ニュース雑記帳

日々のニュースからテーマを拾い雑考してます

『最後のパレード』の盗用問題

2009-05-02 14:14:06 | Weblog
きっとディズニーファンに支持され、たぶんディスニーのビジネスに関心ある人の興味もかきたてたのかな、すごく売れたらしい中村克さんの著書『最後のパレード ディズニーランドで本当にあった心温まる話』に載っているエピソードが、「小さな親切」というキャンペーンに応募して日本郵政公社総裁賞を受賞した作品だとか、ディズニーランドを運営しているオリエンタルランドの内部資料の中の文章に酷似しているということで、少し前から、ちょっとした騒ぎになっていましたが、ついに版元のサンクチュアリ出版が、盗用を認め謝罪し、出版差し止めと、書店からの該当書籍の回収を行うということで、一応、問題は一段落したようですね。

ただ、著者の中村克さんは、盗用だと批難される事に、今もって大きな憤りを感じているらしく、ご自身のブログ(http://gpscompany.blogdehp.ne.jp/)で、さかんに反論しておられます。

中村さんご自身が、大量の言葉を費やして自分の気持ちを公表してらっしゃるので、中村さんの主張を知りたい方は、それを読んでいただけばいいのではと思うのですが・・・要は「自分はネットに書き込まれているエピソードを集めて書いただけで、ネットの書き込みが何かを盗用していたとしても、その盗用の責任は自分にはない。むしろ、盗用された側の管理責任の方を問題にすべきだ」ってことのようです。じゃあ、ネットの書き込みを、自分の著書として本にしていいのかということになると、「ネットに書き込みをした本人が名乗り出れば、誠意をもって対応するつもりだったし、今、自分を批難している人たちは、そのネットに書き込みをした本人ではないので、つべこべ言う資格はない」ってことみたいです。

それと、彼が、しきりと主張していることは、ディズニーは、公式に「ディズニーのことを、ネタにしてもいいですか」って聞いたら、絶対に「いいですよ」とは言わないけれど、ディズニーの為になることで、世の中の為にも良いことなら、見て見ぬふりをしてくれるのに、こんなに騒ぎ立てちゃって、みんなディズニーのことを分かってない・・・ってことと

ディズニーでの楽しい思い出は、個人のものではなくて、人類の共有財産なのだから、人の為になる使い方をするなら、良い使い方をされるんなら、喜んで許容すべきなんだ・・・ってことのように思えます。

ふむ・・・

わたしが、この騒動に興味を引かれたのは、中村さんが、ものすごい勢いで、読売新聞を批難し、読売の読者まで「愚者」と罵った記事を見たからでした。

わたしは、決して読売シンパではないし・・・むしろ、どっちかっていうと、特定の人物に絡んで、逆の感情をもっている方なんですが(爆)・・・それにしても、なんとも過激な人だなぁと・・・彼が世に広めようとしているらしい「ホスピタリティー」の精神とは、どうもソグワナイ気がするなと、そう思って、その後の推移を見ていたわけです。

ちなみに、わたし個人の意見としては・・・中村さんが、オリエンタルランドの元スーパーバイザーではなく、ディズニーの一ファンでいらして、その熱いディスーニー愛から、「ネットで見つけた、ディズニーにまつわる、心温まるエピソード集」を、編者として取り纏め、自費出版されたのだったなら、「まあまあ、そんなに目くじらたてて怒らなくても、見逃してあげてもいいんじゃないですか」って、そう思ったと思います。

ただ、中村さんが、ただのディズニーランドのファンではなく、単なる一アルバイト(キャストって言うんですか?)でもなく、元スーパーバイザーという立派な肩書きを、退職後も前面に押し出してビジネスをしておられる方で、この発行物に関しても、「本当にあった心温まる話」ってことで売っちゃってますから・・・これは、著作権云々もそうですけど、読者に対する詐欺行為になっちゃいますよね。当然、本を買って読む人は、本当か嘘かも分からない、ネット書き込みを集めたものだとは思わず、ディズニーの中核にいた人ならではの深い話だと思いますものね。

だから、思うんですよね・・・なぜ、中村さんは、ご自分の体験をお書きにならなかったのかって。十分、それが出来る立場にあった方のようなのに、なんで、ネットの記事なんかを拾い集めて、ご自分の著書にしてしまわれたのかって。そんなことなら、中村さんじゃなくても、誰にでも出来る事でしょ。中村さんでなきゃ書けないこと、きっと、いっぱいあったろうに・・・。

ずっと、中村さんのブログを読んでいると、正直、だんだん気分が悪くなってくるんですよね。けど、何かのキッカケで、彼が謝罪されるとしたら、その瞬間を目撃したいなとか思って、ついつい読み続けてしまうんですよね。けど・・・無理かなぁ、謝罪は。少し前には、読売の前で焼身自殺するみたいなことも書いてらっしゃいましたしね・・・さすがに、その記事は、すぐに削除されましたけど(^^;。

人って、責められるの嫌だし、その後の不利益なんかも考えると、なかなか自分の非を認められないとは思うんですが・・・中村さんの場合は、本気で、自分は、まったく悪くないと、そう思ってらっしゃるようなんですよね。何より読売が悪くて、次には世の中が悪いみたいです・・・みんなが愚者だと感じてらっしゃるようです。なんだか、切ないですね・・・。