絵に面白いものがある。
広島の絵だ。あの絵はお化けみたいに人を描いてあった。
人の目をさそうけれど、あの絵はほんとうにつまらない。
あの人の思うところの浅さが、あの絵にあらわれているからだ。
あんな絵を見て、誰が悲しく思うものか、人を脅かすために書かれた絵が。
人はとかく感傷をきらうからかもしれないが……。
あんな底の浅い絵をとりあげている出版社はアホか金銭主義者だ。
善意の逆利用とでもいえる出版物だ。
あんなものを見て涙するように人の心はブロック塀だ。
キチキチと積上げられたしかけに興ずるアホだ。
それに比べて市民の人の絵は素晴らしい。
字もすばらしい、そんな事は他の人にはわかるまい。
感覚が違うのさ。
しかけに興ずる人たちはわからないんだ。
市民の人の言いたい、死んだ人への感情、思慕、今なお残る愛。
そんなことはわからないブロック社会の人には市民の人の絵の心をくむことはできない。
市民の方の絵はすばらしい!
なぜなら、自分の功名心ではない!
また技量を誇ろうとするものでもない!
人を人らしく書き(当たり前だが……)
金儲けではなく(市民運動)
意志をつげようと精一杯努力されている!
絵に私のような肉筆がある!(絵本なんていうのも、こういうふうにしろ!)
それに比べてあの絵は発狂を演じているヒトラーのようだ。
ある種のヒトラーだ。
だから、ああいうのを出版社は好むのだ。
しかけなぞ、人の心の奥には通じないぞ。○○!
もっと下手さを表に出してもかまわない。
心だ、○○!
しかし、ヒトラーの甘味さもわからないわけではない。
だが、人を人たらしめない外道だ!
おまえの貴重な人生をそんなものに費やすな!
【本人評】
若い頃に書いた作品です。
他者に理解していただくためには、仕掛けも必要のようにも思います。
少しは人間的に成長したのかもしれません。
若い時の自分にくらべまして……。
しかし、このような心も忘れたくもありません。
○○は僕の名前が書いてあります。
ありがとうございます。
--平和のために--