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ゲーム攻略、読書感想文など。

読書感想文【ルパンの消息】

2005年10月31日 01時32分28秒 | 読書感想文
昨日徹夜して読んだ。
著者の幻のデビュー作ということだったので、最近の作品に比べたら見劣りするだろうと、あまり期待していなかったが。

ルパンの消息

ストーリー:
15年前に起きた高校の女教師の自殺事件が、実は他殺だったとのタレ込みが巣鴨署に入った。時効成立までたった一日。そしてなぜかタレ込みのソースは警察の上層部にもたらされ、しかもタレ込み元は秘匿という。不可解な状況だが、巣鴨署が全力を挙げて捜査に乗り出す。当時の生徒で、”ルパン作戦”という作戦を行った3人の生徒・喜多、竜見、橘が署に連れてこられ、15年前のルパン作戦の全貌が解き明かされる。ルパン作戦とは、当時学校でオチこぼれだった3人が期末テストを学校から盗み出す作戦のことだった。そして夜中の学校に入り込んだ3人は校長室の金庫から女教師嶺舞子の死体を発見した。だが、翌日の朝、舞子の死体は学校の外に、飛び降り自殺の偽装をしてあった・・・。

感想:
横山ミステリーのエッセンスが凝縮された内容で、読み応え抜群だった。最後の最後までどんでん返しがあり、そしてほっと救われるような内容、綿密に張り巡らされた伏線、さらに3億円事件までからめた壮大なミステリーだな、と思った。

読書感想文【信長の棺】

2005年10月31日 01時21分40秒 | 読書感想文
この間読んだ。話題になってるだけのことはあって面白い。

信長の棺

ストーリー:
信長の側近として、後に「信長公記」を著す太田牛一。彼は本能寺の変の直前、信長から重い箱を預けられた。本能寺の変後、紆余曲折を経て秀吉に仕えた太田は秀吉のおべんちゃらばかりで並べられた伝記をはからずも書かされる。やがて秀吉の元を致仕した牛一はなんとしても信長の伝記を残そうと決意した。だがそれには解かなければならない謎が多かった。特に桶狭間の大勝の原因と、光秀の謀反の理由、そして誰も触れない信長の亡骸である・・・

感想:
歴史ミステリーなのだが、今まで誰もが当たり前と思っていたことに斬新な解釈が述べられていて、戦国時代好きにはたまらない内容となっている。秀吉の出自が最大の鍵になっているのだが、これはどうかなぁと思った。大村由己という人物を知ったのもこの本でだ。あと、公卿の近衛前久が重要人物なのだが、池宮彰一郎『本能寺』ではつまらない人物に描かれていたが、こっちではまた全然違う印象だった。

読書感想文【楽園の眠り】

2005年10月31日 01時13分28秒 | 読書感想文
読んでから一ヶ月以上経ってしまった。
馳星周を読むのは久しぶりだったかな。

楽園の眠り

ストーリー:
麹町署の刑事・友定伸は育児に疲れた妻が実家に帰ってしまったため、3歳の一人息子の雄介と2人で暮らしている。友定はいつからか、幼児虐待にはまってしまった。はじめはおしおきのつもりで雄介に暴力を振るっていたのが、いつからかその快感の虜になっていたのだ。自分でも異常だと思いつつもやめられない友定。ある日、雄介は終夜営業の託児所から抜け出してしまった。もし他人に保護されたら虐待の事実がばれる。あわてて雄介を探すが見つからない。
雄介を保護したのは妙子という女子高生だった。妙子は妊娠の事実を恋人に告げた途端、腹を蹴られて流産し、失意のどん底、しかも幼い頃から父に暴力を振るわれていた妙子は家に戻るのも気が進まない。そんな時偶然雄介を見つけ、二人だけの家庭を築こうと決意した。しかしお金を稼ぐには援助交際しかないため、その間雄介を預けられる場所として、DJをやっているヒデさんに頼む。
あせる友定は有給をとり調査を進め、池袋のホテル街、ヒデさんの家などで後一歩の所で逃がしてしまう・・・

感想:
友定の捜査能力がすごい。というかこれだけである意味読み応えが十分ある。手がかりゼロから、妙子の存在、携帯番号、そして出会い系サイトを通じてのコンタクト、さらにヒデさんの存在を突き止める過程など、ほとんどご都合主義に近いが、それでもまぁ優秀な刑事ならわかるのかなぁと思ってしまった。でもやっぱり無理があるなぁ。最後はお約束に近い終わり方だった。