井月庵の由来でもある井上井月さんが旧暦の2月16日に伊那で明治20年(西暦1887年)に66歳で亡くなられたそうです。
今から130年前の事になります。
辞世の句は 「何処やらに 鶴(たづ)の声聞く 霞かな」と言われていますが、これは以前に詠んだ句だそうです。
もう一つ「闇き夜も花の明かりや西の旅」という句も伝わっていて、瀧勝寺の過去帳には
「発句師塩翁斎柳家井月居士 二月十五日 井上勝蔵 六十五年」とあるそうです。
ということで、井月さんを偲んで夕飯前に一杯
「井月全集 第5版」という書籍も持っているのですが、読みやすさ、持ちやすさ、お酒を飲みながら「春」の発句をあれこれと拾い出して朗読するには岩波文庫が手ごろでいいです。(と言っても税込み1100円するけど、1冊あれば一生もの、何度も読める。いや、全部一気読みは私にはできない)
「涅槃より一日(ひとひ)後るる 別れかな」
「曙は常にはあれど春の富士」
「春の野の酢みそにあはぬ草の無(なし)」
当然、一杯では終わらず、年の初めに焼酎につけた込んだ檸檬酒を味見して(2杯)、お燗で1本 テレビでも偲ぶ話が聞こえてくる。
「転寝(ゐどね)した腕のしびれや春の雨」
まだまだ いっぱい