『裁かれた戦時性暴力-「日本軍性奴隷制を裁く女性国際戦犯法廷」とは何であったか-』
VAWW-NETジャパン・編/
西野瑠美子、金富子・責任編集/白沢社2001年
大手マスコミの報道姿勢が実に異常ですね。
その裏に政治家あり……。
父が首を切られ、トマサ・サリノグさん(フィリピン人)の証言。
「女性国際戦犯法廷」を開く原点は、正義……。下「」引用。
「-略-名乗り出た各国の多くの元「慰安婦」は、無念を晴らすこともできずに相次いで亡くなった。「責任者を処罰せよ」という絵を描き残して九七年逝った韓国の元「慰安婦」姜徳景(カンドクギヨン)さんもその一人である。「女性国際戦犯法廷」を開く原点となったのは、まさに、正義を求め続けた姜さんのその一枚の強烈な絵であった。-略-」
東ティモール、マレーシアからも証言者……。
正義……。下「」引用。
「女性国際戦犯法廷が、被告が「死者であるから裁けない」のではなく、「死者であっても裁かなければならない」と考えたのは、それが復讐ではなく正義(=被害者の尊厳の回復)を目的にしていたからである。「法廷」には被害各国から六四名のサバイバー(性暴力被害者)が参加し、原告になった女性たちは証言台に立って自らが受けた被害体験を語った。」
未成熟な少女。下「」引用。
「生理前にの未成熟な少女の性器を切り開いて強かんしたという話は、たびたび聞かされるものである。性奴隷化は、身体の略奪であり、女性の性的意志決定権の無力化である。」
調査もすすむ……。下「」引用。
「山西省の調査の進展や一九九九年に設立された上海師範大学中国慰安婦研究センターなどの調査により、中国各地の慰安所の状況がわかってきた。さらに当時の天津特別市政府の警察資料が公開され、都市部において日本軍がかいらい政権を利用して女性を徴集していたシステムが解明された。」
「一億総懺悔」 下「」引用。
「敗戦直後天皇主義者たちは日本「国民」に対して天皇に敗戦の懺悔せよと「一億総懺悔」を要求した。こともあろうに旧植民地出身者までもふくめてであった。」
もくじ
勧告を受けた日本。下「」引用。
「一九九五年四月の現代奴隷制作業部会は、国連がアジア女性基金(日本政府肝いりの民間基金、正式名称・女性のためのアジア平和国民基金)の設立をこの問題の解決と見るかどうかの分岐点だったが、「第二次大戦中に性奴隷とされた女性の問題に関して」初めて日本政府を名指しし、行政的審査会設置による解決を勧告した。同年八月人権小委員会はこの勧告を受け入れる決議を採択した。この段階で、「性奴隷」が日本問題であることが国連決議の上でようやく定着した。」
「沈黙する日本のメディア」 下「」引用。
「同紙(*読売新聞)は「法廷」が開かれたという事実すら一行の記事にもせず、「法廷」の存在を完全に黙殺した」
理由はネオ・ナショナリズムと組んでいる。推論……。下「」引用。
「はなから天皇有罪を伝えるつもりなどない国内紙は、「法廷」を報道すること自体を放棄してしまったのではないだろうか。
残念ながら、こうした推論をこれ以上深く検証していくだけの材料が手元にない。しかし同時に、読売のようなメディアにあっても、決して全国、全セクションで一元的な情報管理が行われているわけではないことにも注意しておく必要がある。-略-」
加害と「祈り」……。下「」引用。
「指紋押捺の強制に苦しむ在日韓国・朝鮮人の方の話や、筑豊の炭坑に強制連行された人の話は教科書にはまったく書かれていないことでした。長崎の原爆についても日本の加害と裏表なものですから、ただ「祈りのナガサキ」だけでいいのかと意識させられました。」
目次
右翼の激しい「抗議」
NHK「番組改変」の裏に、政治家の圧力。
「ETV2001シリーズ 戦争をどう裁くか」特集の第二回「問われる戦時性暴力」改変。
「改竄」×「捏造」○ 下「」引用。
「
秦郁彦のインタビューがVTRで流れたあと、スタジオの出演者がこれについて反論やコメントを何もしないままであるならば、視聴者には、出演者が秦郁彦の発言を肯定したと映るだろう。-略-また、もし仮に米山が第二回目の改変を知らされずに、新たに収録された
町永アナウンサーと高橋の発言部分に、存在しないはずの彼女の映像がインサートされているとすれば、これも、通常の編集作業におけるインサートとはまったく性格の異なる「捏造」だと言えるのではないだろうか。」
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もくじ