新第3弾ゾンビ「賭け?キミカの罠?」
「あー、その手はあるわねえ?
でも、一種の賭けよね。
もしかして、
それって、
キミカの罠?」
「そう思われると嫌だから、
ひさめに言いにくかったの?」
「5分だけ考えさせてくれる?」
「もちろん、
間に合うまでは」
「5分で充分よ」
「なら、いいけど」
(続く)
本編リメイク「空猿エイタは死んでいた?」
「かなり精神的にまいってるなあ?
死んだ少年の名前を言うとはな?」
「うーん?
でも、何故、あんなことばかり言い張るんだろうな?」
「よっぽど、怖い目にあったんだろうなあ?
それと、
亡くなった空猿くんとは最後まで一緒に行動してたんだろう?
でも、おかしな話しだよなあ」
「まあ、精神的な問題だからな」
(続く)
レイジーブラザース「アホな強敵の弱点?」
「ジュウロウ先生、何やってんですか?」
「いや、あのフランケンを倒せる武器がないか
と思ってのう。探しているじゃが...」
「無理ですよ。
あの石のような頭じゃ、ナイフも通用しないんじゃないですか?」
「うーん、
アホなだけに強敵じゃのう」
ジュウロウとマスターの話しを聞いていたカイミヤマが、
「たしかに、力だけじゃ勝てそうもないですが」
と言って、今度は身体のあちこちを触りだした。
「早くするだすよ。
殺される前に殺すんだすよ!」
「あほ!」
「ほら、行けよ」
「わかっているけど、ソファーが邪魔なんだ。
傷つけたらもとネエに怒られるのは俺だからなあ」
あおむ、ウメナ、直哉が急かすと、
龍之介はもとこがまだ生きていると思っているだけじゃなく、
迂回すればいいだけなのに、
アホだから意外に背部が高い革製の黒いソファーの上
を長く伸びた汚らしい爪で、
傷をつけないよう乗り越えようとモタモタしていたのだった。
「ありました。
これで強敵もどうにかなりますよ」
カイミヤマは服の中からあるものを取り出し、
ジュウロウとマスターにちらっと見せたのだった。
(続く)
春のループ作ゾンビ「トイレ女」「素朴な疑問?」
*何かを期待されている方には、
今までで一番つまらないかもしれません。
結局、例の男は、
完全に精神をやられてしまい、
病院へ入院することになったのです。
そして、
その話しがその男を診察した精神科医から漏れてしまい、
ネット上、
論争になったのです。
最初に論争になったのは何か?
ワンピースのことだろう?
いえ、違います。
じゃあ、
トイレからその男が出てきたことだろう?
いえ、それも違います。
何故なら、
そんなワンピースも、
そんな動画も、
その男の部屋には残ってなかったそうですから。
じゃあ、
何が論争になったのか?
それは、
そもそも、
トイレ女が存在したのか
ということなのです。
不存在派の主張は簡単です。
もともと、
例の男の精神がいかれていただけだ。
すべて、
トイレ女の一件は、
いかれた男たちの妄想だと。
はい。
一見、筋は通っています。
これまでのトイレ女の話は
どれもインチキくさい話しばかりですからね。
トイレ女なんて存在せず、
その女の被害に遭った男
と主張する男全員がもともと精神がいかれていただけだ
という見解は、
ある意味、
単純明快な意見だったのです。
しかし、
この不存在派はごく少数意見にとどまりました。
その根拠の一つは、
会社での例の男は普段の勤務ぶりも生活態度も普通で、
精神状態がおかしかったような素振りはまったくなかった
ということです。
それから、
もう一つは、
その男が発見されたときの状況です。
その男の勤務席の上司は、
例の無謀な男が、
次の日、
無断欠勤し、
携帯に出ないので倒れているのではないか、
と心配になって、
その夜、
その男の家に訪問したところ、
部屋の鍵は開いていて、
男が玄関の入り口で下着姿のまま、
両足を抱えて座り込んだまま、
ぶるぶる震えて、
ぶつぶつ何か言っているのを発見したそうだからです。
普通の男がこんな状況になるのは、
とんでもない怖い目に遭ったからに他ならず、
男の発見状況から、
男は単なる妄想男ではないと、
何人もの論客が主張し、
不存在派の意見はほぼ否定されたのです。
こうして、
この男は、
無謀にも、
百戦錬磨のトイレ女に挑戦したが、
トイレ女の巧妙な罠にはまった哀れな男である、
というのが、
多数的見解となったのです。
はい。
今日はここまで。
ごきげんよう。
「椅子クソ兄弟再登場!逆サクラあおむの探偵ごっこ」「アホバカ再登場」
「あー、
例の売れない漫才師さんの声だ」
ウメナがそう言うと、
「何だ、あいつら、
これからいいところなのに」
かおむが、ドアを開けると、
龍之介と直哉がづかづかと入って来たと思うと、
龍之介がいきなり直哉の頭を後から押さえつけて、
「謝れ、直哉」
と言う。
「どうしたんですか」
マツメが少し驚く。
「お、
いえ。
私は悪気はありませんでした。
勘違いしただけです。
泥棒ではありません」
と、
直哉が唐突に言うと、
「バカ、言い訳しないで、
土下座しろ」
と、
龍之介が直哉の頭を叩いた。
「いてえな。
いえ、痛いです」
と、
直哉は言って、
その場で土下座する。
「なんだすか。
直哉、
おまえ何やっただすか」
あおむが訊くと、
「だから、泥棒だよ」
と、
龍之介がそういう口の聞き方をしたので、
「龍之介、なんだすか。
その口の聞き方は、
おまえも土下座するだすよ」
「お、いえ、私も」
「そうだすよ。
今、何と言っただすか?」
あおむが、
龍之介の尻の方を見たとたん、
龍之介は慌てて、
土下座して、
「申し訳ありませんでした。
以後、言葉には...」
と言いかけて、
その後の言葉遣いを忘れる。
「直哉は何を盗んだんだ?」
と
かおむが首を傾げると、
「おー、あれれ、あるぞ」
と
龍之介が顔を上げたとき、
あるものを見て、
そう言ったのだった。
(続く)
「そして3人しかいなくなった?」176
「リカさん、今、怒ってますよね」
「別に」
たけるがわざと訊くが、
明かにリカは怒っていた。
「俺たちの世界では、
1分は60秒、
1時間は60分、
1日は24時間、
そして、
1年は365日、
ただし、
4年に一度は、
1年は366日なんだな。
びっくりしただろう」
たけるが、
にやにや笑いながら言うと、
「こんなときにふざけた冗談やめてください」
リカはムッとした顔で言う。
「リカさん、
たけるの言ったことは本当なんだ」
みつるが真顔で言うと、
「まさか?
そんなめんどくさいんですか?」
と、
リカはようやく機嫌を直して、
みつるの顔を不思議そうに見る。
「多分、リカさんの世界では、
全部、10なんでしょう?」
と、
みつるが訊くと、
「いえ、
1年だけ1000日です」
と、
答えた。
すると、
たけるが、
「そうかあ?
今、タケさんが夢中で見ている時計なようなものは、
全部、
数字は、
99まであるようなんだよ。
しかも、6組?
どういうことかな?」
と言って首を傾げると、
「秒ですよね。
分ですよね。
時間ですよね。
日にちですよね。
年ですよね。
あー。
全部で5つで足りますね」
と、
リカははっきり言った。
「じゃあ、
リカさんの世界では、
曜日はないんですね?」
と、
みつるが訊くと、
「ヨウビ?
それはなんですか?」
と、
リカは怪訝な表情で、
そう訊いた。
(続く)
サクラナ外伝フォー「あおむとウメナは仲良し」
「タマキどうしたの?
ねえ、タマキ!」
「あおくんも……
あおくんもウメナと一緒に。
ねえ、ウメナ!
起きて!
起きて!」
タマキは途中から狂ったようにウメナの身体を揺り起こす。
「タマキ!
ウメナはもう」
「でも、あおくんも。
あおくんも一緒にいっちゃう!
二人は仲良しなんだから」
タマキは涙を流しながら、
必死に、
ウメナを揺り起こそうとしていた。
(続く)
「ドア女Ⅵ」ト
「ああ、ごめん」
「もういいって。
それより、ここまで話せば
俺の言いたいことはわかったよな!」
「ああ」
「そういうことか?」
「うーん、そういうことだすか」
「俺は...」
「何だ、永久だけか?
わからないのは」
「半分だけなんだよ」
「半分?」
「ケンタが言いたいのは、
別の場所からボタンみたいのを押して、
あの音を鳴らすように細工して、
ネネちゃんが持ち込んだスピーカーみたいなものから
音が出ていた
ということなんだろ?
でも、さあ...」
「なんだ!永久。
半分以上わかってるんじゃないか?」
「うーん」
「どうした?」
「そのスピーカーなんだけどさ?」
「ああ!
そこまでもう考えていたのか!
それはなあ。
犯人が持ち去ったから現場には残っていなかったんだよ」