でもこれは、最高級の遊びであったと思う。

あの時、自分の「あいうえお」で欠けていたのをなんとか、完成させた。
青字は、自信作。あとはお笑いかな。

(あ)足跡を踏みつつ恋は前に進む  あの写真どうしてそこで破けてる
   アバの曲ついに聞かれずNHK   愛してる人は誰かと問われても
   朝ごはん魚を買いに走る彼
(い)潔くあきらめましょうサンヒョク君  一気飲みユジン倒れるコート着て
(う)海の朝今日は二人で何をする  ウェディングドレスに似合うピンクタイ
(え)映画館どこも満員要予約
(お)置いていく君を託して颯爽と
(か)肝心な時に爆睡していいの   輝けるあんな登場見たことない
(き)兄弟が空を眺めて語るひと
(く)薬投げポニーテールを揺らす君
(け)消したくても無くなりはしない学籍簿
(こ)この指が覚えて奏でるピアノ曲   子供っぽいすねてはずすな点滴を
   ゴンドラが止まってしまう嵐の夜
(さ)再会は初雪の舞う婚約式    サンヒョクが凍えてしまった山の夜
   サンヒョクの母でなくても怒ります
(し)白い雪そこまで遊ぶか大人二人   シルエット運命の人住む影の国
   ジンスクの就職祝いにピ君かかる
(す)ストーブはわたしの記憶を熱くする  
(せ) 先生が与えた罰はうれしいな
(そ)空を見るポラリス光る彼がいる
(た)タロットは欠けてもいいのか次の人
(ち)チュンサンをずっと愛したもう一人
(つ)次の世はマフラー似合う彼と決め  連れてきて後悔したでしょ縦巻きチェリン
(て)手袋はコートのポケット10年間   テープ聞き自分の声に涙止まらず
(と)届くかな校内放送屋上に    トッポッキ君と食べたいいつの日か
(な)なぜだろう初雪なのに二人だけ
(に)にっこりと笑う妹海の風
(ぬ)温もりを求めていたはず父探し
(ね)眠れない夢見るユジンの寝顔見て
(の)望むなら消えてしまうの息子の記憶
(は)拍手さえしたくなるよな茶髪です
(ひ)ピアノ弾く彼の横顔セピア色
(ふ)冬が去り春が来たから消える恋
(へ)塀の上降りられるだろうそれくらい
(ほ)北極星迷うわたしのストラップ
(ま)真っ暗な海に向かって投げる星
(み)ミヒ母のごめんなさいは罪つくり
(む)胸倉をつかみはするが殴れない   無理してるユジンの顔から笑顔消ゆ
(め)メガネなし別れの朝の光眩しい
(も)もしかして僕はあのこのチュンサンなのか
(や)矢のようにスキー場から駆けつける
(ゆ)夢の家君の香りは白い薔薇
(よ)ヨングクは今度はなんと恋敵  (…映画「4月の雪」)
(ら)ラジオから流れる「スミレ」聞き流す   ラジオ局公開録画寒すぎる
(り)理由要る婚約者には勝つ自信
(る)るんるんの気分はユジン一人だけ 
(れ)レンズ越し姿求めて押すシャッター    零下10度声もこわばる肩もこる
(ろ)ロマンスは主役二人のためのもの
(わ)わが母校誰でも入れる無用心    忘れ物いったい何を忘れたの

もう1年以上見たことないのに、これは第何話のこのシーンのこと、と今でも鮮やかにはっきりと思い出せることに自分でも驚く。やはりこのドラマはすごい。
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渡辺美輪川柳集「恋人よ」

2007-03-05 | 五七五
こんなに暖かい冬が続くと、俳句の季語がわからなくなる。
季語の枠組みがなくなったら俳句は川柳になるのかしら。
川柳は季節に関係ない。季節は自分がつくる。
自分の中で花が芽生え、咲き誇り、散っていく。
自分の中で吹く風の音を聴き、時には雷鳴が轟き、豪雨に濡れ、虹をかける。

渡辺美輪さんの「恋人よ」(編集工房円・2003年刊)は、サラリーマン川柳とは全く違う世界。
もちろん自由だから、それに近い、笑いながら(そうそう、そうだよねぇ)みたいな川柳もある。例えば、

ユニクロの服でタンスを膨らます
札付きの男に逢える映画館
コピー機で増殖される怒怒怒怒怒

でも、「恋人よ」所収の400首の川柳は、
その多くが、心が動いた、どうにかなった瞬間の記憶なのだった。
その中で、私が一回読んだだけで忘れられなくなったものを、あげてみる。

死なないでいつか私が殺すまで
死にたいと思ったけれどなぜだっけ
ゆっくりと溶け出す基本的人権
切り刻むものを探している鋏
さよならを言うためだけに待っている
許すなど笑止千万風薫る
生意気な形に咲こうチューリップ

長田弘さんが言ってた「記憶する」とは、川柳作りそのもののような気がする。

♪すべてを覚えていることはできないために、人の記憶は本質的に不完全であり、それゆえに記憶するというのは、断片、かけらを集める、そしてまとめるということです。記憶は、心に結ばれる像、イメージです。言い換えれば、記憶が果たすことというのは、「覚えている」ということではなく、みずから「見つけ出す」ということです。 記憶は、自分の心のなかに、自分で書き込むという行為です。♪
~「すべてきみに宛てた手紙」(晶文社・2001年刊)

美輪さんが、自分を書き込んだ五七五
…迷路の中で立ち止まった時、何も見えなくなった時にも、
言葉が自分の中から湧いてくる人っていいなぁ。
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旧友に出会う

2007-02-23 | 五七五
思わぬ所でめぐりあった旧友(川柳人)に刺激され、五七五を始める。

暖まる言葉を探した帰り道
口に出すだけでほかほかキムチ鍋
川柳は瞬間人生つかみ取り
キャンディも心も人もつかみ取り

自嘲気味の時は、俳句より川柳ね。

五十日達成記念に吸った馬鹿

誕生日記念作品
もう一度恋することができる花束
フリージア似合う自分と思いこむ
ロウソクの数に迷った店先で

あくまで妄想の広がる言葉遊び、でも瞬間の真実はあると思う。

思わず自転車置き場を見回した今日はフォントに初挑戦。

沈丁花どこかに春が隠れてる
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