『9条を輸出せよ!-非軍事・平和構築の時代へ-』
吉岡達也・著/大月書店2008年
オハイオ大学「第九条の会USA」・チャールズ・オーハービー教授。下「」引用。
「「アメリカに九条を」と実際に訴え、同時に「地球社会に九条を」と訴えている。-略-」
エリトリア・エチオピア戦争。「世界が無視する最大規模の国家間戦争」下「」引用。
「一九九六年、日本ではあまり知られていないが、アフリカのエリトリアとエチオピアの国境紛争が起きた。きわめて悲劇的な戦争で、朝鮮戦争、ベトナム戦争を除けば、国家間で起きた戦争としては第2次大戦後最大規模だと思われる。-略-
しかし、エリトリアとエチオピアの戦争は、完全な国家対国家の戦争だったのである。-略-」
「人道支援は「日本の常識」ではできない」
「「丸腰こそ安全」という「紛争地の常識」」 下「」引用。
「-略-私たちを引率していたカナダ軍の兵士が必死に「彼らは武器を持っていない!」と何度も叫んでいたのも目の当たりにしている。まさに「丸腰」であることが、彼らの暴力を思いとどまらせる説得力を持っているからこそ、そのカナダ軍兵士は私たちの「丸腰」を訴えていたのではないだろうか。-略-」
「丸腰で行くためには信頼構築が必要」 下「」引用。
「-略-たしかに危険は存在する。では、どうすればいいのか。
答えは「現地の人々に守ってもらう」だ。私たちの緊急救援や人道支援を必要としている人々、私たちの活動を受け入れてくれる現地の人々に守ってもらう。それが一番現実的で、安全で、理にかなっている。-略-」
常識のちがい「自衛隊は現地の人々の目にどう映るか」 下「」引用。
「-略-しかし「紛争地の常識」は全く違っている。たとえば日本人の兵士=戦士といえば「サムライ」であり「ハラキリ」。さらに第二次世界大戦の日本軍となれば「カミカゼ」のイメージが強烈にある。日本でも、マスコミのワイドショー的洗脳によって、アラブ人を見れば「自爆テロ」=危険というイメージを持つ人がいるかもしれないが、向こうから見れば、日本兵=「カミカゼ」=危険というイメージをもっていたとしても全く不思議ではないのである。-略-」
クラスター爆弾被害者……。下「」引用。
「アフガニスタンのカブールでは、クラスター爆弾の不発弾で足を失った義足の少女に出会った。困っていることはないかと聞くと、彼女は、はにかみながら小さな声で「結婚してくれる人がいるかどうかが心配」とつぶやいた。」
「自衛隊改め、「ヒューマン・セキュリティ・フォース」下「」引用。
「もうひとつのアイディアは、自衛隊が「国際救助隊」、すなわち日本版サンダーバードとして丸腰で災害緊急救護活動をおこなうというものだ。-略-」
阪神・淡路大震災時の自衛隊。下「」引用。
「-略-震災後三日目ぐらいだったと思うが、日没後間もないJR西宮駅前あたりで一○○人ほどのカーキ色の制服を着た自衛隊員が、巨大なビルの瓦礫の前で並んで、呆然と断ち尽くしている姿だ。
クレーンを操作している隊員一人だけが動いていて、残りの隊員たちは何もせずただ立っている。せわしく動きまわっていたNGOのボランティアたちとは対照的だった。おそらくは、大規模災害時における緊急救援活動の訓練が不十分だったからだろう。」
「国連は立派か」……。下「」引用。
「たとえば、朝鮮戦争にしても、実質は米軍とはいえ公式には「国連軍」と中国および北朝鮮の軍隊が戦争をしたわけで、「国連軍」に肉親を殺された中国や北朝鮮の人たちのなかには国連に対してシニカルな考えを持っている人がいても不思議ではない。」
水1リットルで約24万円の日本政府と、15円のフランスNGO。下「」引用。
「ちなみに、派遣費用も含めて計算するとサマーワで自衛隊が造っていた水のコストは一リットルあたりなんと約二四万円。たとえばパキスタンでの地震の被災者二○人分のシェルターがつくれて、それだけの人数が冬を生き延びることができる金額である。ちなみに同じくサマーワで水を支援をおこなっていたフランスのNGOの造水超すとは一リットル約15円とのことである。」
香田くんはなぜ拉致されたか……。下「」引用。
「香田くんは「非常識なバックパッカー」だったから拉致されたのではない。彼が「日本人」だったから拉致されたのである。そして、小泉首相は、憲法違反の政策に固執し、一人の日本人の若者を見殺しにしたのである。-略-」
【一部のみ】
「紛争は突然起こらない」
「殺し合いが始まる前に殺し合いを予防する」
「軍隊を市民社会に取戻す」
「平和に暮らせる社会」……。
積極的平和を訴える著者……。
「九条の価値は第二項にある」 下「」引用。
「しかし、世界で注目を集めつつあるのは第二項のほうなのだ。いま世界の切迫したニーズに合っているのは「軍隊をなくしていく」という理念であって、この二項の存在ゆえに九条は世界的価値を有している。」
マンデラと核兵器。下「」引用。
「しかし、マンデラ氏は自ら核兵器の保有を告白し、廃棄したのだ。アメリカ、イスラエルの政権担当者たちとマンデラ氏の間には、その行動と思想において本質的で長大な隔たりがあるというほかない。」
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吉岡達也・著/大月書店2008年
オハイオ大学「第九条の会USA」・チャールズ・オーハービー教授。下「」引用。
「「アメリカに九条を」と実際に訴え、同時に「地球社会に九条を」と訴えている。-略-」
エリトリア・エチオピア戦争。「世界が無視する最大規模の国家間戦争」下「」引用。
「一九九六年、日本ではあまり知られていないが、アフリカのエリトリアとエチオピアの国境紛争が起きた。きわめて悲劇的な戦争で、朝鮮戦争、ベトナム戦争を除けば、国家間で起きた戦争としては第2次大戦後最大規模だと思われる。-略-
しかし、エリトリアとエチオピアの戦争は、完全な国家対国家の戦争だったのである。-略-」
「人道支援は「日本の常識」ではできない」
「「丸腰こそ安全」という「紛争地の常識」」 下「」引用。
「-略-私たちを引率していたカナダ軍の兵士が必死に「彼らは武器を持っていない!」と何度も叫んでいたのも目の当たりにしている。まさに「丸腰」であることが、彼らの暴力を思いとどまらせる説得力を持っているからこそ、そのカナダ軍兵士は私たちの「丸腰」を訴えていたのではないだろうか。-略-」
「丸腰で行くためには信頼構築が必要」 下「」引用。
「-略-たしかに危険は存在する。では、どうすればいいのか。
答えは「現地の人々に守ってもらう」だ。私たちの緊急救援や人道支援を必要としている人々、私たちの活動を受け入れてくれる現地の人々に守ってもらう。それが一番現実的で、安全で、理にかなっている。-略-」
常識のちがい「自衛隊は現地の人々の目にどう映るか」 下「」引用。
「-略-しかし「紛争地の常識」は全く違っている。たとえば日本人の兵士=戦士といえば「サムライ」であり「ハラキリ」。さらに第二次世界大戦の日本軍となれば「カミカゼ」のイメージが強烈にある。日本でも、マスコミのワイドショー的洗脳によって、アラブ人を見れば「自爆テロ」=危険というイメージを持つ人がいるかもしれないが、向こうから見れば、日本兵=「カミカゼ」=危険というイメージをもっていたとしても全く不思議ではないのである。-略-」
クラスター爆弾被害者……。下「」引用。
「アフガニスタンのカブールでは、クラスター爆弾の不発弾で足を失った義足の少女に出会った。困っていることはないかと聞くと、彼女は、はにかみながら小さな声で「結婚してくれる人がいるかどうかが心配」とつぶやいた。」
「自衛隊改め、「ヒューマン・セキュリティ・フォース」下「」引用。
「もうひとつのアイディアは、自衛隊が「国際救助隊」、すなわち日本版サンダーバードとして丸腰で災害緊急救護活動をおこなうというものだ。-略-」
阪神・淡路大震災時の自衛隊。下「」引用。
「-略-震災後三日目ぐらいだったと思うが、日没後間もないJR西宮駅前あたりで一○○人ほどのカーキ色の制服を着た自衛隊員が、巨大なビルの瓦礫の前で並んで、呆然と断ち尽くしている姿だ。
クレーンを操作している隊員一人だけが動いていて、残りの隊員たちは何もせずただ立っている。せわしく動きまわっていたNGOのボランティアたちとは対照的だった。おそらくは、大規模災害時における緊急救援活動の訓練が不十分だったからだろう。」
「国連は立派か」……。下「」引用。
「たとえば、朝鮮戦争にしても、実質は米軍とはいえ公式には「国連軍」と中国および北朝鮮の軍隊が戦争をしたわけで、「国連軍」に肉親を殺された中国や北朝鮮の人たちのなかには国連に対してシニカルな考えを持っている人がいても不思議ではない。」
水1リットルで約24万円の日本政府と、15円のフランスNGO。下「」引用。
「ちなみに、派遣費用も含めて計算するとサマーワで自衛隊が造っていた水のコストは一リットルあたりなんと約二四万円。たとえばパキスタンでの地震の被災者二○人分のシェルターがつくれて、それだけの人数が冬を生き延びることができる金額である。ちなみに同じくサマーワで水を支援をおこなっていたフランスのNGOの造水超すとは一リットル約15円とのことである。」
香田くんはなぜ拉致されたか……。下「」引用。
「香田くんは「非常識なバックパッカー」だったから拉致されたのではない。彼が「日本人」だったから拉致されたのである。そして、小泉首相は、憲法違反の政策に固執し、一人の日本人の若者を見殺しにしたのである。-略-」
【一部のみ】
「紛争は突然起こらない」
「殺し合いが始まる前に殺し合いを予防する」
「軍隊を市民社会に取戻す」
「平和に暮らせる社会」……。
積極的平和を訴える著者……。
「九条の価値は第二項にある」 下「」引用。
「しかし、世界で注目を集めつつあるのは第二項のほうなのだ。いま世界の切迫したニーズに合っているのは「軍隊をなくしていく」という理念であって、この二項の存在ゆえに九条は世界的価値を有している。」
マンデラと核兵器。下「」引用。
「しかし、マンデラ氏は自ら核兵器の保有を告白し、廃棄したのだ。アメリカ、イスラエルの政権担当者たちとマンデラ氏の間には、その行動と思想において本質的で長大な隔たりがあるというほかない。」
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