社会福祉法人の密室性、あるいは閉鎖性について

2018年02月12日 | 日記

 およそ5年ほど前から始まった国の一連の社会福祉法人改革で、私たち社会福祉法人はこれまでの在り方やその姿勢を厳しく問われた。資金の内部留保問題や私物化の実態、課税非課税問題等々において。
 しかし、それでも今なお社会福祉法人は決して社会に対して十分にひらかれているとは言えない。裏を返せば、社会は社会福祉法人が何をやっているかを知る方法を持たない。その結果、社会は何かを意図しない限り私たちに関心を持たないでいる。だから、それをいいことに全国の社会福祉法人の中には、社会の無関心を逆手にとって、今も得手勝手なことが出来ると思ってしまっている者、あるいはいまだにそこに手を染めている者がいるかもしれない。
 例えば、社会福祉法人というソシキの責任者である理事長や施設長が極端なリーダーシップを発揮している場合がある。それはよほど注意をしないと、そこでは第三者の目が届きにくくなり、高じるとソシキのことに誰も口を挟めなくなって、独善的なソシキ体制となることがある。そうなると社会福祉法人の密室性、あるいは閉鎖性はより強固になっていき、理事長や施設長の権限や発言に周囲の者がどんなに疑問や違和感があろうとも、それが当たり前となり、ついにはそれがソシキ内では日常となる。そこではもはや健全なガバナンスは機能しない。
 既に皆さん、ご承知だろうか。昨日の新聞記事(読売新聞平成30年2月11日付)はどうだ。
 九州のある県のある社会福祉法人では、雇用している100人を超える職員から、毎月2千円から1万円の寄付金を給与やボーナスの支給日に合わせて集めており、それを何と県会議員である理事長の資金管理団体に献金していたという。しかもそれは20年以上にもわたって行われていた。総額は2億円を超えているとのこと。外部からの指摘を受け、先月、寄付金集めをやめた、と書かれている。
 そのことについて施設職員は「負担に感じて退職した人もいる。問題だと思っていても口には出せなかった」と話している、と報じている。理事長は県議12期目で県議会議長も2回務めている人物だという。
 何ということだ。
 自分の身をどう処せばいいのかと、職員の人たちはどんなにか悩んだことだろう。苦しんだことだろう。
 あなたは、そんな職員に向かって、
「どうしてそのことを職員は指摘しなかったのか。20年以上も続いているのに、指摘しない方も悪いんじゃないのか」と、言い放つだろうか。
 私にはとても言えない。
 これは個人の問題ではない。ソシキの問題なのだ。
 私たちはこうしたソシキとしての社会福祉法人の密室性、あるいは閉鎖性を脱皮しなくてはならないと思う。


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