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【読書感想文】月は幽咽のデバイス

2007年06月26日 05時32分33秒 | 読書感想文
Vシリーズ第3弾。色んな意味で難解。



『月は幽咽のデバイス』
作者:森博嗣

ストーリー:
篠塚家が住む家は狼男が出ると噂されている、通称月夜邸という大豪邸。紅子と保呂草は篠塚家の令嬢・莉英に誘われて彼女の婚約披露パーティーに参加した。総勢10名のパーティーは和やかに行われていたが、途中から姿が見えなかったファッション・デザイナーの歌山佐季がパーティーの部屋の隣にあるオーディオルームで死体となって発見された。オーディオルームに入ったのは莉英だけであり、その後、いつの間にか鍵がかかっていたため、オーディオルームは密室状態になっていた。
しかも佐季の死体は何者かに引きずりまわされた跡があり、部屋には大量の水がこぼれていた。果たして犯人はどんな意図でそんなことをしたのか・・・。

感想:
今回はいつものすっきりしたトリックではなく、かなり色々難解だったりする。篠塚邸の構造を理解することが重要なのだが説明を読んでも全然頭に入らなかった。

最初から読み直すと伏線があちこちに張ってあるのだが、まぁそれでも真相はわからんだろう。

前作でVシリーズのある特徴に気づいたのだが、それは何かというと、事件の真相を全部語っていないまま話が終わってしまうということ。これが作者のスタンスなのかいまいちわからないが、今回も実は解かれていない謎がひとつある。もっというと真相が別にあってもおかしくないまま終わっている。
そういえばS&Mシリーズでもそんな感じのはいくつかあったなぁ。

紅子と七夏のいがみあいもヒートアップ。というか林って無神経だよ、どう考えても。
あと小鳥遊練無が今回活躍。
前作で登場した森川素直は阿漕荘に引っ越してきて出番は多いのだが、明らかにまわりからどうでもいい奴的扱いをうけてるのは泣けた。

幽咽ってどういう意味だろう。
タイトルの意味は最後の方で明かされるが、まぁトリックとかにはあまり関係ないかな。