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どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

思い出の短編小説『失踪』

2022-12-15 01:10:45 | 短編小説
バタンと音がした。 愛犬のトイプードルを追いかけていた庄三の胸が、びくっと反応した。 前方の木々の間に、さびれた別荘が見える。 音は、その建物の蔭から聴こえてきた。 庄三は、太った体を揺すって雑木林の小道を走った。 急いで走っているつもりだが、よたよたした小走り程度のスピードだったかもしれない。「リリー!」 声がかすれていた。 ほとんど悲鳴に近かった。 自分の声が、いやな予感を連れてきた。 (もし . . . 本文を読む
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