(NTT BCS) 硬派的社評漫筆+Rits

BCSでBlogの講習を受けTestで開始します。
硬派の漫筆的随想ですゆっくりお読み下さい。

6-10 免疫ー3

2014年06月14日 | 身辺

  さ ら に T 細 胞 に つ い て 
 健常人の体内でも1日に3個程の異常細胞が発生し、そのまま増殖すると癌細胞になる。それに対抗して攻撃するのがやはりリンパ系だ。
しかしガンはもともと自己細胞であったのが、それより逸脱し、細胞社会のコントロールから外れ、いつの間にか「非自己」になって行くのでT細胞が見分け難くガンが発生するという説もある。
 しかし世界最強の「リンパ軍団」に襲いかかる敵が出現した。
それは「エイズ・ウイルス」である。
ヘルパーT細胞(指揮官)を狙撃するので軍団の統率を欠き、免疫抑制力を失う。
エイズ患者は侵入病原体に容易に感染し病気に罹る。(エイズの病名「後天性ヒト免疫不全症候群」が理解出来る。
中国では「愛死」とも表現。中国人の創語力とユーモアに敬服す) 
偉大で強力なT細胞はどうして出来るか。
骨髄で生まれたリンパ系幹細胞が心臓の上に被さるようにある「胸腺」に入る。
ここが司令官の養成学校で自己と非自己との識別能力の教育を受ける。この機関の訓練・試験は難しく卒業者は数%で、完成されたT細胞指揮官は非常なエリートである。 
しかしこの胸腺の活動は生殖年齢期にピークとなり以降は順次萎縮して行く。
人間の体の仕組みに合理的・神秘性を見るが、この点でも如何に体の全機能が生殖に対し最良状態に適応しようとしているかが解る。
所謂「結婚適齢期」と言うものがある。時代の変化と共に、身体適齢期だけでなく社会的状況でその年齢は変化していく。
男女両性の存在の意義は単に種族保存の本能の為だけでは無く、広く文化・芸術の域までも達している。
しかし近時の商業主義は性欲の快楽のみをあおっている。コーランの戒律程でなくとも、生殖行為をまともにとり扱わないとT細胞を始め全肉体細胞を失望させるだろう。
欲望の働きにもT細胞的制御があればよいのだが(快楽期を終えた老人の分別と言うなかれ)
しかしT細胞も人が老いてくると非自己を排除するどころか自己自身を攻撃して来る。
若いうちは体を守ったリンパ系が晩年になると死を準備する役になる。
先述のガン細胞に対する攻撃力が衰えるのと似ている。
  地球上に生物が共存しながら豊かな生命を展開するには世代交代が必要だ。
その機に進化があり多様な生命が産まれてきた。
リンパ組織は次代を残す為に生殖年齢迄は自己を守り、次世代を生育後は自然にこの世から退場する仕組みだ。
  老化を防ぐため萎縮する胸腺を活性化してT細胞を再生させ長生きしようとの考えがある。しかしこれが人類にとって本当に恩恵になるか、自然の摂理に逆らってでも長生きするのが正しいか疑問だ。 
  母体に入った精子は非自己だ。胎児には両親の遺伝子が有る。しかしそれらを女性のT細胞は排除しない。
また胃に入る食物も異物だが消化される。胃の周りにはリンパ系が多く存在している。免疫の働きには排除する、しないの、選択も有り、不思議な点だ。
[以上の記は下記の文献に因る。不審な点や詳細はご一読下さい]

「高田 明和 血液の不思議・・」
「多田 富雄 免疫の意味論」
「狩野  恭一 免疫学入門」
「NHK 驚異の小宇宙・人体=生命を守る免疫」

エイズについて。 初期の知識としてはアメリカの同性愛者の特有の病気で不自然な・非生産的な性行為に神が罰を与えたものだと思った。
しかし、起源はアフリカの猿から人に伝播したものだ。
今アフリカでは部族対立による内戦・難民・飢餓・貧困が原因でエイズが蔓延している。
医療施設も医療費もないのだ。ある部族・人種は絶滅すると言われている。
アメリカでは今は貧困層に浸透し売買春・麻薬が伝染の媒体になっている。
Safety Sexと避妊具の使用が奨励されるが、これでは生殖は出来ない。
だからマホメットは「性的戒律を守る回教徒のみが生き残る」と予言したのではないだろうか。遠い存在のエイズが「免疫」に関連しているのを知った。
*「3項掲載した免疫 は「耳下腺を 斬る」ノンフィクション に関連した記録を再掲したものです。1部の読者には重複しています。