磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

体温計

2005年11月17日 | 短編など
体温計

体温計 脇にさして
きこえる 命のリズム

早く 早く リズムをうつ
元気になりたいんだ

小さく軽く 熱く 熱く
生きたいんだ 命


わかっているよ
冷静になるんだ!

命のリズムは途絶することなく続いてる
暑い夜をすごす

君に残るものは何
君がつかむものは何
君が愛せるものは何
君は何が思える
君は何をつくりだす
命のリズムが問う
何 何 何……







【本人評】若いころ、よく熱を出していました。
まあ、こう考えると楽しいこともあったし、
せかされる気分にもなることもあったことでしょう。

人の感情も自分の感情もいつも同じではないですよね。
人間は感情の動物です。
感情を大切にして生きてゆきたいものですが、
感情は時にはやっかいな時もありますね。

ご自愛しましょうね。
この言葉は若いころは理解できませんでした。


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もくじ[その他]

環境と人体

2005年11月17日 | 読書日記など
『ライブラリー・環境問題 環境と人体』
         原田正純・著/世界書院2002年



著者は長年水俣病を見つめてこられた医学の学者のようです。
1990年より熊本学園大学社会福祉学部福祉学科教授をされているようです。

この本は生理学的なことも教科書的なことが書かれてあります。
知っていることが多く、すらすら読めました。
その分野の知識がない人には読みづらいかもしれないとも思いました。
公害のことも、あまりにも広い範囲のことが書かれてあり、
消化不良になること間違いなし。
この方の講義を受けてこその教科書かもしれないと思いました。

しかし、この著者の学者としての信念は多くの人に知っていただきたい。
特に学者の卵の方には読んでいただきたいと思いました。

以下は引用です。


「それに応えるために私は環境問題研究の基本を次のように考えたい。それは私の水俣はじめ現場を実際に歩き回った結果からくるものである。
 第一に先に述べているように「バリアフリー(境界不鮮明)の学問」であると考える。学閥、学会や専門領域をこえて研究することが必要である。とくに重要なことはいわゆる「専門家」といわゆる「素人」の壁をこえていく学問、市民を巻き込んだ学問と考える。真の専門家は素人と言われる人の知恵から学ものであるという信念を持っている。それは実際、環境問題を取り組む中で素人と言われた人の方が正しかったことをしばしば経験したからである。
 第二には「現場を重視する学問」である。問題の真実も解決策も全て現場にある。とくに環境問題は現場から学ぶことが必要不可欠である。現場を離れたために立派な仕事をしてきたその道の専門家が現実が見えなくなった事例をいくつか経験している。
 第三に「いのちを大切にする学問」である。新潟水俣病の時、胎児性患者を出さないために子どもを産まないように指導した。また、ベトナムでは多発する先天異常児のために早期発見の技術を求めていた。環境の研究はいのちを抹殺するためのものではないことは明らかである。しかも障害の存在を否定する学問であってはならない。
 第四に「弱者の立場に立つ学問」である。公害の被害者は常に弱者であった。胎児、乳幼児、老人、病者など生理的な弱者、社会的に弱い立場にある人々に被害が集中する。したがって、一方に権力があり、一方に被害者があるとき科学的(学問的)中立とは弱者の立場(反権力)に立つことである。
 第五に「独立した自由な学問」である。環境問題は時に国策と対立することがある。したがって、権力にとりこまれることなく、自立・独立しなければならない。そのためには時には権力と激しく対立することも必要である。全てに何でも反対するものではないが、緊張関係を権力と保つことが学問を堕落させない一つの重要なことである。
 本書は多岐にわたっているため個々の事件に就いて概略を述べただけになっている。したがって、当時者にとっては不満が残るに違いないし、彩りこぼした事例や問題も多い。しかし、本書が若い人にとってほんのささやかであるが環境学の新しい出発点(入門書)になれれば幸いである。」


もくじ[環境問題]

D060.王様は乞食

2005年11月17日 | 【小説】 レインボー...
V.あい色の部屋(虹の世界)

D060.王様は乞食





「わたしは……、王様じゃありません」
 と、その男は顔をふせた。

「あなたは、王様よ。私は忘れないわ」
 とユリカは自信をもって話した。

 裁判なんかには負けないわと、ユリカは心の中でそういった。

 王様は
「商売のじゃまをしないでおくれよ」
 迷惑顔で弱々しい感じだった。

 カールは「商売?」と落ちついた口調で言った。

「そうとも。右や左のだんな様。あわれな乞食でございます。どうか、めぐんでくだされー。これがわたしの商売だ」
 王様の声は震えていた。

「本当、王様は乞食のゲームみたい。友達が話してたけど人生なんてそんなものよって……」
 ユリカはゲームでは楽しいけど、実際ならおもしろくないかもと思った。

「そんなことはないさ。狂った世の中だけ、そんなことをいうのは」
 カールはほとんど人間の世界はそうかもしれないとも思った。

 ユリカの後ろから、小さな女の子の声で聞こえる。
「おじいちゃん、あの人にお金あげようよ」
「だめだ」
 燕尾服を着た紳士が叱りつけた。

 その顔に見おぼえがあった。ユリカはすぐにわかった。
「あなたは、王様に使えていた召使のバトラーじゃないの」

「なにをおじょうちゃん、言っているのですか。この世は、民主主義ですよ。王様なんて、旧石器時代の話なんて知りませんよ」
 バトラーは明確に明瞭に返答した。

「旧石器時代には、封建制度はなかったはずだ」
 カールは威厳をこめて反論した。
 でもバトラーは相手にしかなった。

「王様は悪い人なのよ!」
「どうして?」
「みんながそう言ってるもの、学校でも習ったわ」

「じゃ、それについていた人はどうなの?」
「そんな人も悪い人だわ」
 遠慮なしに子どもは答えた。

「でも、気にすることはないさ。私はボーナス・ポイントを使い果たしただけさ」
 と王様は話した。

 王様は王様という名前であるから、乞食になっても王様と呼んでもおかしくないのだ。といっても、やっぱり可笑しいか……。

「おじいちゃん、この人にお金をめぐんでやろうよ」
 と女の子は言った。女の子は別段意地悪というわけでもないようだ。

「おまえまで、何をわけのわからないことを言うんだい」
 バトラーは真っ赤な顔をして孫を叱った。いいえ、この世界には赤はなかったので、濃い群青色になって叱ったのだった。





閑話休題

歴史というものを考えるとき、
やはり時代はかわるということですね。

毎日毎日、似たような日常を繰り返していると、
そんなことを考えることはできないようです。

いい方向に変わるように、
みんなでがんばりたいものですね。

さきほど、ラジオで「ちかごろの青少年の
犯罪は強くなろうとしておこなわれたものがおおい。
強くなくってもいいという肩の力をぬいたほうがいい」
というアドバイスは大切と思います。

その場の強さを新撰組のように求めるよりも、
将来のことをみこした坂本龍馬のような人に
なっていただきたい。






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