驚きました。
次のようなことが書かれていました。
ー恐ろしい国ー
今月24日、和歌山カレー事件の上告審弁論が開かれる。
林真須美被告人は事件への関与を否定し続けている。
物的証拠は何一つない。動機すら解明されていない。
すべて状況証拠だけ。ところが一審と二審の判決は死刑。
「疑わしきは罰せず」ではなくて「疑わしきはとりあえず
有罪で、国民感情が収まらないなら死刑」ということになる。
この国の刑事司法は完全に窒息した。
さすがに検察もこれで有罪にできないと思ったのか、これまでの
裁判では、二十三件の類似事実を持ち出してきた。
つまりヒ素を使った事件が被告人の周辺で過去にこれだけ
おきているのだから、今回も当然有罪です、という論理だ。
ところが二十三件のうち十九件は起訴すらされていない。
さらに被告人が関与したとされる六件については、
被害者とされた二人がこれを否定するという
異常な事態になっている。
鍋に混入されたとされるヒ素鑑定や、被告人が鍋の周囲を
うろうろしていたなどの証言も、あらためて記録を読めば
相当に怪しい。
はっきり書けば冤罪の可能性がとても高い。
でもほとんどの人はこれを知らない。
かつて被告人を「毒婦」などと形容したメディアが
新しい展開を報じないからだ。
恐ろしい国になったものだ。(巌窟王)
そういえば林真須美被告人はカレー事件については
一貫して否認している、という記事は見たような気がします。
しかし、事件直後からのテレビ、新聞などのメディアの扱いは
まさに『毒婦』を印象付けるものでした。
このコラムを読まなかったら、わたしは彼女が犯人だと
思い込んでいたと思います。
松本サリン事件の河野義行さんもはじめは犯人扱いで
多くの人が、報道のとおり彼の犯行だと思っていました。
折りしも5月21日から裁判員制度が施行されます。
もし裁判員に選ばれた場合、わたしなどは
メディアの報道で受けた印象にかなり左右され、
事件を公平、公正に判断する自信はありません。
その意味でもメディアの責務は多大なものがあります。
メディアが事実を冷静に、温度差なしで報道することを強く望みます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/bf/d9421c7730827daffc5df4c385d78437.jpg)