ニュース雑記帳

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<救急医療>2次救急体制、63病院が輪番制離脱

2006-05-07 15:52:27 | Weblog
タイトルは、 5月4日3時8分更新の毎日新聞のネット記事から拝借しました。その記事によると・・・

入院が必要な救急患者を交代で受け入れる「輪番制」に参加する2次救急病院(重篤な患者以外の入院を受け入れる)のうち、医師不足などで輪番制から離脱した病院は昨年1月以降だけで24道府県の63病院に上るそうです。厚生労働省によると、輪番制に参加する2次救急病院は昨年3月末現在で約3000病院あるそうですが、ここ1年で約2%減少したことになるらしいです。
離脱した63病院の内、高知県内での離脱が17病院もあったのですが、それは幡多地域(四万十市など6市町村)で輪番制自体をやめたためだそうです。四万十市保健介護課によると、04年度には、国と県が3分の1ずつ、残りを市町村が人口割りで負担して輪番制を委託する幡多医師会に約3000万円を補助していたそうですが、05年度から救急医療に対する国庫補助が一般財源化され、市町村が補助金を全額負担することになったため、財源不足などで中止に追い込まれたそうです。その結果、救急患者は県立と四万十市立の2病院で対応せざるを得なくなったそうです。
救急医の確保状況については、18県が「困難」、24都道府県が「やや困難」と回答しており、「問題なし」などと答えたのは5府県だけだそうです。
国に対して「救急病院に対する診療報酬の増額」や「医学部の定員増」「医師の地域偏在の改善」などを求める声が高まっているそうです。

なんだか、特定財源は諸悪の根源みたいなイメージがありましたが、なんでもかんでも一般財源化すればイイってもんじゃないのかもしれませんね。

それから、基本的に地方自治権の拡大っていうか・・・各地方が、その地方独自の運営をするのがいいと思っている方なんですが・・・金はやらんが、義務は増やしてあげるっていうのは、やっぱり地方を見捨ててるってことになるような気がしますね。

そういう意味では、まず地方自治を育てるってことを考えないといけませんよね。人材のところから・・・ってことになると、かなり時間がかかってしまうなぁ。あまり嬉しくない方法だけど、とりあえずは中央の技術のある人たちが、地方に散らばって地方自治の専門家たちを育てて、徐々に地元の人材に任せていくってのはどうでしょうかね。地方に人材には素質がないと思っているわけじゃなくて、経験が足りないんですよね。それに、悪い意味でも良い意味でも、バイタリティーのある連中は、地方である程度の経験と実績を得ると、それを持って中央に出てしまうんですよね。それは、文化的な分野でも同じなんですけど・・・。

おっと・・・地方の医療問題に戻りましょうか。上記の救急医や、その他にも産婦人科医とか小児科医の慢性的不足は、産婦人科医が訴えられた医療裁判などとも関連して、かなり取り上げられていますが、最近、厚生労働省が旗をふって、全国に千余りある自治体病院などの公的病院と民間病院の統合を進めているそうです。

なんでも、公的病院の約8割が赤字らしくて、民間医療機関の経営を取り入れて、なんとか立て直そうということみたいですね。すでに、公立病院の一部は民間の医療法人や地元医師会に病院運営を委譲しているケースも多いようですが、厚生労働省の肝いりによる規制緩和で、民間主導の経営が本格的に進むんじゃないかということです。

ただね・・・そうなると心配なのは、へき地医療や難病治療など採算が取れない部門が切り捨てられていくだろうってことですよね。それは、国鉄の民営化や、郵便局の民営化の時にも懸念されていたことですけど・・・採算のあわない部門は切り捨てるというのは、営利団体として当然の判断ですからね・・・。

少し、話が横道に逸れるように感じられるかもしれませんが・・・わたしが、OBERONを立ち上げて以来、ごそごそチョロチョロ動き回って感じたことは「大切なことや必要なことって商売にならない」ってことなんですよね。正確に言うと、大切なことや必要なことで商売になるものに関しては、すでに誰かが商売にしているので、大切なのに必要なのに取り残されているものは、なかなか商売になりにくいものだってことだと思います。

けどね・・・そういうものも、やっぱり、大切だし必要でしょ。商売にならなくても、誰かがやらないといけないんですよ。だから、そう思って頑張っている個人や団体も、沢山ありますけど・・・医療のような分野になると、個人や小さな団体の活動で、どうにかなるものでもないでしょう。となると、だから「その為の公共事業」なんじゃないんですんかね。道路はいいから、病院建てろやっ!って話ですよね。いや、病院や診療所の建物はあるのか・・・医師か・・・人気のない部門を担当してくれる医師かぁ・・・医師も人間だもん、楽に儲かる方がいいと思う人が多くても責められないよな。かといって、国が強制的に「お前は○○科」と割り振ってもいいのかと言うと、それもまた問題あるしなぁ。ましてや、技術のないものに医師免許を乱発して医師を増やすわけにはいかないし・・・。

でも、とにかく、お金と人を確保して・・・システム的には、申し訳ないけど、大きな病院に僻地医療を強要するしかないのじゃないかしら。施設と運営は自治体申請で国がなんとかするから、医師派遣は大学病院や公的病院、一定規模以上の民間病院に義務付けるみたいな。

でもって、とりあえずお金は税金からってことになるのだけど・・・まずは無駄遣いしてるとこから、こっちに回せよってことで・・・それが駄目なら、税金あげてもってことになるんでしょうね(^^;。

けど、人は・・・人の確保は難しいなぁ・・・強制できないところが難しいなあ。いったい、どうしたらいいんでしょうね・・・。