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どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

思い出の短編小説『辻占』

2022-12-11 01:18:53 | 短編小説
 晩秋の黄昏どき、銀座八丁目の角に着物姿の男が佇んでいた。 汚れたたっつけ袴に錦半纏をまとい、頭には翁頭巾を載せている。 足元は草鞋を履き、見知らぬ場所で途方に暮れたように目の前の通りを眺めていた。 ここは新橋に近い金春通りのどん詰まり、博品館にも近い一画である。 デパートやブランドショップから流れてきたというより、この一帯を好んでうろつく通行人の姿が見られた。 男の商売は黄表紙などで見かける飴売 . . . 本文を読む
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