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【ガンダム入門】12 「ガンダム0083 スターダストメモリーその1」

2020年03月31日 02時22分58秒 | ガンダム入門
ここからは根強い人気を誇る「機動戦士ガンダム0083 スターダストメモリー」(以下0083)について書いていきます。

【概説】
0083はU.C.0079を舞台にした機動戦士ガンダムと、U.C.0087を舞台にした機動戦士Zガンダムの間を埋める位置づけの物語です。
とはいっても制作順はガンダム(0079)→Zガンダム(0087)→ZZガンダム(0088)→逆襲のシャア(0093)→0083となるため、作画レベルは過去作より高く、0083の内容、設定についてはある意味後付けといえます。
OVAで全13話作成され、商業的には成功をおさめました。
主人公コウ・ウラキは連邦軍の軍人ですが、実はガンダムシリーズの主人公で出自が正式な軍人というのはかなり少数です。また、UCを舞台にした作品にしては珍しく主要人物にニュータイプが登場しません。

ここからは物語のキーワードについて書いていきます。


【ガンダム開発計画】
0083のバックボーンになる設定として、ガンダム開発計画があります。
一年戦争後、ジオン軍の技術を接収した連邦軍はMSの技術にだいぶ差があることを知ります。しかも戦後にはまだジオンの残党が地球にも宇宙にも多数存在しています。
そこで連邦軍のジョン・コーウェン中将は、この技術差を埋めるため、最新鋭のMSを製造する「ガンダム開発計画」を発動します。とはいっても余力のない連邦軍は開発をアナハイム・エレクトロニクス社(AE)に丸投げするのですが。
この計画はガンダムプロジェクト、略してGPと呼称され、開発されたMSの形式番号にはすべてGPが付与されます。

AEはこの計画を月面都市のフォン・ブラウン、グラナダなどで進めますが、極秘計画のため、表向きはアナハイム・ガーデンという自然関連施設を隠れ蓑にしていたため、開発された機体はすべてコードネームに植物の名前を持つ、という特徴があります。
以下、開発された4機を紹介します。

・RX-78GP01 ガンダム試作1号機 コードネーム:ゼフィランサス
RX-78-02(初代ガンダム)がどのような環境にも適応した汎用性がコンセプトの1つだったのに対し、この機体は地上と宇宙での運用にしぼった設計がされております。
また、コア・ブロック・システムが採用され、胴体部兼コックピットはコア・ファイターⅡが担っています。全体的に初代ガンダムの正統進化といってよいスペックです。
さらに宇宙空間での機動性を向上させる「バーニア・ポッド」を肩部に装着したほか、いくつかの装備が加わったRX-78GP01Fb ガンダム試作1号機フルバーニアンもあります(どちらかというとこちらの方が認知度は高いかも)。
主人公コウ・ウラキの搭乗機として中盤に大破するまで活躍します。

・RX-78GP02 ガンダム試作2号機 コードネーム:サイサリス
AEの第2研究事業部(旧ジオニック社出身の技術者たちがメイン)によって製造されたガンダムです。そのためシルエットはガンダムよりはドムに近く、頭部もガンダムっぽさは薄いです。
コンセプトは戦略核を使った拠点強襲です。実は連邦軍は南極条約で禁止された核爆弾(この時代でも最強の兵器は核兵器)を保有しており、それをオーストラリアのトリントン基地に秘密裏に保管していました。
しかも威力は戦略核であったのに対し、登録上は戦術核としていました。
試作2号機はこの核を使用するためだけに製造されたといってよく、全身に核爆発時の熱線に耐えられるほどの重武装が施されています。

1号機2号機はともにロールアウト後にオーストラリアのトリントン基地に輸送され、そこでテストを実施する予定でした。

・RX-78GP03 ガンダム試作3号機 コードネーム:デンドロビウム
MAのように宇宙空間での拠点防衛がコンセプトのMSです。が、MAとしての機能も取り入れるため、本体のMSに巨大な武器コンテナ(コードネーム:オーキス)を全身にまとう…というよりオーキスの中にガンダムが埋もれているような特異なデザインになっています。
武装の数が非常に多いのも特徴です。また、連邦軍のMSで初めてIフィールド(ビーム無効化バリア)を装備しました。
本体のMSはコードネーム:ステイメンと呼ばれ、オーキスのコントロールユニットとしての役割も担います。

・RX-78GP04G ガンダム試作4号機 コードネーム:ガーベラ
設定だけの幻のMSです。というのも4号機は裏取引によってジオン側に、ガーベラ・テトラというMSとして譲渡されたためです。

・AGX-04 ガーベラ・テトラ
試作4号機が、AE社のオサリバン常務によってシーマ・ガラハウへ横流しされるにあたり改装されたMSです。ジオン系MSっぽい外観にされています。
MS同士の格闘戦に特化しているのがコンセプトです。

・アルビオン
AEが建造したペガサス級強襲揚陸艦です。
外観、武装ともにホワイトベースをベースに建造されました。艦長はエイパー・シナプス大佐です。


【デラーズ・フリート】
1年戦争終結後も連邦への抗戦をもくろむエギーユ・デラーズ大佐を中心に同士が集まってできた、地球圏最大のジオン残党の組織です。
ちなみに抗戦せずに雌伏の道を選んだ者たちはマハラジャ・カーンとともにアクシズへ去りました。
デラーズ・フリートは艦隊の残骸や小惑星などが集まる宙域に茨の園という拠点を築き、連邦に対してゲリラ戦を展開しました。
が、ガンダム開発計画をキャッチしたことをきっかけに星の屑作戦を立案、実行します。

【トリントン基地】
デラーズ紛争が始まった場所です。
1年戦争序盤のブリティッシュ作戦でコロニーの一部が落下したオーストラリア南東部は直径500kmにわたって地面がえぐれてしまい、シドニー湾とよばれるようになるのですが、そのシドニー湾の北側に位置する基地です。
表向きは後方支援用の重要度が低い基地を装っていますが、戦略核を保管してあります。

【キンバライト基地】
アフリカにおけるジオン軍残党の拠点で、キリマンジャロに近い場所にあります。

【不死身の第四小隊】
サウス・バニング大尉を隊長とする、連邦軍の小隊の通称で、正式名称は第二連合艦隊第4MS小隊です。
バニング以外のメンバーはアルファ・A・ベイト、チャップ・アデル、ベルナルド・モンシアの3名です。
コウ・ウラキとともに星の屑作戦阻止に動きます。

ガンダム入門11 一年戦争のその後

2020年03月30日 00時57分06秒 | ガンダム入門
15年ぶりにこのコーナーを投稿します。。。

前回、一年戦争(=初代ガンダム)について書き終わったので、今回はその一年戦争終戦直後の話を書きます。
といってもこの時代はメディア化はほとんどされておらず、設定資料などによって補足された部分です。

【WB部隊】
正式名称第13独立戦隊ことWB部隊のクルーたちは一年戦争の英雄として認知されますが、後ろ盾だったレビル将軍は戦死したため、戦後解体されます。
そしてみな別々の道を歩みます。主なメンバーは以下の通り。

アムロ・レイ
勝利の立役者といっても過言ではない活躍をしたエースパイロットですが、NTの存在に畏怖をいただいた軍上層部によって、北米シャイアン基地に軟禁されます。
ちなみにこの基地は軍の左遷先のような扱いになっています。ここでアムロは7年間の雌伏を強いられます。

ブライト・ノア
WB部隊の艦長として勝利に多大な貢献をした立役者の一人には違いありませんが、佐官に昇進したものの、連絡船の艦長という閑職に配属されます。
私生活ではWBのクルーだったミライ・ヤシマと結婚し、二児の父となります。長男のハサウェイは後に歴史の表舞台に登場します。

ハヤト・コバヤシ
こちらも戦後は戦争博物館の艦長という閑職に配属されます。
私生活ではWBのクルーだったフラウ・ボゥと結婚。WBで養っていた3人の孤児カツ、レツ、キッカを養子に迎えます。

カイ・シデン
軍を退役しジャーナリストに転向します。後々のシリーズまで陰に陽に活躍します。

セイラ・マス
軍を退役した後の具体的な身の振り方は不明ですが、後のシリーズでは別荘のような建物で優雅にテレビをみているシーンがあったりするので、養女となったマス家に戻ったと思われます。


【連邦軍】
元々スペースノイドに対しては穏健的な態度だったレビル将軍が戦争末期に戦死したため、派閥の力関係が大きくかわり、スペースノイド弾圧をもくろむタカ派が台頭します。
NTの研究においてはジオン軍の研究資料を入手したことで前進し、ニュータイプ研究所が地球の各地に設立されます。
また、MSの研究も同様ですが、新規MSを研究・開発する余力は軍になかったため、アナハイム・エレクトニクス(AE)に、ガンダム試作機の開発を依頼する「ガンダム開発計画」がジョン・コーウェン中将によって立案されます。これは「0083」につながります。

【ジオン公国】
ジオン公国はジオン共和国と名を変え、U.C.0100までの自治を認められます。首相は公国時代から引き続き穏健派のダルシア・バハロです。ちなみに息子のモナハンは劇場版『ガンダムNT』でU.C.0097当時の外務大臣(小説版では国防大臣)として登場します。ジオン軍の兵器製造を担っていたジオニック社は地球のAE社に吸収合併され、技術は流出することになります。
ジオン軍の残党は基地惑星アクシズをはじめ、地球を含めた地球圏各地に潜伏・あるいは抗戦が続きました。
ちなみにアクシズは火星と木星の間のアステロイドベルトに浮かぶ資源採掘用から軍事基地に転用された小惑星で、後のシリーズでは数奇な運命をたどります。
ザビ家への復讐を果たしたシャアは、クワトロ・バジーナという偽名を名乗るようになり、アクシズに行きますが、指導者であるハマーン・カーンとはそりがあわなかったのか、アクシズを抜けます。

【アナハイム・エレクトロニクス社(AE社)】
AE社はもともと地球に拠点を置く家電メーカーでしたが、一年戦争時は軍需産業に進出。MSの部品製造を下請けしたのち、一年戦争後にジオニック社やハービック社など、ジオン軍、連邦軍の主要軍事企業を吸収合併したことにより、これ以降連邦軍のMS製造をほぼ一手に引き受けることになります(非公式にジオンにも提供していますが)。そして巨大コングロマリット企業に成長していき、地球連邦政府に対しても強い発言力を持つようになります。ちなみに主な生産拠点は月面都市のフォン・ブラウン、グラナダ、アンマンの他、宇宙に浮かぶドッグ艦であるラビアン・ローズなどがあります。AE社の人間は『0083』のニナ・パープルトンや、『ZZ』のエマリー・オンス、『UC』のアルベルト・ビストなど物語の重要人物として登場します。


次回からは0083について触れていきます。