磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

216希望を持とう!

2006年10月20日 | Ra.
ラヂオアクティヴィティ[Ra.]
第二部・国境なき恐怖

エピローグ

216希望を持とう!



環境エンジニアリングという技術も輸出されるようになっているという。この分野では日本は世界のトップレベルの水準にあるという。

それに比べて原子力の分野がこの短い期間に発達・発展したということを何も聴かなかったといってもいいのではないか。戦中・戦後から巨費を投じて、多くのエリートたちが心血を注いできたが、解決できなかったのである。今は斜陽化して優秀な研究者が集まりにくくなっているという。

だが、いいことは少なく、毎日マスコミで伝えられることは悲観するものが多い。もし、こんなひどい世界になっているということを、輝代やソーシアに何と言い訳することができるだろうか?

アメリカ軍はイラク戦争でも、劣化ウラン弾を使用して、多くの被害者がいるという。それに対して米軍は何の問題もないという。目の前に被害者がいても、因果関係はみられないというという、いつもの手を使っている。

放射能に強い人もいれば弱い人もいる。だから、かかる人とかからない場合もある。これを『宝くじ理論』と呼ぶ人がいた。このくじはできるだけ、もらわない方がいい。一度当たれば、あなたは苦痛の中に住むことになるだろう。

あのチェルノブイリでも、被害はないとした学者たちが今も、この世に生きているのだろうか。そして、人が苦しんでいても、平気でいるのだろうか。

すべての地球に住む人が、チェルノブイリの放射能を多かれ少なかれ、浴びたのである。

ちょっと前、国防総省主催でロボットカーのレースをドキュメンタリーで放送していた。このレースはクウェートからバクダットまでの距離を「ロボット自動車」が人の手を借りずに走りきるというレースである。

ソーラーカー・レースは平和目的でかつ人類の文化を考えおこなわれているが、それと対照的にこの「ロボット自動車」レースは、いずれは人間の兵士のかわりに、戦場で働くロボットをつくろうとしているのだ。優勝賞金も一億円という破格なものである。このロボットたちがいずれは人を殺すのだと思うと、気持ちが暗くなる。

日本では手塚治虫の鉄腕アトムの影響が強く、夢のある世界を、人間に友好的なロボットを思い描いているのに、殺人ロボットをアメリカは官民あげて研究して巨費を投じているという。そして、この「ロボット自動車」レースには、チェルノブイリでも使用され、結局、役立たずのロボットをつくった人たちも参加していたという。

勉は「フーッ!」溜め息を一つ大きくついた。
でも、悪いことばかりじゃないさ。

努力は無駄にはならないと自分自身に言い聞かせる。

一九九九年度にはじめられた募金活動で、幟町学校の敷地内に「折り鶴の碑」を建立する計画があった。原爆関連の碑に供えられた千羽鶴は、一定期間が過ぎると市が焼却処分する。広島に住む者として、せめて鶴を折った世界中の人々の気持ちを確かに受け取ったという証を形にしたい。

生徒たちのそんな思いで、この碑は作られた。「折り鶴の碑」の除幕式は二○○○年の三月二十五日に行われ、禎子の父・繁夫さんやかつての同級生たちも列席したという。

こんなニュースもある。二〇〇四年五月二十一日の新聞では「スローガンは環境革命二〇〇四年度版白書強調」と見出しが踊っている。環境改革、もしこれを行わないと、大変なことになるだろう。産業革命、IT革命そして環境革命へというスローガンは興味深いものがある。この革命のうちで一番大切なのは、環境革命だろう、そういう歴史の分岐点にたっているといってもよいだろう。

新聞を置き、「消費者も環境にやさしい物を可能な限り買ってもらいたいし、クリーンなエネルギーといわれる風力や太陽光発電の研究開発に力をそそいで欲しいものである。そして、投資家も環境保全を考えている企業に投資してもらいたいと思う。いや、このことは多くの教養あるやさしい心のある人たちには、常識となっていることだろうなあー」と、勉は独り言をいい、冷えた麦茶を飲んだ。

携帯電話の着メロが音をたてている。
「はい……」勉は電話にでる。

パソコン画面には輝代と、ソーシアが映っている。

そして文字が書き込まれていく。

『未来はあなたたちにかかっている……』








閑話休題

これは若い人に対して書いたものです。

あまりにも多くのことを書いたと思います。

少しでも、現実を理解できるための、
切っ掛けになったらうれしいです。

最後まで読んでいただき、
ありがとうござまいす。

でも、途中で書いたように、
このシリーズは構想としては、
まだまだ続くものです。

およそ三分の一が、
終わっただけです。


夢のおもちゃ箱の
続編も今、ぼちぼち書いています。









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215あれから五年

2006年10月19日 | Ra.
ラヂオアクティヴィティ[Ra.]
第二部・国境なき恐怖

エピローグ

215あれから五年



あれから、何年たったのだろう。
もう五年たったのか。長いような短いような気がする。
あの年に日産の社長に就任したゴーン氏は見事、日産を復活させた。

しかし、日本自体は不況のどん底であることに変わりがないような気がする。
日本の総資産は当時の半分になったという報道されていたようにも思える。
バブルの資産がそのままあり続けるわけがない、そう考えるのが正しいだろう。

ダイエーのカリスマ社長は退陣し、ダイエーは球団も売った。
今ではソフトバンクなどという冠をつけている。

世界一の金持ちと言われたこともある西武鉄道の社長、堤は逮捕され退陣した。
ソニーの社長は外国人になり、パソコンはどこのメーカーのを買っても中国製などといわれている。

脱国家、「国家の黄昏」といわれ、グローバル化が進む時代に、各国の政治家はそれについていけず、復古主義になっているのではないか?

世の中、よい方向には、むかっていないだろう。
しかし、徐々にではあるが、変化はあらわれているようだ。

風力発電が日本でも生まれている。
風力発電はクリーンなものであることは書くまでもない。

そして、マスコミが伝えることが何でも真実だと思う人は少なくなっていることだろう。

イラク戦争によって、フセインという独裁者はいなくなった。

そして、イラクは核兵器を持っているとマスコミが伝えていたことは嘘だったと今ではわかっている。

あの虚報はどこから伝えられたのだろうか?

インターネットは発達し、マスコミを非難する電子掲示板。

今では平和運動といいながら、自分たちの私服を肥やし、彼らの政治団体のために活動にしかすぎない人たちが、余計に戦争への道を進めているように思える。

差別の究極の姿、それが戦争という人たちの理論では、戦争を進めているといってもいいのではないか?

啓蒙主義者=野蛮な教養主義者という人たちがいる。
つまり、彼らは教養なき者を教養ある者たちが支配するのが理想社会と思っている人たちである。この差別主義者と人道主義を色分けする必要があるように思える。

そういう野蛮なマスコミが存在することに不快感を覚える毎日である。

言論が、マスコミの人たちのゲームであって、その人たちの出世のために存在していたとしたら、どんなにオゾマシイものだろうか?

『それでも地球はまわっている』といったガリレオのように事実を伝えることが大切なことだと私は思う。

しかし、マスコミだけではなく、欲望にとりつかれた者たちが、今も多くの人たちの生命を軽んじている。政治も命があっての物なのに、生命を軽んじている人たちがほとんどである……。

放射能の恐怖はそして、今も去ったわけではない……。
一九九九年九月三十日、茨城県東海村の核燃料加工会社で、臨海状態になり、中性子線が放出され、作業員が十二月と翌年の四月に死亡した。住民ら六百六十三人も被曝し、国内原子力史上最悪の事故となった。

我が国では原発推進者が多く、原発は安全だと宣伝していた。一度おこれば、チェルノブイリのようになるにも関わらず、問題点をすり替えるようとして、交通事故より起きる確率は少ないなどと話している人もいた。

プルサーマルも終っていない。危険きわまりないという“もんじゅ”もまだ終わったわけではない。たとえ終えると決めたとしても、様々な問題は今の人類の知恵では解決しない。

原発の方が、お金がかかることも、推進派の人でさえも認めるようになった。それも、どんぶり勘定でしかない、粗雑な計算であるから、もっともっと原発は金がかかるとしか言えない。

そんななか市民運動が活発なドイツでは、原発を廃止しようとしている。この運動は正しい道だろうと思うが、この困難な道を歩きはじめたドイツに敬意を払いたい。だが、終わったところで、核廃棄物の管理は続けねばならないし、そのためにもエネルギーも税金も使い続けられることだろう。

多くの人たちに考えてもらいたい。家庭においては、どんな家に住むかでも環境の影響が大きかったり、小さかったりするだろう。住む家が広いか狭いかでも違うし、高気密、高断熱であるかなどによっても、環境に及ぼす影響は変わる。

どんな自動車に購入するかでも、その影響を考えてもらいたい。普通車か小型車か、燃費はよいか。エネルギー消費や環境排出に大きく影響するだろう。燃料電池の自動車も各国の自動車会社や大学などで研究されている。また、燃料電池の利用を軸として、水素・天然ガス・メタノール・燃料電池用ガソリンなど各種の新燃料が検討されているという。

悪いほうでは、この間に大きくかわったことの方が多いだろう。

最大の転機は、9.11アメリカ同時多発テロ事件であろう。9.11とは二〇〇一年九月十一日にアメリカで起きた同時多発テロ事件。ハイジャックされた四機の大型ジェット旅客機が凶器にかえられたものである。予想外のことなどではなかったはずである。テロ攻撃に対して万全の防衛していたはずではなかったのではないか?

アメリカの国防とはそのくらいのものだったのだろうか?
単なる油断だったのだろうか?
今も疑問だらけである。

テロ事件としては史上最大の被害となった。あの日のことを勉も忘れない。仕事が終り、風呂あがりテレビを見ていると、ニューヨークの世界貿易センタービルの北棟にボーイング767のロサンゼルス行きアメリカン航空11便が飛び込んでいくのが映されていた。それはニュースというよりも、映画の一場面のようであった。だが、それは映画ではなく、何千人もの人が殺されたのである。

ニューヨークの中心部に、それも旅客機を使ってのテロ攻撃ときいて、そんなことができるのかと大きな疑問を持った。相手は世界最強のアメリカだろうと思った。だが、それは現実であった。唖然としていると、もう一機、ロサンゼルス行きユナイテッド航空175便が突入するのが見えた。ほぼリアル・タイムでそれを見た。

日記を見てみれば、
「十時すぎ、NHKテレビをみていたら、アメリカでテロ事件があった。ツインタワーにハイジャックされた飛行機が神風のように突っ込んでいったのである。はじめアナウンサーは十八分後にまた事故なんて、起こるのでしょうかと呑気なことを話していた」
と書いてある。

テレビに関係するエリートたちは、世界最強、唯一の超大国といわれるアメリカでこんなことがあるとは思ってもいなかったのであろうか?

アメリカの朝の番組で、ニューヨークの景色を映す、その番組を狙ってのテロ攻撃でもあったのだろう。

瞬く間に、世界にこの凶行は伝えられた。間もなくユナイテッド航空の757は米国国防総省(ペンタゴン)本庁舎に意図的に衝突したというニュースに驚いた。それから、サンフランシスコ行きユナイテッド航空93便もハイジャックされ、乗客が前のニューヨークの惨状のニュースを携帯電話などで知っており、テロリストに立ち向かった。そして、ペンシルバニア州に墜落した。その飛行機はキャンプ・デービッドか、ホワイトハウスを攻撃しようとしていたらしい。

ブッシュ大統領は予定を変更して、その居場所さえも教えない時間もあったほど、緊迫していた。9.11事件は世界を変えたといってもいいだろう。アメリカ国内の世論は急速に過激に保守化した。そしてアフガニスタンとの戦争、イラク戦争へと繋がっていったのである。

そして、多くの人たちは、地球規模での環境破壊についての危機を忘れ去ったようなものになってしまった。戦争やテロ攻撃が日本さえ狙っている時代になってしまったのである。イラク復興にはあのベクテル社が活躍しているという。

無視できない環境問題に目を移せば、それ以前にも、悲惨な出来事を予測できないアメリカ政府は愚かな発表をしたという。アメリカはブッシュ大統領になり、京都議定書も科学的ではないといい、それを批准するどころか、二○○一年三月のブッシュ大統領による「京都議定書からの離脱」宣言は世界中に大きな反響をもたらした。

ブッシュ大統領の後ろ盾には、石油会社があるという。父親のブッシュ元大統領から、関係したという。ブッシュは環境に対する最大のテロリストと非難されてもいた。

二○三○年までに原発が十基建設された場合、京議定書の数値は克服できるという記事を読んだとき、京都議定書を利用して増設しようとしているのかと思った。アメリカの狂牛病のために、牛肉が輸入できず、多くの牛丼屋さんが、多種のメニューをつくったのを思いだした。他のメニューで、やりくりしている民間企業を模範にしてもらいたいものだが、一端決まった公共事業を辞められない体質は直っていないと思うのは私だけではないだろうか。

ネオコンのブッシュ大統領はイラク戦争において、彼の支持者たちを太らせ、イラクの子供たちには不幸を与えつづけている。繁栄するアメリカは、イラク戦争のことも報道規制をかけている。
自由の国、アメリカは去った……と、悲しくなる思いでいっぱいである。

だが、世の中を良い方向に向かわせようとする人たちもいる。
一九九九年十一月二十七日の読売新聞には、風力発電で初の商業運転が行われたことが報道された。

電力会社に長期契約で電力を供給する日本初の商業用風力発電所で、十七年間、北海道電力に売る計画だという。
平均販売価格は一キロ・ワット時当たり十一円六十銭し伝えられる。
百ヘクタールの敷地内に最大出力千キロ・ワットの風車が二十基設置されており、総事業費は四十五億円という大きな事業がはじまったという。

今では役立たないといわれていた風力発電は東京のお台場でさえ運営されている。そこが、ひそかに観光スポットにもなっているという。

あの時には見落としていたが、驚いたことに、こんなことまで起きている。一九九九年七月九日の読売新聞では、「自家発電余りは売却太陽光利用ガスいらず」と見出しをつけている。

電力を電気会社に売っている人が増えているという。
曇り空がうらめしいと書いてある。
もし晴れていれば、発電がなされ、その電気を買ってもらうことにより、収入を得ているという。

売電している家の屋根には濃紺の太陽光パネルが設置されているという。家の側面には二つのメーターがついているという。一つは雨や曇り空の日には太陽光発電はできないために、電気会社から電気を買うときの使用料のメーターでる。もう一つは天気のいい日に売る電気量を計るメーターでる。その家庭ではガスは最初からひいていないという。

一九九二年四月から、通産大臣の諮問機関である電気事業審議会の提言で、東京電力など全国の十電力会社が、一般会社からも電気を買うようになった。

太陽光の「売電」は九二年度には、わずか十三件に過ぎなかった。それが九八年度には、法人を含めて一万四千五百二十六件と、爆発的に伸びたという。

太陽光発電は官民一体で今、行われている。新しい試みといっていいいかもしれない。この芽を大切にしていきたいと思っている人たちは多い。クリーンであり、二酸化炭素をださない。

そんな研究開発には賛成できるが、原発の増設にはどうも危険を感じて、たとえ二百年に一度でも、もし起きたらとしたら、その時、取り返しがつかないのではないかと思う。

そして、彼らの事故予想では未だにチェルノブイリ事故もスリーマイル島事故も起っていないという信用できないものでもある。

だけど、日本国はこれに対しても原発を増設するという。読売新聞の五月十一日朝刊で伝えてくれている。『二〇三〇年度までの原発増設目標、十基程度に抑制』と。

経済成長の鈍化や人口減少予測で、二○二○年度までに十六基の建設を目指した民間電力会社の従来計画を下方修正した試算を示している。

ドイツのように廃炉とまでいかにしても、増設しようとしているという人たちがいることが驚きの一言である。

スリーマイル島のように、事故が起きても、その処理に莫大な費用がかかり、その費用でも儲ける企業もあるという。

廃炉となっても、さまざまな問題があり、まだ人類の知恵では解決できる問題でもないという。廃炉と決まっても、莫大な費用がかかるという。そのことで儲ける企業も出るのだろうと考えても不思議はないと思う。

ドイツの試みは偉大なことであると思う。
人は環境の内に生きている。あの悪魔とは共存できないのだから……。

日本もドイツに負けていない分野もある。環境ビジネスが日本でも活発に行われるようにもなってきているという。京都議定書をうけて、改正省エネ法(エネルギー使用の合理化に関する法律)が、一九九九年四月から施行され、また新たな法律として地球温暖化対策推進法が一九九九年四月から施行され、二○○○年六月に循環型社会形成推進基本法が施行された。








閑話休題

この五年、
アメリカはひどくなりましたね。

アメリカの政権がどのような
ベースなのか。

そのようなことを知っていたら、
彼らに希望を持つ人は少ないでしょう。

アメリカの政治体制の古さもありますね。

日本政府の無責任体制も、
徐々にではありますが、露見しています。
さらに、加速して全部出してもらいたいものです。

政府に関わる人物、学者でも、
信用できない人がいるということも、
お知りになられたとも思います。

ドイツのように意味ある
迷走をおこなうなら、まだしも。
意味あることを避けて迷走する
日米にはあきれはてるばかりです。






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214イベントは終わった

2006年10月18日 | Ra.
ラヂオアクティヴィティ[Ra.]
第二部・国境なき恐怖

十五、僕らは未来に……

214イベントは終わった




会は終わった。その後も“大海原”に書き込みが少年少女からあった。子どもたちが日本は唯一の被爆国というくせに、核に対して何とルーズなことだろうかと、不満を示していた。あの広島のおばあさんの気持ちを政府は何も考えたことがない、と。政治家は、ただ式典に出て恥かしくいないのか! と罵声に近いものばかりだった。

それは仕方のないことだろう。日本は被爆国で、その日本が使うのなら、他国は安全だろうとも思っていた。国民だけを裏切ったのではない。政府の大事な仕事のうちに、外交というものがある。世界の人たちさえも裏切ったのである。

また「欧米では、ジャーナリストも、テレビ・キャスターも、ハリウッド・スターも、休暇をとってデモに参加するそうです。政治家、財界人、警察官、軍人もデモに参加するという。つまり、必要と思えば、彼らは一個人に戻る。自由な国家とは、そのように個人が組織に優先する社会である」と書き込む人もいた。

しかし日本の政府は、核兵器にさえ反対しないのである。これがどうして民主主義国の政府と言えるのだろうか……。

そして政府は“もんじゅ”は廃止しないと言っている。この地球で、唯一の高速増殖炉を開発しようとしている核先進国である。多くの国は撤退したのにも関わらず。電気代が世界一高い、その国でさらに費用のかかる高速増殖炉を作ろうとしている。事故がおきたら、お金だけでは取り返しがつかないことも、子どもたちも訴えていた。

もう、背負いきれないリスクで、試行錯誤して、科学を発展させることはできない所に来ているのだ……。まったく、虚しくなる……。こんな指導者たちに未来をたくしている……。そこにわれわれは住んでいる。

一週間後にソーシアも、ベルーシアに帰った。
その十日後に彼女は亡くなった。
幸福にと……、書きたかったが、それでは嘘になる。
聞くところによると、やはり苦痛に呻いたそうである。
それが現実なのだ。しかし彼女の思い入れは伝わったと想う。

力強い、そして短い人生をしっかりと生き通したといっていいだろう。

勉はあの後、子どもたちに手紙を書いた。

だけど、輝代には投函することすらできなかった。
パソコンお宅の勉は、データベースを使って調べたけれど……。
結局みつからなかったのだ。

それに輝代のデータが全て消去されていたのだ。
VTRにも輝代は映っていなかったのだ。
輝代が話したと思っていたことも、VTRでは他の人間が話しているのだ。

そして、机の上に置かれた本が勝手に動いた。
まるで、生き物のようだった。

その本は長崎で被爆した女学生たちが書いた本であった。
その中に輝代と同姓同名の少女の文章が載っていた。

勉は何度もそのページを読んだ。

まさか……。輝代は……。でも、それで、いいような気がした。いい気分がした。お化けだって、元は人間だったのだ……。そして、未来は僕も……。

パソコンが動きだした。画面に文字がでる。
『あなたにパソコンの使い方を習いましたね。秋葉原で会ったでしょう。輝代』
『私のために涙するより、私のような人を一人でも救ってあげて……。できるだけでいいから……。お願い。ソーシア』

今は亡き、二人の笑顔がディスプレイ(画面)に写っていた。
ケロイドのままで微笑む輝代……。醜くはないさ。醜いのは……。あ・い・つ・ら……で……、君じゃない……。








閑話休題

日本の政治が、被爆者にしてきたこと。

日本の政治家はどのように考えて
おられるのでしょうか?

マスコミも満足に伝えて
いないとさえ私は思います。

ボクがマスコミの方で、
立派と思うのは、
伊藤明彦さんだけです。

未来からの遺言 ある被害者体験の伝記

シナリオ 被爆太郎伝説







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213BBSその3

2006年10月17日 | Ra.
ラヂオアクティヴィティ[Ra.]
第二部・国境なき恐怖

十五、僕らは未来に……

213BBSその3



「オッペンハイマーも、癌で死亡した。いくら否定しても、彼らもあいつらに、打ちのめされたのさ!」

『恐怖と戦わねばならないのだ……。ハンフォードの反核の先頭に立った人物は、放射能よりハンフォード近辺の住民を恐怖した。あいつらと戦うと二重にも三重にも恐怖するかもしれないのだ……。しかし彼は、近辺の住民よりも勇気があるのよ』

『戦争というのは、いくら人を殺したところで、罪にならない。そう原発も戦争をしているのだ。でも、それをしているのは、科学者じゃないし、原発職員でもない。偉い人たちなのだ。人間を人間と思わない人たちなのだ。悪魔に心を売って、権力を握った人たちなのだ! ガーナの未来の弁護士より』

『共和党政権じゃないから、こんな混沌とした世の中になったのさ。みんなに明るいニュースがある。昨日の新聞に書いてあったことだ。アメリカのアイオワ州エイムスというところで、模擬選挙がおこわれ、ブッシュ・テキサス州知事が、一位となったらしいよ。これで世界の平和は守られるよ。安心してくれたまえ。世界の警察、偉大なる保安官、マイクより』

『そんなことがあるわけないわよ。今よりひどくなると推理するわ。ミス・ホームズ』

『推理小説ファンは、政治というものに疎いものさ。世界一の国アメリカ国民マイク』

『やはり、少しも直ってないわ。あきれたものね。アメリカが京都議定書に署名してくれることを望みます。そして、危険なものの開発などしないで頂きたい。良心のある科学者になりたい。科学は人類を支配するのではなく、幸福にするために研究したい。 ドイツ人 ニックネーム・博士』

『何国人と書くようになったから、こうなったのさー。宇宙船「地球」号の乗組員として考える方が重要になってきていると思うよ。勇気』

『国はよそう、マイクがまた惨めさを感じて、自分を大きく見せようとするからなあー。『卑下は思い上がりの裏返し』というらしいよ。逆もあるような気がするよ。彼には修行が必要だ。本当の宗教心であって思い上がるものでないものがねえ。 行者』

『せっかく、みんなまとまってきたのに、マイクは困るわねえ。この文化が永続するわけがないのよ。環境破壊もこれ以上すれば、病気になる人も増えるし……。悲しいことが多くなるわ』

「そうよ、マイクたら、もう、嫌になるわ」
「まったく、そうだよ」

『僕は今回いろいろ驚くことがあったけど、一番驚いたことは、国連なんてないということだ。ドイツ人の博士から聞いて驚いたよ。こう書いていても、驚く人もいるだろうなあーと思うよ。でも、本当のことだよ。国連と訳した人が嘘つきだと思う。本当はUnited Nationsで「連合国」と訳すべきだ。ドイツと日本は未だに敵国にされている。そんな概念を国民にもたせたくないからと間違った訳を好意的におこったのだろうけど、それはよくないことと思う。連合軍憲章は、一九四五年六月二十六日に調印されたそうだよ。そんな国の集まりが、原爆を禁止したり、裁いたりできるわけがないよね。きちんとした国連をつくりたいし、国連と訳は教科書からもマスコミからも訂正して掲載すべきではないと思う。未来の真実の国連大使勇気』

沈黙があった……。







閑話休題

オッペンハイマーもガンで死亡した。
キューリー夫人たちも、
それぞれ、影響を受けていた。

政治は人のためといいながら、
本当は人の害悪をしている場合が、
多すぎるようになっていますね。

人間性を失うことが政治家なら、
世の中をよくなんてできるわけがないですね。

そんな政治家、官僚、
エリートが多いと思います。

でも、庶民が世の中を
つくっているのです。

平和についてできることを、
考えてみました。

もくじ

みんなにも、お願いしたいし、
ボクにできそうなことを、
依頼してももらいたいけど、
できることは少ないです。(-_-;)








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212BBSその2

2006年10月16日 | Ra.
ラヂオアクティヴィティ[Ra.]
第二部・国境なき恐怖

十五、僕らは未来に……

212BBSその2



博士が行者の次に座った。
『宇宙船「地球」号には、いろんな人たちがいるね。でも、今、裕福でも明日はわからない。もしかしたら、ソ連は軍拡をしたために、消滅したのかもしれない。そして、チェルノブイリがその止めをさしたのかもしれない……。今、裕福な人たちが、明日は貧しく飢えているかもしれない。同じ宇宙船「地球」号に乗っているのに、そんなことさえ、考えないで生きている人たちが案外多いものだ。かのアインシュタインは、数々の名言を残した偉大な人物でもある。宇宙船「地球」号は彼のように、理性を持った科学者しか必要としないのだ。政治的科学者といわれる。科学にではなく政治にその信念を売った者は科学者と名乗らないで欲しい。われわれ少年も、政治的科学者などという詐欺師にはならないでおこう。法律でいくら、裁かれなかったとしても、科学者が政治に身を売ったら、それは詐欺というものだ。未来の第二のアインシュタインより』

ナンシーが座った。メモをキーボードの横においた。
『私の友達があいつらに殺されたわ。むごい死だったわ。亡くなってからも、彼女は否定されたわ。霊園に葬られるのさえ、近隣の人たちは反対したわ。それは仕方のないことことかもしれないけど。それより何千倍も何万倍も恐ろしい核兵器や原子力発電に反対しないわけがありません。いったい推進派という人たちは、あなたの子どもは放射能によって死なないとでも思っているの? それとも、何かあったら、すぐに子どもや孫だけは、チェルノブイリ事故のように、逃がしてしまうから平気というの? でも放射能の雨が各地を襲ったら、あなたの子どもだって孫だって、逃げてばかりもいられないわ……。お金があったら、何でもできると、日本の人たちは思っているけど。日本の偉い人たちへ、原子力発電一つやめることができないのよ。それで豊かなの? あなたたちは生きていくお金は十分あるはずよ。レイデのような子どもは作らないでください。ソーシアの健康を返してください。しかし、あなたたちに頼んで無駄かもしれませんね。核燃料を移送するのだって、大変だし、そこで事故がソ連のように起こるかもしれないわね。移送中の事故でも、ソ連では死亡者がでているのよ。でも、多くは、あなたの子どもでも孫でもなく、あなたは何の責任も取らず……。そうソ連のように、運転員などに責任を転嫁することでしょうね。それから国際機関というものに失望を覚えました。レイデは隔離されて悲しい思いだけじゃなく、ひどい目にもまだ合わされたのかと想うと悲しみよりも怒りを覚えます。レイデは実験動物ではありません! あなたの子どもや孫、あなた自身と同じように人間なのですから……。日本の悪口を言ったように、思った人は、それは間違いです。私は日本が大好きになりました。でも、原発、特に“もんじゅ”や六ケ所村の核施設は好きにはなれません。憎いほどです。それでも日本では楽しい思い出ができました。ありがとう日本の人たち! ナンシー。追伸:ブラジルに遊びにきてね』

『私も“もんじゅ”が憎いです。事故がもしおきたら、アジアが滅びるというではありませんか? 韓国は北海道よりも“もんじゅ”に近いのです。それを内政干渉だなんて、許せません。宇宙船「地球」号という考え方をしない日本人、朝鮮人差別をし、今も“もんじゅ”で苦しめようとする日本政府に対しては人間として許せません。私は韓国に帰ったら、友達にも反対するように伝えます。もちろん日本の友達にも、反対するように進めます。でも私もナンシーと同じで、この旅行で日本が好きになりました。李   追伸:家族でまた東京ディズニー・ランドに行けるといいな! それに韓国料理のお店の多さは聞いてびっくりしちゃった!』

輝代はナンシーたちに座るように、手で誘導された。輝代の目からは涙があふれていた。

『平和……こんなことを考えられるだけでも、幸せだと思います。動物たちを見てください。呑気な草食動物ではなく、猛獣と分類される動物たちです。どうですか? 彼らは平和なんて考えるかしら。彼らは強そうであって、実は欲望の虜になっている可哀相な生き物かもしれない。世の中で威張っている人たちも、実は本当は平和なんて考えることもできないほど、弱い人たちなんじゃないかしら……。私はこの旅行に参加できたことを神様、聖母マリア様に感謝します。輝代』輝代の頬から涙がポタポタと床に落ちた。

みんなは勉に座るように促した。パソコンの前の椅子にすわった。そして腕組みをして、考えだした。目までつぶっている。そして、パッと手を叩いた。さすがにパソコンお宅だけあって打ちはじめると早い。
『恐怖……これは子どもだけが持つものではない。ある意味では、これは生きていくうえでの必要な本能かもしれない。我々は核兵器が怖い、いやピストルだって……。犯罪は山ほど毎日あって、僕らは息をするのが、苦しくなるほどだ。しかし、その中でも核兵器、核エネルギーに関するものは、史上最大の恐怖であろう。でも僕たちが恐怖心を持っているのは悪いことじゃない。そして僕たちだけが持っているものではない。恐怖……アメリカの大統領は臆病にも核に取り憑かれた。誰もが、彼は権威があるから強いと勘違いをしている。冷戦時代の軍拡競争……それは恐怖から逃れるためのものだった。彼らの恐怖心には理性がなかった。恐怖は増していくばかりだった。原爆をつくり水爆をつくりICBMを作り、宇宙にまで核兵器“スター・ウォーズ計画”まで……。しかし何十回も人類を殺せる力を持ったけれど。恐怖から逃れることはできたかい? むしろ恐怖は増していくだけじゃないか。僕らはそして恐怖社会をつくった。テレビでは毎日毎日殺伐としたニュースが流れる。テレビのニュースを見ていたら、平和だと感じることなんてない。僕らは恐怖に、もろすぎるのだ。強くならなければならない。もっとも弱い男、勉』

ナンシーは同意した。
「だって、放射能で死なない人なんて、いないもの……」

女医の桜田がみんなに進められて椅子に座った。
『みなさん、これでこの会は終わるでしょうけど。でも原発は動いているし、核兵器も造られているわ。そしてICBMはどこかの国に向けられています。そうです。私たちは、この会で得たものは知識と友情だけだったのです。敵はそのままにいるのです。今も虎視眈々と人間のミスを狙っているのです。原発の近くや六ケ所村に近くに住んでいる人たち、あなたたちは他の人より、気をつけなければなりません。なぜなら気がついた時には、もう遅いということさえあるのです。ハンフォードはどうだったでしょう。チェルノブイリはどうだったでしょう。全てが秘密主義でした。日本ではどうだったでしょう。健康はどんな宝石よりも貴重な宝物です。原発事故で被害者になって、お金をもらっても、ベッドの中じゃ、決して幸せとは言えないでしょう。お金で苦痛が消せるという幻覚も捨ててください。女医の桜田』

なるほど、僕たちは何も解決したわけじゃない……。

『大人たちは、未来に借金をしているようなものだ。それを返済するのは、僕ら子どもだ。僕たち青少年も、叫ぶべきだ。大人たちより、影響をより受けるのは僕たち若者だから……』

「そのとおりだよ。僕らは、何かしないと、これ、やばいよ!」








閑話休題

日本だけが、
驚くべき!
原子力推進ですね。

なぜ、
日本だけが、
そうなっているか、
それは故・高木仁三郎が
このことも書いておられました。

このBBSの子供たちの意見は、
あちこちにあった、
子供たちの意見でもあります。

未来に私たちは何ができるのでしょうか?
とても悩むことです。








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