★さちの夢空間

さちの身辺雑記。
ときどき情報の交換も。

芝居を見に大垣へ

2005-10-29 12:24:51 | 






「ドライビング・ミス・デイジー」がどうしても見たくて大垣へ。
二日間休養を取ったのでまあまあの体調。
初めての劇場だったので、迷うといけないからと
早めに出かけたところ、25分で着いてしまった。

座席は後ろのほうだったが、奈良岡さんも仲代さんも
びんびんセリフが聞こえてきた。
岐阜の市民会館より音響がずっと良い。

舞台はデイジーの居間、息子ブーリーの自宅(時には事務所にも変わる)、
そして車と簡素なつくり。

しかし、そこで演じられたのは1948年から73年までの25年間。
ミスデイジーはユダヤ人、ホークは黒人。
どちらも差別を受け続けてきた階層だ。

差別意識はないと言いながら、差別的言動のあるミスデイジー。
彼女を愛情を込めて気遣う息子ブーリー(千葉茂則・好演)にも
ああいえば、こういうの憎まれ口。
しかしデイジーはホークに徐々に心を開き、ホークは常に彼女を
受け入れ、支え、お互いに深い信頼関係で結ばれてゆく。
そのやり取りが面白く、しばしば笑い声が起きた。

デイジーは最後は認知症になり施設に入るのだが、
最後まで毅然とし、ホークは卑屈になることなく
矜持を保ち続ける。そのあたりがとても爽やかな感動を与えた。

二人の名優の芝居はまさに阿吽の呼吸で展開され、
二人がつむぎだしてゆく深い友情は、舞台を見ていることを忘れさせ
その中に漂っているような錯覚を覚えた。

なんかうまく表現できないが、今まで芝居を観てきて
一度も体験したことのない不思議な感動に、身を包まれた。

芝居のあと交流会があり、3人の役者さんの話が聞けた。
仲代さんも奈良岡さんもとても若々しく、1時間45分
もの間、休憩なしで芝居を演じ続けた方たちとは思えなかった。
特にお二人のセリフの量は膨大だし、
奈良岡さんは衣装替えが何度もあり、「楽屋裏は
運動会なんですよ」と笑っていらした。

思い切って観にいった甲斐があった。