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吃音のあいつは今どうしてるかな?

2012年12月26日 | いろいろレビュー
『吃音』という言葉があります。
よみかたは『きつおん』、言葉が上手く出てこないことです。

『どもり』とも言われます。

タイプは様々
最初の言葉が出てこない、
何度も繰り返してしまう、
特定の音が出せない、
原因も人それぞれというか
結局のところ精神的な面だったり、何らかの身体的な要因だったり、
いろんな理由が複合的に絡んでいて実際のところは『よく分からない』というのが実情のようです。


この漫画はそんな吃音の高校生、
大島志乃を主人公に気持ちを伝えられないもどかしさや孤立する寂しさ、
やっとできた友達への思いなどを描いていく短編漫画です。

感情を上手く描く画風も相まって
非常に好感が持てるストーリーで
著者自身の吃音体験をもとにしているだけに
世界観と感情が、ごく近くにある雰囲気を奏でていて
単に障害を乗り越えるだけのお話とも違う
すがすがしい読後感があります。

ちなみに
劇中では吃音という言葉は使われていませんし、
主人公が病気なのか精神的な原因なのかには特に言及されていません。
また結果論ですが吃音自体は治ったわけでもない様子で最終話になっているところが
かえって御都合主義に陥るのではなく個性の一つとして昇華した主人公の成長として感じられます。

さて、
僕が今回この漫画を読んだ理由の一つが
中学生のころの友人です。
友人とは言っても学校も知らなければ名字しか知りません。

当時
柔道の合同練習みたいなのがあって
そこに一人の同世代っぽい奴がいました。
何本か乱取り(スパーリングみたいなのです)をして
その後少し話したのですがなんだか喋りが上手くありません。
必死で話そうとする様子がなんだか不思議な感じで「お前、喋られへんのか?」と聞きました。
漫画の中でも主人公の友達が同じような質問をする場面があります。
それ以降の友達の行動も、なんだか当時の僕と重なります。

考えを上手く伝えられない事に悔しそうな表情をしている様子に
「喋られないなら書けよ(笑)」と紙とペンを渡したのも同じ

僕は緊張しているっぽいそいつに「なんか面白いこと書いてみろよ」と促しました。
漫画でも同じような場面があります。

ちなみにそいつが書いた文字は『う〇こ』でした。

聞くことは問題ないので僕からの話は普通にしてました。
何回か一緒に練習したりしましたが
本人は上手く喋れないのを気にしているようでしたが
僕はその度に「喋れないのは大したことじゃない」とまるで小さなことを気にするなとでもいうように言い放っていました。

できる人間が言っても嫌味にとられるかもしれませんが
当時の僕にはそういうつもりはもちろんなく
筆談であっても意思の疎通ができるんなら喋れないことは大した問題でもないと思っていました。

その後何回か一緒に練習したり
帰り道にラーメン食べに行ったりしていましたが

しばらくして
彼はその合同練習に来なくなってしまいました。

僕に対してどう思っていたのかは今となっては分かりません。

ただ
格闘技という言葉のいらないコミュニケーションを通じて好感は伝わっていたと思いますし
僕にも相手の感情は伝わって来たと感じています。

文字だけを見れば相手の気持ちを考えていないように取られるかもしれませんが
言葉で飾らずに自分の考えを伝えられたと、
今では思っています。

良い漫画を見て
なんとなく昔のことを思い出した年末でした。

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