あかねさんシリーズ002 男が女de女が男 001 一面でKOでOK! その日は、朝から屋敷の使用人たちが大騒ぎしていた。 「ええ、うちの茜お嬢様じゃないか」 スポーツ新聞の一面に、世界格闘技王者神鳥がノックダウンしている。 それだけでも驚きである。 しかも、そのうえに、 平手でたたきつけた素人女性と写真入りで載っていたのである。 「ひえー、すごいぞ、さすがお嬢様だわ」 と、大騒ぎである。 「何何……、神鳥の談話がすごいよ。おれのことを男だと思って痴漢と間違ったみたいで、いきなり平手でなぐってきて、殴りそうな女性には見えなかったから、こっちも油断していたんだよ。ちょっと世界格闘技王者としては情けないけど、誰にでも油断はあることさ。しかし、きいたぜ、あの平手!」 家政婦は、うなり声をあげて、 「さすが、わが屋敷のお嬢様、並じゃないわね。やるものだわね」 と、うれしそうである。 「でも、神鳥が本気になったって、このごろは対戦相手もおらず、向かうところ敵なしだった神鳥だったが、思わぬところに新たなライバルを見つけ、闘志を燃やしており、山ごもりをはじめという」 「えっ、お嬢様に挑戦状をたたきつけたってわけですか」 「そうらしいよ、世界格闘技女王神鳥にたいして、油断があったとはいえ、そんな行動ができるのは、うちのお嬢様くらいなものだよ。そう思わないか」 「思うわ、思うわ」 屋敷の連中は話に盛り上がっていた。 そのころ、茜は、 「遅刻よ、遅刻よ」 と、叫んで大学へ行く。 大学につくと、小一郎から、 「おーい、茜、これ読んだか?」 といって新聞を渡される。
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