磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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勝海舟と坂本龍馬 学研M文庫

2010年01月31日 | 読書日記など
『勝海舟と坂本龍馬 学研M文庫』
   加来耕三・著/学研2001年

旧著『勝海舟と坂本龍馬』(講談社)加筆、訂正、最新の見解を述べたという。また、「PHP文庫」の同名作品に加筆・修正したものだという。



龍馬の歌「世の人はわれをなにともゆはばいへ わがなすことはわれのみぞしる」

勝の蘭学の師・永井青崖(せいがん)
--永井青崖の師・箕作玄甫(みつくりげんぽ)は江戸人が嫌いだと断られる。
「江戸っ児は五月の鯉の吹き流し、口はあれどもハラワタは無し」

二冊写した『ザーフ・ハルマ』のあと、『ソルダート・スコール』(『三兵用兵戦術』)を読みたかった勝。勘定方の与力が買ったのを知り、貸してくれと頼んだが、無理。
それで、毎晩午後十時~翌日の明け方まで、その与力の屋敷で半年間かかりうつしたという。

佐久間象山の塾に入ったのは二人は同年だったという。下「」引用。

「宮本仲の『佐久間象山』年譜に、
 嘉永三年、深川藩邸に於(おい)て砲術を教授す。諸藩士の入門するもの多し。勝麟太郎、坂本龍馬等比年入門す。」

龍馬は砲術を目的としていた。下「」引用。

「つまり、龍馬は“撃剣家”を一度も目指したことはなく、本当は高島流(西洋流)の砲術を学んでおり、その実績を買われて“軍役”に選ばれたのではないか、との見解である。」

十二听カノン砲のケイコ撃ちしていた龍馬。下「」引用。

「最も動かし難いのは、現存する記録--安政二年十一月、二十一歳の龍馬が一度目の江戸出府ののち、帰国して十二听(ポンド)カノン砲を稽古撃ちしたとの確かなもの。
 当時、土佐藩においては軍制改革が急ピッチですすめられており、郷士でも経済的余裕のある者は砲術を、そうでない者は鉄砲を修得することが奨励されていた。
 もとより、一夜漬けの伝習で十二听カノン砲は撃てない。西洋流砲術にも一定の教授法があり、当然のことながら、稽古撃ちに達するまでには、西洋流砲術の基礎である蘭語、英語はもとより、弾道計算もできて、設計図の一枚もひけるほどの学力、修行年月が必要不可欠であった。
 --龍馬は、それだけの“学習”をしていたのである。」

「西郷を叱りつけた中岡--気迫をもて」 下「」引用。

「長州が禁門ノ変で潰走したときである。中岡は勤皇志士の裏切者として、西郷を刺そうとした。以前から西郷と面識のあった中岡は、護衛が二十人もとり囲むなかを単身、堂々と乗り込み、
「薩摩はいつから、佐幕になられたか!」
 と西郷を一喝したが、あまりに中岡の決死の形相がすさまじく、さしもの屈強で鳴る薩摩隼人たちも容易に出が出せなかったという。中岡には眼を据えて相手に迫る異様とも思える気迫と、人の矜持(きょうじ)に斬り込むような言辞、緻密すぎるほどの論理による説得力があった。
 尊攘倒幕のオルガナイザーとしての中岡は、龍馬とは対極をなしていたといっていい。
「断じておこなえば鬼神もこれを避く」
 中岡は気迫で西郷を押した。「薩長連合」が天下万民を救済する唯一の方法だと確信し、倒幕の大義に基づいて西郷を縷々(るる)説いた。」

徳川慶喜=「百才あって一誠(いっせい)なし」

龍馬・中岡暗殺。下「」引用。

「この事件の全貌は、かろうじて絶命をまぬがれた当事者のひとり中岡慎太郎が、臨終の際に語り、急報によって駆けつけた陸援隊幹部の田中光顕(みつあき)や、土佐藩の谷干城が聞きとったものを、後日談として、新聞社や人々に語ったのが残されている。」

佐々木高行が今井信郎の刑をいいわたした。下「」引用。

「おそらく、今井信郎の供述を真に受けたのであろうが、この人の供述調書を作成したのは、ときの兵部省事務局糾問所である。判決の禁錮五年(実際は三年程度)の刑をいい渡したのは、参議・司法大輔(たゆう)となっていた土佐藩出身の佐々木高行(かつては三四郎)であった。
 佐々木は事件当時、土佐藩の大監察という要職にありながら、この事件に関する明快な言葉を残していない。後藤象二郎なども不思議なほどに、龍馬について回想していないのである。-略-」

疑惑の目、佐々木高行。下「」引用。

「疑惑の目を、今井信郎を取り調べ、禁錮五年の刑に処した土佐藩出身の佐々木高行に移してみる。
 佐々木は龍馬暗殺の報を長崎で聞き、藩の大監察として龍馬亡きあとの海援隊を預り、長崎奉行所の占拠などをおこなった。かれは藩内の武力倒幕派と大政奉還派との調停に当たったといわれているが、かれが後藤の忠実な部下であったことは紛れもない。
 ここで思いおこすことがある。中岡は臨終の際に、「こなくそ」と叫んだ刺客の言葉から、四国の者ではないかとも問うていた。」

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