サムラーです。

はい、
その昔アムラーなどという女子がいましたが
その当時はむしろシノラーの方が好きだった僕です。

そんな僕も今ではすっかりサムラーです。

サムラーが何のことかわからない？
沙村広明漫画の好きな人です。

というわけで
竹易てあし名義での作品ではありますが
サムラーは必ず読んでおくべき名作『おひっこし』です。

大筋でのストーリーは
サークル活動もしつつも
将来についてなんとなくしか考えていない、
年上の魅力的な女性に惹かれる主人公と
その主人公の恋を応援しつつも自分の気持ちに素直になれない幼馴染
幼馴染と付き合っていながらもどこか気持ちの距離には気付いている友人、

そういう
悪い言い方をすればよくある青春ラブコメです。

しかしページ内にこれでもかと詰め込むような情報量であったり
細い線と陰影で描かれる絵が醸し出す空虚感は
弱さを隠せる強さだったり
素直になれない弱さだったり、
微妙な距離感を踏まえつつ
それでも進もうとする暑苦しさを
「くすっ」と笑える爽やかさに昇華します。

だいたいこういう作品は煮え切らない主人公だったり
御都合主義だったりでなんだか納得できない気分で終わることも多いんですが
『おひっこし』に関して言えば、なんだか『それでも【日常】は続いて行くんだ』っていうような
非常に気持ちのいい終わり方でした。

内容をあまり書けないのは
場面ごとにみんな意味があって、ラストに向かう一本の線でつながってるからです。

ちなみ同時収録の【少女漫画家無宿　涙のランチョン日記】もある少女漫画家の短絡転落人生というかそこからの逆転劇というか・・・
まぁぶっ飛んでますが単純に漫画として面白いです。

あまりメジャーな作品ではありませんが
漫画好きには御一読いただきたいと思いました。

「ブラッドハーレーの馬車にはドン引きしたんだが・・・」と言われましたら
「あれとは全く作風違いますので大丈夫ですよ」とお伝えしますのでご安心ください。

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