どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

新作短編小説『ぬすびと萩』

2023-10-05 02:40:15 | 短編小説
秋田県の能代郡に属するある小さな村では、山野に萩の群生する一帯がある。   この村の庄屋の佐藤新左エ門という男は、村の寄り合いのたびに奥の間から大きな蕾を持ち出して来て先祖代々伝わる小判や二朱銀のコレクションを見せびらかせていた。 「どうだ、お前らもせっせと働いて少しでも蓄財することを忘れるな。長い歳月の内にはこうして山吹色の銭が拝めるようになるぞ」 庄屋としては本気で村人を鼓舞 . . . 本文を読む
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