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ゲーム攻略、読書感想文など。

覇王の剣

2004年09月06日 23時05分38秒 | Weblog
この前たまたまマガジンを立ち読みしたらなんと塀内夏子が三国志マンガを書いててびっくりした。

作者のマンガはJドリームが最高峰だと思っているので、是非続編を書いて欲しかったが…。

で、読んでみたが思ったより悪くなかったというのが正直な感想。張飛と関羽しか出てきてないが、今までのイメージをぶち壊しているのが新鮮でよかったし、けっこう史実を読みこんでいるなぁと思った。

とりあえず期待。

銀英伝人物評94<オルタンス・キャゼルヌ>

2004年09月06日 18時02分17秒 | 銀英伝人物評
キャゼルヌの妻。名前が判明するのはかなり後になってから。家事の名人で、よくヤンやユリアンらを晩餐に招待している。子供をしつける場面が時々でてくるが、それよりも主人をしつける場面が面白い。

また、ユリアンを「不器用な子」といったり、ヤン夫妻を「いずれあるべき場所に帰る」といったり何気に示唆にとんだ発言が多い。この人の明るさはヤンファミリーの中でも違った面白さをだしており、重要ではないが、物語でははずせない人物だと思う。

また、ヤンが死んだことをフレデリカに告げる役目を頼まれるなど、かなり信頼されているとも言える。
ヤンがハイネセンを脱出し、それにキャゼルヌが続くときも、何も言わずに荷物をまとめて出立の用意をするなど、肝の据わった人物でもある。
外伝「螺旋迷宮」では結婚前のオルタンスが登場。キャゼルヌのかつての上官の娘でもある。

銀英伝人物評93<アンネローゼ・フォン・グリューネワルト>

2004年09月06日 16時59分57秒 | 銀英伝人物評
オープニングセール価格! 12/7(水)まで♪DVD 銀河英雄伝説 決闘者 <送料無料>ラインハルトの姉。この人が15歳の時に後宮に納められるところから歴史が変わったといっていい。
後宮に収められて以来、皇帝の寵愛を受けつづけ、それがラインハルトとキルヒアイスを苦しめるが、逆の見方をすると、皇帝が彼女を寵愛し続ける限り、誰も彼女に手を出すことができなかった。

時々ラインハルトとキルヒアイスは彼女に会いに行くことができたが、彼らにいつも振舞う手作りのケーキはかなりうまそうに見える。
ラインハルトはこの姉を救い出すために戦ってきたが、本人はたぶん自分のことよりもラインハルトが自分自身のために生きることを望んでおり、軍人という危険な職業をしている弟とその友人をいつも心配しながら見守っていた。特にキルヒアイスの死後は、自分のことなど構わず、高く翔け上がってほしいと思っていたみたいなことが最終話でも語られている。
キルヒアイスに、ラインハルトのことを託したことが結果的に彼の死を招いてしまい、彼女は深く傷ついた。それにしてもオーベルシュタインとアンネローゼの会話とはどんなものだったのか、是非見てみたかった。

フリードリヒ4世が崩御した後は自由の身になり、一時期ラインハルトの保護下にいたが、キルヒアイスの死後は、新無憂宮に留まるよう頼んだラインハルトを無視してフロイデン山地の皇帝の別荘に引きこもってしまう。後にテロ対策をするためにヒルダがアンネローゼに会いに行くが、このときアンネローゼに仕えていたコンラート・フォン・モーデルはキフォイザー会戦でキルヒアイスに投降した少年。
後にフェザーンに戦とした際、ヒルダがアンネローゼをフェザーンに連れてくるつもりか聞いて、ラインハルトを怒らせた。この場所にはキルヒアイスの墓があるため、ラインハルトも無理にアンネローゼをフェザーンに連れてこようとは思わなかった。

次に登場するのはヒルダがラインハルトと結婚するのを決めたときで、アンネローゼがヒルダに礼を言っている。そして結婚式に伴いフェザーンを訪れた。このときラインハルトに、夫婦なのだから互いを名前で呼ぶよう忠告したそうだが、結局「陛下」「皇妃」の呼び方に戻ったのはなんとなく面白みを感じる。
柊館炎上事件ではアンネローゼ自身も奮闘し、ランプを襲撃者の顔面にヒットさせた。
ラインハルトの最期を見届けたあとはどうしたのだろう。やっぱりオーディンに戻ったのだろうか。

アンネローゼは、たぶん母性本能みたいなものでラインハルトの保護者たらんと思っていたようだが、もし後宮に収められなかった場合、誰かと結婚するとして、それを認められるのだろうかと、ラインハルトもキルヒアイスも悩んでいる。そして有無をいわさず後宮に納められてしまったことは以外に彼らを救ったのではないかと考える場面もある。

ちなみにローエングラム王朝が開闢するとき、ラインハルトが最初に行ったのが彼女に大公妃の称号を贈ることと、キルヒアイスに大公の称号を贈ることだった。

銀英伝人物評92<ライナー・ブルームハルト>

2004年09月06日 16時35分56秒 | 銀英伝人物評
薔薇の騎士連隊の一員。白兵戦の達人。外伝「千億の星、千億の光」ではシェーンコップのしたで活躍しているが、リューネブルクと戦おうとするとシェーンコップに止められた。
ちなみに結婚するまで童貞を守るらしいというエピソードが明かされている。

ヤンがイゼルローン要塞を攻略するときに登場。以後薔薇の騎士連隊が参加する戦いすべてに参加している。
バーミリオン会戦後、連隊長だったカスパー・リンツがメルカッツ独立艦隊と共に隠れたため連隊長代理を務める。リンツと違って甘い部分などがあるが、シェーンコップにはかわいがられているように見える。
政府に拉致されたヤンを救出する時と、レンネンカンプを拉致するときに活躍している。

回廊の戦いが終わって、ヤンがラインハルトとの講和に行くとき、同行したが襲撃してきた地球教徒と勇敢に戦い戦死。

後にシェーンコップがブリュンヒルトに乗り込むとき、ブルームハルトが命がけで戦ったのにヤンが逃げ切れなかったことについては文句をいいたいと言い、ユリアンもヤンの轍を踏まないよう忠告した。

銀英伝人物評91<ラインハルト・フォン・ローエングラムその2>

2004年09月06日 14時45分57秒 | 銀英伝人物評
今回はラインハルトの性格編。

ラインハルトの価値観をふり返ってみると、「実力主義」という言葉が真っ先に浮かんでくる。
貴族に対しては、何の功績もない人間が不当に権力を得ていることに反感を持っていたし、自分自身についても、勝てると思うならかかってこいとロイエンタールに言って、後の叛乱の遠因を作った。また、自分の子孫が帝位を継承することについても否定的だった。
だから実力で帝位を簒奪したことについては少しも後ろめたさをもっておらず、それがラインハルトによる統治作業を建設的な方向に進めたかもしれない。また、ラインハルトは自分以上の実力をヤンにしか認めなかったのは正しい認識であった。

ただし、実力で皇帝となったといっても権力の濫用についてはかなり用心していたとある。ラインハルトがフェザーンでの自分の宿舎に一流半のホテル(宇宙港に近い)のシングルルームを使おうとしたのは、単にラインハルトの実用主義を物語っているが、エミールに対して怒鳴ったとき、すぐに謝罪したのは、自分が暴君とならないよう、常に気を配っているからだ。ヒルダに対してもすぐに求婚したのは、権力にものを言わせてヒルダを傷物にしたと非難されるのを恐れたからだし(皇帝の立場でなくても同じことをしただろうが)、マリーンドルフ伯の前で、淫蕩なゴールデンバウムの歴代皇帝たちと同列になるのは耐えられないと語っている。このセリフでマリーンドルフ伯はラインハルトを見直す。

リップシュタット戦役後、彼は対立した貴族たちの領地と財産を没収し(後にマリーンドルフ伯がわずかだが補償した)、「餓死するのが嫌なら働け。平民は500年間そうやって生きてきたのだ」と言い放った。また、宮廷に仕えていた貴族たちもクビにして、新無憂宮の北苑(狩猟場)と西苑(後宮)も閉鎖した。これは読者にしてみればしごく真っ当なことをやっていると感じる。ところが、宮廷に仕えていた侍従のうち、老人に限ってそのままの職につけている。これは老人がいまさら新しい職を捜してやっていけるわけはないから、というラインハルトの隠れた優しさであり、ルドルフが無条件に弱者に厳しかったのとは根本的に違う点だろう。
内政についても、宰相に就任した時点で民政尚書カール・ブラッケの提案による福祉政策を施行しているし、基本的には弱者に優しいのだ。ただし、外伝「朝の夢、夜の歌」で語っているように、自分の弱さに甘んじる人間は嫌いらしい。この外伝では、幼年学校の校長でありながら、孫かわいさのために生徒を害したシュテーガー校長に対し「理不尽を強いる権力に対してこそ闘争を挑むべき」と弾劾した。よく考えたらこれは危険思想に近い考えだと思うが。

ラインハルトの外見は、ヤンの言葉を借りると「宇宙で一番の美男子」だそうで、豪奢な金髪は、フレーゲル男爵ですら見事と思ってしまうほど。だがラインハルト自身は人の外見というものにまったく興味を持たず、自分の美男子っぷりについても無関心だった。これは美徳といっていい資質だが、同時に外見という、実力ではなく遺伝によって受け継いだものをラインハルトは誇る気にならなかったのではないだろうか、と思っている。
では美意識はどうであったろうか。マル・アデッタ星域会戦の後を見ればわかるが、勇敢に戦った人間や、主君のために忠義を尽くす人物に対しては敵でも賞賛を惜しまない(これはラインハルトに限ったことではないが)。忠誠のためにキルヒアイスを殺したアンスバッハや、敵将であったファーレンハイトに対しても同様であった。また、バーラトの和約でも統合作戦本部長以外の制服組に対してはまったく処断がなかったし、同盟占領後、同盟軍の兵士に対しても、戦争負傷者の補償すらしている。これも美徳とよべる資質であり、だからこそミッターマイヤーらの忠誠の対象で在り続けた。

ただ、上に書いた通り、外見については男女を問わずに興味を持たないため、ヒルダという美貌の秘書が目の前にいたが、性の対象にならなかった。無論、彼女に興味を持たなかったというよりは女性に興味がないという言い方が正しい。こういうプライベートな面については非常に未熟で、ヒルダへの求婚の際にはマリーンドルフ伯の前で「世慣れぬ青年」となってしまった。この点はマリーンドルフ伯に限らず、ロイエンタールもトリューニヒトも見逃していない。

プライドの高さも宇宙一で、キルヒアイスが自分より背が伸びたことを本気で悔しがったりしてるし、ヴェスターラントの件でヒルダに一時的にせよ依存してしまったことについては非常に後悔しており、他人に弱い面を絶対に見せたがらないラインハルトの矜持が傷ついた(自分のせいだが)。
こういう性格だから、政務についてはともかく、プライベートについては、アンネローゼ以外についに依存できる相手を見出さなかった。キルヒアイスに対してですら、依存することはあってもそれを認めようとせずに、ことさら不機嫌なフリで照れ隠ししている。その点、生涯依存という言葉と無縁であったヤンとは大きく異なる。

「戦いを嗜む」といわれたその性格だが、強大な敵との闘争こそがラインハルトを生気に満たし、敵と戦いつづける生涯をこそ望んだに違いない。回廊の戦いの直前、いっそヤンに五個艦隊ほど与えてみようかとか、互角の戦略条件でやりあいたいと言ったのも、同じ理由だ。
そしてバーミリオン会戦ではついに自ら築いた戦略的優位を捨ててヤンと戦い、最後はヤンの計略に自ら乗っかり、二者択一の選択を誤って窮地に陥った。ただこれはそういう選択をせざるを得ないほどラインハルトを追い詰めたヤンの天才を褒めるべきだろう。