香が散る

本を読むのが大好き、少し前からノロノロですが走るのも好き
そんな、代わり映えのしない、でも大切な日々を書き綴っています

冬姫

2014-12-03 23:20:48 | 本のこと
葉室麟さんの『冬姫』



織田信長の二女、冬、その器量の良さ故に、
父親に格別に遇され、
周囲の女たちの嫉妬に翻弄される。
戦国の世では、男は戦を行い、鮮烈に覇権を争いm
女は武器を持たずに、心の刃を研ぎすまし、
苛烈な「女いくさ」を仕掛けあう。
その渦中にあって、冬は父への敬嘉の念と。
名将の夫・蒲生氏郷へのひたむきな愛情を胸に、
乱世を生き抜いていく。
自ら運命を切り開いた女性の
数奇な生涯を辿る歴史長編。


織田信長の二女・冬姫という人のことは
全然知らなかったので、新鮮でした
いま放送されている「軍師官兵衛」でも
石田三成と淀君は、思いっきり悪役だけど
この本の中でも、かなり悪者
特に淀君は、性格悪すぎですな
ドラマの淀君役の人は、どこが綺麗?と不思議で
そのイメージで読んでしまった。
よく知っているつもりでいた戦国時代の
織田信長から関ヶ原の戦いまでの時期を
違う目線から見た感じで、とても面白かったです

名残惜しくて解説も全部読んだ中で心に残った言葉
 多分、生きるということは悲しいことだ。
 生きていれば誰もが、
 時に絶望的な悲しみに押しつぶされる。
 だが「冬姫」の女たちは運命に打ちのめされるばかりではない。
 現代に生きる人々があの震災からも津波からも立ち上がってきたように、
 冬姫たちも深い悲しみの淵から前を向く、
 生きることが戦うことにほかならなかった過酷な時代に、
 女たちは愛するがゆえのかなしみを、
 それでも愛することで乗り越えようとする。