“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

集団的自衛権と野党の動き

2014年06月15日 12時59分49秒 | 臼蔵の呟き

集団的自衛権行使容認の政府見解は、憲法9条の空文化を目的としています。その結果、日本は戦争をする国に転換される。この政治課題、意思決定は、様々な政治課題と同列に議論できる問題ではありません。国の行く末を根本的に変更、転換する政治問題であるからです。その点で、自民党、公明党の動きは、野党への働きかけを含めて、必死になっています。

野党は、民主党、みんなの党、維新の会、結い、生活などは集団的自衛権行使に賛成、限定賛成を表明しています。その点では、自公政権は、大勢翼賛体制を築いています。ここまでは国会における各政党、多数議席を握る政党の動きです。しかし、世論調査での国民多数は、集団的自衛権行使容認には反対です。その点では、政権与党、賛成の野党議席とはねじれ状態になっています。ここに最大の問題があります。国民の意思を議会に反映すべき議会制民主主義が、議会の議席数、議員意見と相反する状態であることは最大の政治問題です。

議員個人個人の意見よりも、政党に託された多くの国民、選挙民の意志と反対の政治姿勢が許されるかどうかが問われる事態になっているのです。そのことは、この問題でも、今後の政党選択にすべて反映させることが重要です。

<東京新聞社説>集団的自衛権と野党再編

 野党再編の動きが活発になってきました。集団的自衛権をめぐる議論が具体的になると、議論は一段と加速するでしょう。国のあり方が問われています。

 民主党の前原誠司元代表は先に、日本維新の会を分割して新党を結成する橋下徹共同代表との合流について問われ「(合流する確率は)100%」と答えました。その直前には、党内の保守系議員らと会合を開き、集団的自衛権の限定的行使を前提とする安全保障基本法案の骨子を発表しています。前原氏は離党を織り込みつつあるようにも見えます。

◆腰が定まらない民主党

 野党再編の動きは、みんなの党の分裂劇から始まりました。その後、日本維新の会が石原慎太郎共同代表のグループと橋下氏のグループに分裂し、橋下グループはみんなを離れて結成した江田憲司代表が率いる結いの党と夏に合流し、新党を結成する方針です。これで終わりではありません。橋下氏は前原氏らを念頭に、民主党の一部とも合流を目指す方針です。石原氏はみんなの党との合流を模索しています。

 にわかに激しさを増してきた野党再編の背景には、何があるのでしょうか。それは憲法を含めた安保防衛政策をめぐる考え方の違いです。

 民主党内は集団的自衛権をめぐって考え方が割れています。ある賛成派議員は「固い反対派は党内の二割。賛成派も二割。残りの六割は様子見です」と語っています。割り引いて聞く必要はありますが、たとえば岡田克也元代表でさえ、国会論議冒頭で「私のスタンスは限定した事例で認めるかどうか、まだ態度を決めていない」と述べたほどでした。野党第一党なのに安保防衛の鍵になる重要問題で姿勢が定まらないのです。  

◆法改正で迫られる決断

 いま自民党は公明党の説得に全力を挙げています。連立政権の枠組みを守るために、与党の公明党と合意したうえで憲法解釈変更の閣議決定をしたいからです。

 ただそれは、あくまで政府の方針決定にすぎません。むしろ重要なのは、この後なのです。安倍晋三政権が解釈変更の閣議決定にこぎつければ、次は自衛隊法はじめ約十五本の法改正が待っています。早ければ今秋の臨時国会から審議が始まるでしょう。

 法律の改正となれば当然、国会の仕事です。これまで野党は政府の考え方をただすだけでしたが、法改正となれば、単なる議論では済みません。賛成か反対か、明確な態度決定を迫られます。

 そのときどうするか。前原氏の政治姿勢から考えれば、反対は考えにくい。もしも党が反対で一本化し自分が賛成すれば、離党を迫られる事態も十分に考えられます。そんな展開をにらんで先手を打ったのではないでしょうか。この話は前原氏にとどまりません。与野党を問わず他の国会議員も同じです。たとえば橋下・江田新党はどうするのか。橋下氏は賛成。江田氏は集団的自衛権の行使に慎重ですが、海上自衛隊による日本海での米艦防護など、実際の行動は「個別的自衛権の拡大解釈で対応できる」という考えを著書で明らかにしています。

 石原新党とみんなの党はもともと行使容認の立場ですから当然、法改正でも賛成するでしょう。

 いま難しい立場に立たされているのが公明党です。もしも政府の解釈変更に最後まで反対するなら、全会一致が原則の閣議決定ができなくなるので結局、連立政権を離脱せざるをえません。そうなれば、野党になって法改正にも反対するでしょう。

 集団的自衛権のような重要課題で国会議員一人一人が立場を明らかにする。その過程で政党が分裂する。与野党の枠組みさえも変わるかもしれない。政界大激動ですが、国民から見ると、実は望ましい姿です。そういう再編を経て、選挙で支持する政治家や政党を選びやすくなるからです。「あなたの党は集団的自衛権をどう考えるのか」と問うて「私の考えは党とは違う」では納得できないでしょう。そもそも根本的な考え方が違うのに、一緒にいるほうがよほど不健全なのです。

 議論が再編含みなのは、それだけ真剣勝負とも言えます。それでもまだ核心に迫っていない。

◆政治の筋を通す再編に

 日米安保条約は日本だけでなく韓国を含めた極東の防衛にもコミットしたうえで、国内に米軍基地を置いています。日本は朝鮮半島有事で米軍が日本の基地を使うのを認めるでしょう。それ自体、集団的自衛権の行使になることはないのか、議論があります。

 党の方針より前に、まず与野党議員がそれぞれ自分の考えを鮮明にしてもらいたい。その結果、野党再編が進んで、掲げる政策に筋が通るなら政治の前進です。


改正国民投票法成立

2014年06月15日 10時58分09秒 | 臼蔵の呟き

現行憲法が国民にとって何らかの不利益、国民主権、基本的人権、平和の擁護と維持にとって重大な欠陥があるのでしょうか。憲法による重大な危機、障害は全くないと言ってよいと断言できます。ところが、その現行憲法を敵視し、改悪したいと願う勢力が自民党、公明党、民主党、維新と太陽、みんな、生活、結いに共通した政治姿勢です。彼らは口ではいろいろなことを説明しますが、改憲と言う点ではほぼその姿勢は一致しています。

ところがこれらの政党への投票者、選挙民の多くがこれらの政党が改憲、現行憲法を敵視していることを理解した上で、投票しているかと言えば、全く異なっています。世論調査から分かることは改憲反対、集団的自衛権行使容認などの9条の趣旨に賛同し、改定すべきとはほとんどの選挙民が思っていないからです。

代議制民主主義が危機的な状況に瀕していると言えます。選挙に当たっては本音を隠し、まともに政策を語らずに(自民党、公明党は反対姿勢すらにおわす=TPP交渉など)当選したら、白紙委任状であるかのごとく振舞う。このような政治、政権が続くことで、政治不信がますます増加し、低投票率になる。自民党にとってはどちらになっても都合がよいことにはかわりません。政治に期待しなければ期待しないだけ、自民党の身勝手さが黙認される都合のよさがあるからです。

許せないことです。このような国民を馬鹿にした政治、政権を退治させ、大勢翼賛勢力となる民主、みんな、維新、結い、公明党議員を批判し、彼らを議員の地位から引き降ろすことが必要です。

<北海道新聞社説>改正国民投票法成立 改憲への号砲ではない

 憲法改正手続きを定める改正国民投票法が参院本会議で可決、成立した。

 「任期中の改憲」を掲げた第1次安倍晋三政権が数の力で強引に採決し、成立させた法律である。多くの問題を抱えたままで、事実上「使用不能」の欠陥法だった。改正法でも問題は解決されなかった。国会審議では法律を使えるようにすることばかりを優先し、中身の議論は生煮えのままとなった。これでは本末転倒である。

 改憲派は改正法成立により「改憲の手続きが初めて整った」と勢いづく。だが、今すぐに改憲が必要だという国民的合意があるわけではない。欠陥がある以上、このまま進むことは許されない。諸課題を丁寧に議論した上で、法律の再度の見直しが必要だ。

■将来に混乱の種残す

 国会審議の軸となったのは投票年齢の問題だ。

 改正法は施行の4年後に「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げるとした。公職選挙法の選挙権年齢は施行後2年以内に「18歳以上」を目指して各党が検討することとし、未決着である。各党の議論がまとまらなければ、国民投票だけが18歳となりかねない。「国民投票も選挙も同じ『参政権』なのに差がつくのはおかしい」との疑問は取り残された。民法の成人年齢引き下げは実現の見通しがない。憲法15条は「成年者による普通選挙」を規定している。成人年齢が20歳で、選挙権年齢が「18歳以上」となれば、憲法に抵触する可能性がある。国民投票、選挙権、成人の年齢は一致させるのが筋だ。見切り発車は混乱の種を残すことになる。

 当初から懸案だった最低投票率導入の是非も決着していない。

 たとえば投票率が40%なら、投票権者の20%を超す賛成があれば改憲が実現することになる。わずかな意思を根拠に国の基本法を変えてはならない。

 「公務員による国民投票運動」も中途半端だ。裁判官や検察官、警察官などの「特定公務員」以外は賛否の勧誘を自由としたが、罰則の是非や、国と地方の公務員を同等に扱うかは先送りされた。

 このほか、国民投票を憲法改正以外のテーマにも広げるかや、投票までの周知期間が最長180日で十分なのかなど、重要な論点が放置された。不備を知りながらの立法行為は無責任である。

■「審議不十分」認める

 納得がいかないのは、問題点を残したまま、とにかく先へ進もうとする姿勢だ。法案を共同提出した与野党8党(自民、公明、民主党、維新、みんな、結い、生活)に共通していた。

 提案者の一人で自民党の船田元・憲法改正推進本部長は「100%ではないが、5、6割達成したことで法律を動かすのは一歩前進だ」と答弁した。審議の不十分さを自ら認めたものと言える。推進派は「改正の発議要件を定めた憲法96条がありながら、具体的な手続き法を定めていないのは立法府の怠慢だ」と主張する。

 しかし、手続き法がないために国民が権利を侵害されたり、不利益を被っているとは言えまい。憲法改正を求める広範な世論が形成されてからでも遅くはない。

 とくに今は、改憲に前のめりな安倍首相が政権を握っている。

 96条の先行改正論を唱えたほか、国民の知る権利を脅かす特定秘密保護法を成立させた。憲法9条を骨抜きにしかねない集団的自衛権の行使容認を、解釈改憲により推し進めようとしている。

 極めて疑問が多い憲法観を抱く政権の下で、憲法改正手続きをめぐる国会審議が拙速に進められたとの批判は免れまい。

■冷静で慎重な議論を

 改憲を急ぐ勢力には、国の根幹をなす憲法を変えることの意味をよく考えてもらいたい。憲法は「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」という三つの柱からなる構造物だ。種々の法律が周りを肉付けしているが、骨格となる憲法自体は制定後一度も変わることなく存在している。憲法が「不磨の大典」でないことは言うまでもない。だが憲法を軸とする法体系は互いに複雑に連関しており、一部を変えることで全体のバランスが崩れかねない。

 だからこそ、慎重かつ十分な検討が必要なのである。改憲派の政治家はこうした負の側面に気づいているのだろうか。

 与野党8党は具体的な改憲原案の検討に入る構えだ。自民党は再来年の参院選前に改憲原案の国会提出を目指すという。改正法成立は改憲へのゴーサインではない。なお未解決の問題に取り組むのが先だ。

 求められるのは冷静な議論である。私たちの生活に憲法がどう関わっているかを解き明かし、国のかたちを変えることの是非について時間をかけて考えるべきだ。


安倍自民党政権の「骨太のブラック企業支援方針」

2014年06月15日 05時35分26秒 | 臼蔵の呟き

何が骨太というか?政権と経団連、大手企業にとってはのどから手が出るような人件費の削減、労働法制のなし崩し的な空文化、保険業界の利益追求の機会創造が盛りこまれました。

まじめに働く、圧倒的多くの国民が貧困にあえぐのは、正規労働で働く場が限定され、労働条件の切り下げ、雇用機会の減少です。要は、安倍自民党政権は大手企業の政治代理人であり、言葉でのごまかしは沢山しますが、実質的な国民の生活擁護、生活レベルの向上などは全く政治的に実現するなどの姿勢はありません。何が岩盤かと言えば、利益を上げたい大手企業にとって儲けを上げるために「邪魔」「障害」となっていることが岩盤と称しているだけです。何か、岩盤といい、新しいことを、進めるように聞こえるだけですが「国民多数を不幸にする骨太のブラック企業支援方針」と呼ぶのでしょう。

<琉球新報社説>「岩盤規制」 国民の安全を犠牲にするな

 哲学なきルール撤廃は、野放図な弱肉強食社会を生み出す。ルールの何が重要で何が重要でないか、見極めなければならない。

 政府の規制改革会議が約230項目の規制緩和策を安倍晋三首相に答申した。政府は成長戦略に盛り込み、労働基準法改正などを進める構えだが、危険だ。国民の生命と健康を犠牲にしかねない。成長政策としても疑問だ。国民の安全の確保へ、むしろかじを逆に切るべきだ。

 答申の目玉の一つがホワイトカラー・エグゼンプション、いわゆる「残業代ゼロ」の導入である。政府は「年収1千万円以上で、高い職業能力を持つ労働者」に限定すると強調する。だが限定は導入時だけで、じきに範囲がなし崩しになるのは目に見えている。
 導入を推進する産業競争力会議の竹中平蔵氏は小泉構造改革の中心人物だ。現在の人材派遣法は当初、高度な専門職に限るといって施行したのに、竹中氏の下で派遣対象が拡大した。こうした緩和の結果が今の非正規労働者の激増だということを忘れてはならない。
 その正規から非正規への置き換えが、本来は消費性向の高い若年層・子育て層の消費控えを招いた。だから労働規制の撤廃・改悪はむしろ長期の消費退潮につながり、成長政策としても愚策なのだ。
 政府は、正当な賃金を払わずに労働者を酷使する「ブラック企業」を追放すると強調していたはずだ。それはポーズだけなのか。

 医療面では、保険診療と保険外の自由診療を併用する「混合診療」を拡大するという。すると、自由診療の数十万~数百万円を負担できる富裕層相手の病院ほど繁栄し、保険診療を重視する病院は経営が苦しくなりかねない。
 そもそもなぜ混合診療拡大か。安倍首相は「多様な先進医療に迅速にアクセスできるようにする」というが、それなら現行の高度先進医療拡充の方が近道ではないか。
 混合診療が拡大すると高い医療費を賄うため民間の医療保険が繁盛する。その市場は米国資本の保険会社が狙う。今の国民皆保険制度が崩壊する懸念もある。米系企業のために国民の健康に必要な制度を壊すのか。
 生命や健康は工業製品などと異なり、1回限りの貴重なものだ。労働時間や医療はそれを守るためのルールである。それを、成長を阻害する「岩盤規制」だと見なすこと自体が間違っている。