東京都立の養護学校を、都議と都教委職員らが視察した際、養護学校で性器付きの人形などを使って生徒に性教育をしていると知った都議らが、「常識では考えられない」「感覚が麻痺している」などとして教材を没収したそうです。
で、それに対して学校側が、「一連の出来事は教育への不当介入」「必要な性教育ができなくなった」と告訴。一審では、三人の都議と都に対して、慰謝料約210万円の支払いを命じる判決がおりたようですが、都議らが上告したので、さらに審議は続くみたいです。
このニュースを読んで思ったんですが・・・こういうことって、当事者じゃない者には、なかなか真実が見えてきませんよねぇ~。
もちろん、たいていの出来事は、当事者にしか分からない事があるし・・・逆に、当事者だから見えていないこともあるだろうし・・・とにかく、何かトラブルが起こったときに、第三者として仲介したり、裁定したりって、ほんとうに難しいですよね。
たとえば、この出来事について言うなら・・・自分のからだの部位を把握することも難しい子どもたちが性犯罪の被害者にならない為に、現場の先生たちが苦心惨憺して性器付き人形を使った性教育を行ったのだという、養護学校側の主張をそのまま信じるなら、それは批難されるより、むしろ努力を評価されるべきだと思うわけですが・・・学校側に何らかの行き過ぎや、何らかの好ましくない意図がないと、外側から断言はできないし・・・詳しく状況を検証する裁判の場では、そういうことも明らかになるのかもしれないけれど・・・ニュースを読むだけの立場からは、何にも判断できないなぁ~と思いました。
ただ、一つ残念に感じたのは、裁判沙汰にする前に、両者で話し合いは出来なかったのかなってことなんですよね。
障害児教育に無知な(無知と決め付けられませんが、とりあえずは現場の人じゃないということで)都議の目から見れば、養護学校の指導方法は驚くべき常識はずれだったかもしれませんが、それに対して冷静に「どうして、こんなものを使っているのですか」と説明は求めなかったのかなと・・・もし、説明を求めたのだとしたら、学校側は「驚かれるかもしれませんが、かくかくしかじかの理由から、これは必要だと判断しました」って説明しなかったのかなと・・・もし、ちゃんと問いが発せられて、それに対してちゃんと答えが返された上で、それでも両者の意見が食い違ったのだとしても、さらに輪を大きくして話し合いは出来なかったのかなと・・・。
養護学校のことは、よく分からないのですが、生徒の状況って、一様じゃないと思うんですよね。あくまでも想像ですが、性器付き人形が必要な子もいれば、必要のない子もいるかもしれない・・・そういう場合の対応も含めて、じっくり話し合われていいことじゃないかと思うんですよね。だから、裁判所で争う事になったということが、性器付き人形云々より、わたしには問題があるように思われましたねぇ~。