磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

115500平方メートルの皮膚-被爆43年の自分史-

2010年05月30日 | 読書日記など
『115500平方メートルの皮膚-被爆43年の自分史-』
   山口仙二・著/みずち書房1988年

建築事務所の社長さんもやっておられたようです。
--でも、庶民的な活動をされてきた、すばらしい人間だと僕は思っています。



長崎原爆投下日……。下「」引用。

「八月九日、私はいつものゲージ作りでなく、交替で工場の防空壕掘りに出されてた。爆心地から約一・一キロの位置だ。この距離だと、厚さ三○センチの煉瓦壁に大きなひび割れをあたえる程度の爆風と、花崗岩の表面が溶けて泡だつ程度の熱線にさらされたはずである。もちろん、多くの人が死んだ。-略-」

大村海軍病院へ。下「」引用。

「「早くのれ」
 私が全身の力をふりしぼって列車に乗ろうとしているのに、すぐ後でそんな声がした。かろうじてはい上がった私は、車内に足を踏みこんでびっくりした。温かみのある血と泥が、ぺちゃぺちゃと足にくっついた。
 どの座席も、重傷者が横に寝かされている。その重傷者と重なるように椅子へ寄りかかっている者、通路に腰をおろしている者もいた。-略-」

三菱の試験あきらめたという……。下「」引用。

「三菱(当時、財閥解体で西日本重工と称した)長崎造船所は、はじめからあきらめた。
 もともとここへの就職にあこがれて、島から出てきたのだ。クラスで五番の成績。それほど悪くないつもりだが、三菱には全校で一、二番の者しかパスできなかった。公立大学の入試よりむつかしく、神学希望の優秀な連中が小手調べに受験したくらい。それに、戦時中の徴兵検査そのまま、ペニスをしごいたり肛門をのぞいたり、厳密なテストをやるという。学科はともかく、体格検査のほうはまったく自信がなかった。-略-」

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自殺未遂をした著者……。

長崎大学へ。下「」引用。

「ケロイドの植皮手術のため、長崎大学の医学部調(しらべ)外科に入院した。調来助先生とは縁がある。大村で最初に手術をうけたときの執刀医木戸利一先生は、調先生のお弟子さんだ。調先生ご自身、八月九日に長男を喪い、遺骸さえみつからなかったという。-略-」

長崎原爆青年会。下「」引用。

「乙女の会にならって、青年たちの会をつくり、話し合いの場をもちたい。こうして長崎原爆青年会が発足した。みんな大学病院で知り合った青年たちだ。-略-」

被爆者に中国からの慰問金を渡したかったが、ふさわしい窓口がないので持ち帰った安井氏。下「」引用。

「-略-これは被爆者救援のために託されたもので、慈善事業一般に解消されてよい性質の金ではない--結局、安井氏は慰問金をそのまま持ち帰るほかなかった。」

「原爆被災者協議会結成の呼びかけ」

「長崎青年乙女の会」 下「」引用。

「この年の五月に、十四名のわれわれ「青年の会」と、三十一名の「乙女の会」とが合同し「長崎青年乙女の会」となった。私と同じ大村海軍病院で、二年間うつ伏せのまま治療を受けていた谷口稜曄(すみてる)さんも、このとき入会した。-略-」

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Sの自殺。下「」引用。

「-略-みんなで準備してきた世界大会のことが話題になったし、Sも参加する口ぶりだった。そのSが、七日の夜、長崎駅前の旅館にひとりで宿をとり、青酸カリをあおった。-略-Sと私は、大学病院で知り合った。Sはそのとき、虫垂炎の手術で入院していたが、ケロイドの植皮手術を何度も受けている。下半身が焼け、足裏にまで、ケロイドがあるのに、上半身は無傷だった。被爆当時、七歳十一カ月のSは、プールか川で泳いでいて熱線を浴びたらしい。」

「遺書」に著者の名前が書かれてあったという。

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結婚……。下「」引用。

「船長夫妻の娘と二人、その家に泊まることになった。これが中本幸子--現在の私の妻との出会いである。-略-」

福田須磨子が、詩「--仙ちゃんの結婚を祝して--生命ある限り」を残している……。

福田須磨子とソ連核実験非難! 下「」引用。

「私と福田須磨とは、ソ連核実験に反対の意志を表明した。翌日の朝刊に、それが大きく報道された。私の友人たちの中には、ソ連は基本的に平和愛好勢力だから、アメリカと分けて考えるべきだ、と忠告してくれる者もいた。だが、もしほんとうに平和を希むのなら、核を憎み、人類滅亡の手段の開発を呪い、核実験に反対する私たちの気持ちをなぜ踏みにじるのか。広島と長崎で爆発した、あのちっぽけで「きれいな」原爆でさえ、三十四万人以上が死に、なお死につつある。アメリカであれソ連であれ、ほかの何者であれ、平和のための核抑止力、などというたわごとを私に信じさせたいのなら、いちどでもあの地獄をくぐったあとに、ものを言ってほしい。私は、イデオロギーを無視し感情的に口走っているのではない。これこそ私のイデオロギーなのだ。」

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長崎被災協の会長へ

林京子を批判した作家に非難。下「」引用。

「いまどこに立ってものを言うのかということこそ、文学にとって、また現実にたいし何がしかの発言を試みる者にとってももっとも重要なのではないか。彼は、権力者にたいし限りなく優しい反面、反体制や、反核の文学者にたいしては、ほとんど憎悪そのものを塗りつける。「貧困や病気や差別や不平等の中で生きてきた」人が、なぜそれをもたらす戦争や軍備拡大に反対しないのか。自分の出生地の人びとをあざむいてまで進められる原発立地に、なぜ一声の反対もしないのか。」

たぶん、吉本の本紹介された本でしょうね……。

誇りに思う、核戦争の危機を訴えをアピールした日本の文学者。

ABCCの役割。下「」引用。

「この医学の立ち遅れには、敗戦直後のアメリカ占領軍が責任を負っているだろう。彼らは、原爆の被害の大きさが、占領軍にたいする人道的な非難をつよくすることをおそれ、占領と同時にプレスコードをしいた。新聞報道をおさえただけでなく、被害調査までABCC一本にしぼり、ほかの学者や研究機構をいっさいシャットアウトした。ABCCは事業として「大学・大学付置の研究所又はその他の研究機関と共同して放射能の人に及ぼす影響及びこれによる疾病に関する調査研究を行う」とあるが、敗戦直後の実態は、日本の大学調査団などの資料を、ABCCが独占するかたちになった。」

ABCCに抗議。下「」引用。

「しかもABCCは、被爆者の調査こそやったものの、それを治療に生かすこしとなどいっさいしなかった。きたるべき核戦争のための実験データを集めていたとしか考えられない。長崎で原爆反対運動が盛り上がった一九五六(昭和三十一)年の夏、私は原爆青年会の会長として、ABCC長崎研究所の所長に会見を求め、抗議したことがある。」

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この人たちの、小説を書かない日本の作家たちって、あまりにも欲が無いとボクは思う……。
今の作家に誇りなんて感じてますか?

また、映画関係者も同様ですね……。

被爆の問題を解決しなければ、さらに新しい問題も憎悪することは、確実ですね。
--原子力も推進されていますしね……。








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沖縄の旅・アブチラガマと轟の壕-国内が戦場になったとき-

2010年05月30日 | 読書日記など
『沖縄の旅・アブチラガマと轟の壕-国内が戦場になったとき- 集英社新書 0036』
   石原昌家・著/集英社2000年

表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。

「沖縄県本島南部にはガマとよばれる自然洞くつがいくつもある。半世紀前の戦争中にこのガマは避難壕として軍・民双方に使用されていた。本書に登場する「アブチラガマ」も「轟の壕」もそうした避難所のひとつだった。ガマでなにが起こっていたのか。人びとの忘却の彼方にあったこれらのガマの記憶をたどる石原教授たちの調査行は、取材開始から二十五年の歳月を要することになる。半世紀をへて、よみがえる真実とはなんだったのか?裁かれざる「犯罪」は放置されまま、闇のなかに眠るのか。「洞くつの惨劇」はいま姿を現そうとしている。」



アブチラガマの住民殺害事件。下「」引用。

「このアブチラガマでの住民殺害事件は、一九四五(昭和二十)年六月三日以降の出来事である。それ以前、アブチラガマは「ひめゆりの塔」でしられる南風原(はえばる)陸軍病院の糸数分室として使用され、重傷患者がひしめく中、「ひめゆりの乙女たち」がかいがいしく働いていた。さらにその前は日本軍の洞窟陣地壕として使われ、首里戦線への出撃基地となっていた。」

朝鮮人慰安婦。下「」引用。

「慰安婦に関しては渡嘉敷通徳(とかしきつうとく)さん(後述)も「朝鮮の慰安婦さんがうちらの所にきて、お喋りしました。日本語はぺらぺらでした。二十四、五歳以下でした」と証言している。」

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沖縄の人=総スパイ。下「」引用。

「沖縄の人ほとんどが方言を使用しており、しかも方言しか話せない人もいることを日本軍は熟知していた。方言を使用する者はスパイと見なして殺すというのは、沖縄県民を総スパイ視していたといっても過言ではない。真喜志さんの証言はそのことを裏付けているものとも言える。」

特攻艇。下「」引用。

「アブチラガマ洞窟陣地は、奥武島(おうじま)を基地として鈴木隊の特攻艇基地としても使用された。海上特攻艇はベニヤ板などで造った一人乗りの小舟艇(しゅうてい)で、一二○キロの爆雷を搭載して敵の艦の背後や正面から体当たりして損傷させるために考案された。空の特攻隊と同じ目的だったので、米軍は「自殺船」と称した。」

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米軍、ガス弾攻撃。下「」引用。

「米軍は、伊江島(いえじま)の戦闘で住民の避難壕に対しても致死性のガス弾攻撃を行い、多くの犠牲者がでた。この野戦病院に対しても米軍はガス弾攻撃を加えた。米軍がまだ近くまで攻めて来ていないときだったから、飛行機からガス弾を投下したのではないかと島袋淑子さんは判断している。-略-」

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ノコギリの歯の形……。下「」引用。

「二、三分くらいの時間だつたと思いますが、ノコギリの刃がたたなくて、途中で切断をやめてしまったようです。そのときのノコギリの刃がたたなくて、途中で切断をやめてしまったようです。そのときのノコギリの歯の形が骨に残っており、触れるといまでその痕が分ります(松田さんは一九九九年十月二十五日、名護市の職場で聞き取りしている私にもその傷痕を触れさせた)。-略-」

「アブチラガマ内でスパイ視され」
日本軍が敗けていること、捕虜のことを上妻(こうづま)伍長に伝えるとスパイにされたという。

死体置場に生きている日本兵を投げ込む……。下「」引用。

「衛生兵二人がヨイショと死体を死体置場に投げ込んでいました。
 何も言わない寝台に載せられ、治療室に運ばれていると思っていた重傷兵が、死体置場に運ばれているのに気がつかず、死体置場の間近になって気がつき、『僕はまだ生きているよー、まだ生きている、頼むから助けて、助けてくれー、僕は生きているよー』と言って泣き叫んでいるのに、ヨイショと言って投げ入れ、もう同情も何もない、ひとこともなく死体置場の戸を閉め、鍵を掛けて引き返すのです。手がない、足がない、半身やられてお腹がグチャグチャになったような重傷者でした」

「わが子の餓死」

「爆破された「轟の壕」」








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【絵本】きみがしらないひみつの三人

2010年05月30日 | 読書日記など
『きみがしらないひみつの三人』
   ヘルメ・ハイネ(作絵)/天沼春樹(訳)/徳間書店2004年

原書名 Der Club



こびとの3人。

表紙の3人ですね。

アタマはかせ、ハートおばさん、いぶくろおじさん。

それぞれ、あかちゃんのからだの部分にすむ……。

そして、それぞれの仕事をしているという……。

--ボクのからだには住んでいないと思うし、住んでほしくないと思う……。気の毒な気もする……。






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【絵本】なにがほしいの、おうじさま?

2010年05月30日 | 読書日記など
『なにがほしいの、おうじさま?』
   クロード・K・デュボワ(作)/
     河野万里子(訳)/ほるぷ出版2008年

おうじさまの名前はテオフィル。



にっこりしたことがないという……。

いろいろ、お医者さんにみてもらいます。

めしつかい(ちいさなへやがかり)が、ママがいないからだという。

おきさきさまは、ママをさがせと命令します!

ママは、おきさきさまじゃん!

封建時代は昔のことですが、今も封建的な人たちはいっぱいいますよ!

……困ったものですね。






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895 天使のメガネinヒロシマ その265 日本は組織犯罪優遇国家か?

2010年05月30日 | ライト小説
あかねさんシリーズ002
男が女de女が男


九、タイム・ゼイ・ワラ・チェンジング……




895 天使のメガネinヒロシマ その265
維新オリンピック構想 その78
日本は組織犯罪優遇国家か?


--民主主義の危機でござろうか……。

どうも、民意が軽んじられているでござるね。

--代議制独裁主義……。

そんなことばを思いつくでござるよ。

選挙で勝ったら、何をしてもいい……。

そんな感じがしてならないでござるよ。

--民主主義とは「自由・平等・博愛」……。

どこが、自由で、平等で博愛?

あきれるばかりでござるね……。

--テレビの討論番組をみていても……。

彼らの思いつくことがすべて……。

民意よりも、地方議員の多数派という……。

それで、民主主義なのでござろうか?

沖縄の米軍基地の委託をしたわけではないでござろうに……。

選挙で勝ったら、何でも、議員たちの思惑どおりにいくとは……。

--これを代議制独裁主義といっても不思議ではないでござろう……。

郵政民営化を争点とした選挙でも、国民は民営化に賛成していたわけではござらぬね……。

むしろ、反対の人が多かったというでござるよ。

--民意が間違っているなら、仕方がないとも思えるでござるが……。

しかし、それでも、きちんとした説明があって、しかるべきことでござろう……。

それもなかったでござるね……。

--高速増殖炉「もんじゅ」も、高度な政治などというけれど、そんなインチキな論法は、前政権だけのことかと思っていた。

この判断だけでも、民主主義ではない……。民主主義を愚弄した言葉でもある……。

勉強していないのは、大臣のほうだ……。

でたらめなことばかりやっている……。

それでは仕分けされた方もかわいそうだ。

それに国民受けはさほどないとわかると、血税がという……。

--よくいえたものだ。他党の議員も含めて、早急に仕分けを、聖域なく行うべきだろう……。

それを、政治ショーにしている、インチキさに国民はあきれているのだ。

--沖縄の問題も大臣たちは、好き勝手なことをばらばらいい、内閣として働きもしなかった。

外務省はアメリカのために働いていたという。これは前政権のときもそうだったという。

こんなことは常識だという。

橋本龍太郎総理は、沖縄のレイプ事件解決のために、外務省は役に立たないので、頭ごしに交渉したという……。

--いんちき政権は、マスコミを配下につけようとしているのか? いいなりになってきたのか?

政治主導というのは、いったいどこにあるというのか?

--議員独裁システムでは、これでは共産主義といわれても仕方がないだろう……。

これも、以前の政府もそうだったといわれることでござろう……。

--唯一の被爆国といいながら、大臣も送らなかった会議も終わった……。

そして、高速増殖炉を抑止力にする政府……。

--それとは、反対の考えがある「ストロング・デモクラシー」というらしい。

市民とは統治もするという……。ならば、日本にはほとんど市民が存在しない……。

議員独裁制度の下の奴隷たちがほとんどだ……。選挙の時だけの民主主義……。

これも、昔からいわれていることでござるね!








【資料など】

<2010NPT会議>閉幕
「前回より進歩」「妥協の産物」
被爆者ら評価と失望と





核廃絶、明確な約束 NPT
(中国新聞) - goo ニュース


NPT再検討会議が最終文書を採択
核軍縮へ行動計画(産経新聞) - goo ニュース


NPT合意の意味大きい=内容的には不満広島、
長崎両市長(時事通信) - goo ニュース


ストロング・デモクラシー-新時代のための参加政治-









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