磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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D061.お金持ちは賢く偉い!

2005年11月18日 | 【小説】 レインボー...
V.あい色の部屋(虹の世界)

D061.お金持ちは賢く偉い!





「いったい、あなたって人は」
 とユリカはバトラーに怒っていた。

「そこのお嬢ちゃんも、マリもよくきくんだ。わたしは、大銀行の頭取だ。お金は生き金と死に金がある」

 ユリカは、怒っていて
「そんなこときいてないわよ」
 と、かなり怒っていた。

 でも、バトラーはそんなことは気にしないで、
「おじょうちゃんの家は、賃貸かい。お金を払って、住まわせてもらっているのかい。賢くない人はそんな目にあうものだ。いいかい、金は物を言う、物を言うから、人は耳を貸すものだ」

 ユリカは怒って反論する。
「そうよ、賃貸マンションに住んでいるわ。でも、住んであげてもいるわ、お金をちゃんと払っているんだから。それに、お金は何も話したりはしないわ。お金はお金よ。わかる?」

 ユリカの剣幕にバトラーは驚いていた。しかし、蝶ネクタイを直して話し出した。
「そうか、よくおきき。きみたちはいるだけで、そうやって、お金を払わなければならない。ところが、大家はいるだけでお金が入ってくるんだ。聖書にはこう書いてある『もっているものはより多くもち、もたざるものは、よりもたない』となー。つまり、我々は神の人であり、君たちは雑草みたいなものなんだよ」

 王様は皮肉をこめていう。
「聖書の時代は民主主義だったのか?」

 バトラーは、眼鏡をキラリと光らせ、王様を見下してから、
「このお金も銀行に預ければ、働いてくれて、利子というものをうむ。民主主義とは、そういう自由な社会のことをいうんだよ」
 と笑い返した。

「マリ、貯金しているわ」
 にこりと笑った。

「いい子だ」
 バトラーは孫のマリの頭をなでた。

「この乞食に与えては、お金は死ぬが、貯金をすれば、生きるんだ」
 ユリカとカールは何も言えなくって、首を横にしていた。乞食になった王様は、頭をうなだれていた。

 世の中はなんて、不公平なんだろう。そして、いつもその不公平をつくりだしているのは、お金というものではないだろうかとユリカたちは思っていた。

「土地を買ったか。土地の値段は下がることはない。どんどん土地を買うのだ。土地を担保にして土地を買うのだ。そして買った土地を担保にして、土地を買うのだ。土地はどんどん値上がる。値上がりはするが、下がることはないのだ」
 頭取は威張っていた。

「そんなことは、あるはずがない。身勝手な人がマネー・ゲームをしているだけさ」






閑話休題

お金は大切ですね。

しかしお金がすべてになったら寂しいものですね。

お金がいっぱいあったら、ずっと生きていける……。

そんな妄想までもってしまう人がいるようですね。

聖書ではお金持ちを優遇するよりも、

カエサルものはカエサルにと書かれてあります。

お金持ちだから偉いとは書いてありません。

でも、実際の教会はどうでしょうか?

地蔵盆はいいものですね。

人情の残っている下町って、

とても素晴らしいように私には思えます。







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2 コメント

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現役 (雨漏り書斎)
2005-11-18 20:58:05
の頃は、「今の5割増しの収入だったら、どれだけいいだろう。」と思ったものでした。

思い続けてン十年、もう諦めましたがね。
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雨漏りはん (鱧男)
2005-11-18 23:32:22
かなり美味しそうなもん食べてはって……。

そのうえ書斎持ちときたら、

そりゃ、私らから見たら天国でっせ(^^)

うらやましい……。
返信する

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