磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

七色の絵ノ具

2005年11月22日 | 短編など
七色の絵ノ具

今日はあいにくの小雨でさあ、外に遊びに
出るのはやめました。

「あー、つまんないの」
の漫画本は顔の上にのせて、
ウワァーと大きな伸びをしました。

「これで、この本も終わり、つまんないや」
立ち上がって、
「そうだ、納戸へ行ってみよう」
ヤスオくんは二階にある納戸へ行きました。

「ガラー」
木戸をあけました。

「あれ、小窓空いてるよ」
と、外の雨をいまいましそうに見て、小窓をしめました。

「ガチッ」
電燈をつけました。
ここは丸い裸電球です。
ブラーン、ブラーンとゆれていました。

「あれ、これなんだ」
とヤスオ君は見たことのないものを発見しました。

「魔法の七色の絵ノ具。なんだ、こりゃ」
ヤスオ君は階段をおりて、机にむかいました。

「よし」
パレットにその絵ノ具を出してみました。

「ふん、なんだ。手品の絵具じゃないぞ」
ヤスオ君は口をとんがらかせて考えました。

「これは、きっとハイウェイから落ちてきたんだ。
あぶないなあー」
そんなことがあるわけがないのに、何となく
ヤスオ君はそんなふうに思いました。

そしてヤスオ君は筆で何か絵を描こうと思いました。
「あーん、青の絵具は使わないんだ」
筆についた青の絵具をバケツの水で落とそうとしました。

さあーと、青の絵具がバケツに広がりました。
すると魚の背びれが見えました。

「あれ」
ヤスオ君は絵具をまたバケツに入れて見ました。

「あれ、おかしいぞ!」
ヤスオ君はへんな気持になって、腹立ちまぎれに
全部の絵具をバケツに入れてかき混ぜましたが、
いくら、混ぜても七色は一緒にならないで。
くるくる回るだけでした。
「つまらない」

玩具か何かないかあなーと
納戸のなかを調べます。

「こんにちはー」
玄関を叩く音が聞こえました。

「誰だろう」
ヤスオ君は走ってゆきました。

「いやー、コンパラガチャッ」
「コンパラガチャッ?」
ヤスオ君は聞いたことのない言葉なので、首をかしげました。

「あっ、ごめんなさい。ここは日本だったわね」
「あなたはだれですか?」
「私ですか。魔法使いのようなものだけど、
絵具を落としたのよ。これがないと大変なのよ」

「そう……」
「この七色の絵具をつかって、お天気の仕事をするのよ」
「どんなお仕事?」

「あら、きちんと準備しておいてくれたのね」
ヤスオくんのバケツを見てそういいました。

「じゃ、そろそろ雨が止みそうなので、外にでましょう」
「うん」

魔法使いがバケツの水をさっと、空にぶちまけました。
きれいな大きな虹がうまれました。



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【本人評】イメージとして書いただけの話です。

D065.エリートはすばらしい!

2005年11月22日 | 【小説】 レインボー...
V.あい色の部屋(虹の世界)

D065.エリートはすばらしい!





「これだから、悪代官を産むんじゃ。民主主義というなら、どういうふうになっているか、市民に知らせなさい。情報を公開しなさい! 都市長、あなたは本当は何も現状を知っていない馬鹿者じゃないのですか」

「報道か、報道は報道省にまかせてある。テレビを見たまえ」
 明るい社会、素晴らしい世界と、豊かな社会、景気のかじ取りもうまくいっている。どのチャンネルを回してもそんなことばかり言っている。

 そして、この国の敵国の悪口ばかりを並べ立てている。

 隣の国はひどい独裁者の国、また反対側の隣の国は一部の人間が傲慢にしている国である。われわれは何と幸福なことかと信じさせようとする。

「情報は情報省にまかせてある。君は暗い話を聞きたいかい。聞きたくないだろう。その通りだよ」
 ユリカは返事なんてしていない。もちろん、他の誰もしていない。でも、誰かが賛同したように話している。

「この世界は素晴らしい、そう思っていると確かに、この世界が素晴らしく感じるものなんだよ。この世界が豊かに思うと確かに豊かに感じるんだよ。わかるかねー」

 これでは政治というよりもカルト教団がマインド・コントロールしているようだ。

「心の中では白も黒と思えば白くなる。それが優秀な人の言うことなのだろうか」

「君たちのいうことは、まるでヒトラーみたいじゃないか。自分たちの意見を通せればいいと思っておる。お金のことはお金省、宣伝は宣伝省、報道は報道省と、みんなで協力しあっているんじゃよ。それをまあ、身勝手なことをいう奴らだ」


「どこの省も国の機関なのに、国のことを考えずに省のことばかりやっていて、何を協力して運営しているといえるのだ」
 司馬遼太郎に似た老人は怒っていた。

「まったく! この変人どもにはまいるなー。豊かな世界だと思いたまえ! ほら、そうすれば、豊かになるだろう。暗いことばかり考えていたら、諸君らのように変人になってしまうんだ。わかるかね。お金のことはお金省、報道のことは報道省、エリートがきちんと運営しているんだから安心したまえ!」

「子どもにはゲームが教育に悪いといいながら、あなたたちは人生をゲームにしているじゃないか。人間のことも人間と思わず、ゲームをしているだけじゃないか。基本的人権なんて、そんなゲームをしている人たちにわかるものじゃないし、子どもが気分転換で楽しむゲームをどうしてそんなに非難できるんだ! あなたたちの方がずっと悪い!」

「何をほざいているか、まったく、あきれたものだ。負け犬どもめ!」

 執事はさっさとエレベータに乗り込んでいった。

 白髪の老紳士は
「いい仕事をしてから、エリートと誇ってほしいもんだ……」
 と、ため息をついていた。


 しばらくして、カールは「これから、どうしょう」と悩んでいた。

 王様は、地下鉄に乗って、ある家に行けば相談にのってくれる人がいると教えてくれた。

「地下鉄に乗りたくても、お金がないの」
 ユリカは困っていた。

「少ないが、これを進呈しよう」
 王様はお金をくれた。





閑話休題

官僚主義の弊害は、昔からあったと
司馬遼太郎は書いています。

特に陸軍の官僚主義はひどいものだったと、
司馬遼太郎も戦車に乗っていた日本兵だったから、
感慨をこめて、そう述べられています。

いじめは昔はなかったなどと言う人もいましたが、
陸軍ではかなりひどいイジメがあったそうです。
それで自殺された方もおられたそうです。
しかし、自殺ではなく名誉の戦死と、
遺族には伝えられたそうです。






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土の生きものと農業

2005年11月22日 | 読書日記など
『土の生きものと農業』
    中村好男・著/創森社2005年

土壌生物がいかに人類のために貢献してくれているかを
教えてくれる一冊ですが、この著者はミミズの悪行なることさえ
書かれていて良心的な方であると思いました。

しかし、圧倒的に土壌動物がいなければ、
相も変わらず人類は生きていけません。



ミミズが卵を守る働きをすることは知りませんでした。
ミミズも愛情があるのだろうかとふと思いました。

この本では環境についても書かれています。引用します。

「健康な土壌園を創造する栽培法は、健康な作物を育て、さらに栽培する人の健康にも良い。
 真夏の農薬散布は熱くして重労働であるし、散布者の健康にもけっして良いとはいえないから、農薬を吸い込んだり、触れないように神経をつかう。さらに周囲への飛散に配慮せねばならないし、危険な作物を栽培しているような後ろめたさいを感じる人もいるだろう。
 化学薬剤を用いた作物の出荷には厳しい条件が課せられているが、残留農薬が検出されて廃棄去れることもしばしばだ。「残留農薬が少ないので、この農業は安全だ」と言う人もいる。しかし、それは散布した薬の大半が大気、水系、土壌に拡散し、その結果、海、湖、川に棲む魚介類を汚染していることを注意しておきたい。
 それに対し、健康な土壌園から栽培される作物は栄養価が高く、長期保存しても組織が崩れにくくなる。保管費用も軽減される。さらに土壌園にはしだいに多様な土壌動物が多数生息するようになる。
 健康な土壌園は、人や土壌動物、環境にもやさしいのだ」

土壌生物がいかに、貢献しているかの
実験も書かれています。下の二枚の写真をみてください。
肥料だけでなく、ミミズがいれば実に作物も
のびのびと健康的ではありませんか?




発育がいいだけでなく、これらの作物は保存期間も長いと
著者は書いております。




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