ラヂオアクティヴィティ[Ra.] 第二部・国境なき恐怖 102死の地図 戦争……あいつらは、遺憾なくその力をみせつけた。 人を、そして人の世を破壊しつくす力を見せつけた。 平和、そのときにも、あいつらは力を弱めることはなかった。 あいつらは、確実に成長している。 あいつらは目に見えず、臭いがなく、また音さえたてない。 しかし、やつらは能動的毒物といわれ、空気にさえ漂うことができる。 ふつうの毒物ではないのだ。まるで、生命があるようでもある。 そして体内に侵入すれば、骨や肺の細胞に住みつくのだ。 そうして生命に満ちた肉体を食い尽くすのだ。 強烈に、あまりにも凄惨な最後を人はむかえる。 苦しみ抜き、そして干からびて、ミイラになってしまった人もいる……。 あいつらの歴史は地球からははじまらない。 どこか他の惑星からやってきたという。 遠い宇宙から旅をしてやってきたという 学者もいる……。 やつらが魂に取りついた奴は云う。 あいつらは、清潔で、無尽蔵の力がある。 そう宣伝するのだ。 しかし奴らは最悪の毒物であることには変わりはないのである。 そして嘘を宣伝するためには、どんな人も物も利用する。 しかし事実は変化しない。無尽蔵の力などないのである。 そして、あいつらは国民の血さえ吸っている吸血鬼でもあるのだ。 あいつらは作戦をかえた。 やつらは共生するふりをした。『平和利用』という甘美な味つけをした。 だが、やつらは前よりも強力になっていた。 上辺は、まるで存在しないのとは、雲泥の差がある。 だが、やつらと共生なんて誰もできないのだ。 やつらも、また共生などする気はまったくなく、その鋭い牙や爪をひそかに静かに磨いているのだ。 さらに力を強めたやつらは、一度に何百万という人間を殺害しようとする。 しかし、やつらの虜になっている者たちのお蔭で彼らは生き延びている……。 あいつらをこの世から抹殺すべきであるのに……。脅威であるやつらを……。 だが魂をとられた人間は、科学さえ支配できると勘違いしている……。 それは大いなる誤解だと、いつくもの事実がそれを知らせる。 だが彼らは、その一つ一つの事実を把握しようとせず、愛する息子が罪を犯し、それを擁護するかのように、あらゆる手をつかって、やつらの意のままに動く。 だが市民は黙っていなかった。彼女は、地図をつくった。 それは死の地図であった。 癌で死ぬもの、白血病で死ぬもの、奇病……、その地図はいつ、僕たちの目の前に出現するかもしれないのだ。 それは、国境なき死の地図である。あなたも、私も、そこで生活している。
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