磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

先端科学技術と人権

2005年11月10日 | 読書日記など
『先端科学技術と人権』
   ドイツ憲法判例研究会・編/
    編集代表 栗城壽夫・戸波江二・青柳幸一/
            信出社出版株式会社2005年



明治時代に日本がドイツの憲法をとったのは、
天皇制を維持するためだけとは私には思えません。

都合のいい時には国際法といいながら、
都合が悪くなれば武力行使や経済制裁をする。
大国のエゴイズムに直面することを理解した
人たちが、ドイツを模範にしたのが正解だと私も思います。


一つのことを考えるといろんな問題が生じるものらしいです。
法律学というものは、多種多様なことを考えねばならないようです。
例えば、実験動物にかかわる法律もかなりあります。

43ページを引用します。

「たとえば、動物を保護する行為は、基本権で保護された行動様式であることもある。例として次の場合を想像してみよう。
・学生が動物実験に参加することを拒否する権利(良心の自由)、
・動物愛護者が動物保護団体の集会に参加する場合(集会の自由)、
・市民が動物実験に反対する声明を公的におこなう場合(意見の自由)。
ほかの例も難なくあげることができるだろう。

反対に、多くのケースでは、動物保護は基本権の行使を制限することができるのか、どの程度できるのかという点が問題となる。ここでも若干の例をあげてみよう。

・宗教上の理由から、動物が犠牲として捧げられる場合(信仰の自由)、
・研究者が動物実験をおこなう場合(学問の自由)、
・芸術家が芸術活動で動物を使用する場合(芸術の自由)、
・養鶏業者が卵の販売で生計を立てている場合(職業の自由)、
・養豚業者が豚をする場合(所有権の自由)。
 こうした多くの例にこれからも立ち戻ることになるだろうが、まずはじめに(後述二では)現行憲法上の動物保護の位置づけについて説明することにしよう。その次に(後述三において)動物保護と基本権行使との関係を詳述し、締めくくりの前に(後述四で)「動物保護」の国家目標規定を基本法に受容した場合に、どんな効果が引き起されるかという問題を検討することにしよう。」



この本は深く考えられ書かれていることをご理解していただけると思います。
この本ではさらに、日本の法曹界の異常さや、教育制度の欠陥をも
書かれてあります。

日本とドイツを比較した場合、日本には豊かな環境が残っていると
書いてあります。それは山間部がおおかったため、開発されなかった
というのが原因であろうと思います。

環境は人権の問題でもあります。

本の内容とは関係ありませんが、
アメリカが中心となったナチス・ドイツの裁判で、
「人道の罪」といって裁きました。
この名によって、ブッシュ大統領もクリントン大統領も
裁きをあたえるべきだであり、
「環境の罪」というのも、新たに創設して、
逮捕していただきたいと他の文書で書く方がおられました。

二重スタンダードがあるかぎり、国際紛争は終わるわけがありません。
この原因の多くは米英であり、中東ではないと書く人はけっこう多いです。

もくじ[文学・哲学・法律]

D053.王様は二重人格!

2005年11月10日 | 【小説】 レインボー...
IV.むらさき色の部屋(虹の世界)

D053.王様は二重人格!





 ユリカは落ちついて、
「そこにバイオレット……」
 そう言うと、人々は恐怖に顔がひきつり、目を大きく見開いた。

 王様は、王様のすわっていた椅子を持って駆けだして行った。召使たちも、板やうちくだいた壁を持って、駆けだして行った。ユリカのまわりは埃だらけになっていて、一メートル先も見えなかった。目にしみる埃もやっぱり、むらさき色だけだった。

 ユリカは目の前を歩く女の人に、
「いったいどうしたの」
 と尋ねた。

「あなたのせいよ」
 白い目でユリカのことを見ていた。

 王様が、かごにナイチンゲールを入れていて、
「もう一つの法律だ。きみが呼んだのだぞ。わしゃ、何もしらん」
 ユリカは
「王様は、国民の父のような人なのでしょう。じゃ、ちゃんとしてよ」
 と、せっついた。

 王様は
「そうだとも、しかし、きみは国民じゃないし、わたしの法律では、こんな時は逃げることになっている。失礼、失礼」
 と王様は絹のハンカチをパタパタと振ると、丁寧にお辞儀してからもくるっと向きを変えると、駆けだして行った。

 さきほどの力の強そうな男の一人が「失礼」と言ってユリカを持ち上げた。

 それから、ユリカは柔らかい土の上に下ろされた。そして、男は床の大理石をもって走って行った。みんなはどこかに行って見当たらなかった。建物の石ひとつも、あの池さえもなかった。草がぼうぼうとはえた田舎の景色があるだけだった。

 石をもって行くのはわかるけれど、池をどうして持って行ったのかしらとユリカは不思議に思った。

 まるで、回り舞台の背景の変化のようだった。でも、これは劇の舞台ではなく現実だわとユリカは考えた。ユリカは、驚いてしばらくは声を出すことも忘れていた。

 目を何度もパチクリさせてから
「王様、どこに行かれたのですか」
 と叫んだ。

 あたりは静かでだれもいなかった。またユリカは一人ぼっちで、都会育ちのユリカにとっては、この静けさは騒音よりも落ち着けず、ストレスに感じた。

 大きな岩の上にすわり、
「こんなところに一人でいるなんて、いや~だわ」
 頭をかかえた。




閑話休題

色にはそれぞれ心理学的にみて、
意味があるそうです。
赤は燃えているとか、
普通に感じると思います。

この話を考えているとき、
それぞれの色の性質を考えてみました。

日本画の先生は、見たものをそのまま書いてはいけないと
教えてくれました。

色もいろいろつかうと、何を伝えたいかわからないから、
気持ちによって使いわけなさいといわれました。

一色(※白と黒は除く)だけで書いたとしても、
他の色を感じさせることもできると、
教えてもらいました。






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[レインボー・ループ]もくじ









ロウ石の飛行士

2005年11月10日 | 短編など
ロウ石の飛行士

もらい子のタケルはいつも一人で遊んでいました。
ポケットのなかはに蝋石が一個。
いたずら書きをするのが大好き。

壁にへんてこりんな顔をいたずら書き、
それを座り込んでながめていた。

壁にへんてこりんな絵。
それは男の人のようであった。

その絵がタケルにはなしかけた。
「タケル」
「うーん?」
「君がかいた、父さんの顔だよ」
「……」

「あはは、君が僕たちに顔をかいてくれたから、しゃべられるんだ」
「そう、ぼく、男の子だから驚かないよ」
「きみはいつも一人ぼっちだね」
「勝手だろう」
「おいおい逃げるなよ」
「逃げる? ぼくがそんなことするわけないだろう」
「それなら、ここにいて話そうよ。人間の友達をもつなんて、
はじめてだからね」
「友達、そんなものいらないよ」
「どうして」

「僕はこの蝋石があれば文句はないんだ」
「そう」

何か言い返してくるかと思ったのに、タケルは拍子抜け。

タケルは板塀に蝋石で飛行士の絵をかいた。
「おい、タケル」
「何だよ」
「おまえ飛行士になるのか」
「ああ、そうだよ。そして空に蝋石で絵をかくんだ」

「あはは無理だよ」
「うるさい」

タケルおまえが何だか、蝋石の絵のように、
雨に流される気がするよ。








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核テロリズムの時代

2005年11月10日 | 読書日記など
『NHKスペシャルセレクション 核テロリズムの時代』
     NHK広島「核テロ」取材班/日本放送出版協会2003年



欧米と中東の関係はわれわれは欧米の考えしか、
伝え聞いておりませんし、かなり曲折されています。

しかし、テロリズムは日本にも起きる可能性がないとはいえません。

このNHKの出版物は2003年3月1日、NHKスペシャル
『追跡 核テロリズム防止最前線』として放送されたものです。
この番組も見ました。

見ましたが、ビデオにとるほどではありませんでした。
資料の読み込みが甘いと僕でも思いました。
見聞録なら許されるだろうけど、これは小説でもないし、
ジャーナリズムなんですよと、ぼやきたい気持ちになりました。
NHKは法律で視聴料を無理やりとっているのですから、
もっと真剣にやってもらいたい。

「アンネの日記」関連の放送をNHKはやっています。
「ナチス・ドイツ」についても外国のドキュメントをよく
放送してくれるのはありがたいものです。
多くをビデオにとって、何回か見てもいます。

それに比較して、ドキュメンタリーとして
甘いとしかいいようがありません。
これを鵜呑みしてはいけないと思います。

これよりも、やはり現実はもっと厳しいものと思います。

されど、「アメリカの二枚舌」などと
主張されているのは、さすがNHK広島と
書いておきたいと思います。
まだまだがんばって頂きたいと思って書きました。

内容としては平凡なもので、
アメリカの9.11事件後の核テロリズムの
恐怖を描いたものです。
他のマスコミでもこのようなことは伝えています。

日本の現状も書くべきだったように思います。
原発があるのですから、当然その危険性はあると思います。
続編でもお願いしたいくらいです。

しかし、権威がいえば、そのまま鵜呑みする
ようなのは止めていただきたい。
過去のNHKの先輩を見習ってほしいものです。






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