磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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214イベントは終わった

2006年10月18日 | Ra.
ラヂオアクティヴィティ[Ra.]
第二部・国境なき恐怖

十五、僕らは未来に……

214イベントは終わった




会は終わった。その後も“大海原”に書き込みが少年少女からあった。子どもたちが日本は唯一の被爆国というくせに、核に対して何とルーズなことだろうかと、不満を示していた。あの広島のおばあさんの気持ちを政府は何も考えたことがない、と。政治家は、ただ式典に出て恥かしくいないのか! と罵声に近いものばかりだった。

それは仕方のないことだろう。日本は被爆国で、その日本が使うのなら、他国は安全だろうとも思っていた。国民だけを裏切ったのではない。政府の大事な仕事のうちに、外交というものがある。世界の人たちさえも裏切ったのである。

また「欧米では、ジャーナリストも、テレビ・キャスターも、ハリウッド・スターも、休暇をとってデモに参加するそうです。政治家、財界人、警察官、軍人もデモに参加するという。つまり、必要と思えば、彼らは一個人に戻る。自由な国家とは、そのように個人が組織に優先する社会である」と書き込む人もいた。

しかし日本の政府は、核兵器にさえ反対しないのである。これがどうして民主主義国の政府と言えるのだろうか……。

そして政府は“もんじゅ”は廃止しないと言っている。この地球で、唯一の高速増殖炉を開発しようとしている核先進国である。多くの国は撤退したのにも関わらず。電気代が世界一高い、その国でさらに費用のかかる高速増殖炉を作ろうとしている。事故がおきたら、お金だけでは取り返しがつかないことも、子どもたちも訴えていた。

もう、背負いきれないリスクで、試行錯誤して、科学を発展させることはできない所に来ているのだ……。まったく、虚しくなる……。こんな指導者たちに未来をたくしている……。そこにわれわれは住んでいる。

一週間後にソーシアも、ベルーシアに帰った。
その十日後に彼女は亡くなった。
幸福にと……、書きたかったが、それでは嘘になる。
聞くところによると、やはり苦痛に呻いたそうである。
それが現実なのだ。しかし彼女の思い入れは伝わったと想う。

力強い、そして短い人生をしっかりと生き通したといっていいだろう。

勉はあの後、子どもたちに手紙を書いた。

だけど、輝代には投函することすらできなかった。
パソコンお宅の勉は、データベースを使って調べたけれど……。
結局みつからなかったのだ。

それに輝代のデータが全て消去されていたのだ。
VTRにも輝代は映っていなかったのだ。
輝代が話したと思っていたことも、VTRでは他の人間が話しているのだ。

そして、机の上に置かれた本が勝手に動いた。
まるで、生き物のようだった。

その本は長崎で被爆した女学生たちが書いた本であった。
その中に輝代と同姓同名の少女の文章が載っていた。

勉は何度もそのページを読んだ。

まさか……。輝代は……。でも、それで、いいような気がした。いい気分がした。お化けだって、元は人間だったのだ……。そして、未来は僕も……。

パソコンが動きだした。画面に文字がでる。
『あなたにパソコンの使い方を習いましたね。秋葉原で会ったでしょう。輝代』
『私のために涙するより、私のような人を一人でも救ってあげて……。できるだけでいいから……。お願い。ソーシア』

今は亡き、二人の笑顔がディスプレイ(画面)に写っていた。
ケロイドのままで微笑む輝代……。醜くはないさ。醜いのは……。あ・い・つ・ら……で……、君じゃない……。








閑話休題

日本の政治が、被爆者にしてきたこと。

日本の政治家はどのように考えて
おられるのでしょうか?

マスコミも満足に伝えて
いないとさえ私は思います。

ボクがマスコミの方で、
立派と思うのは、
伊藤明彦さんだけです。

未来からの遺言 ある被害者体験の伝記

シナリオ 被爆太郎伝説







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