ニュース雑記帳

日々のニュースからテーマを拾い雑考してます

「戦争の飢えを日本軍が救った」中国の作家が異色ルポ

2006-05-04 17:32:08 | Weblog
本当なら、『在日米軍再編の為の費用負担に関して日米が合意した』という話題に、まっさきに食いつくべきだと思いつつ、読売オンラインで見つけた、下記の記事のことを書きたくなっちゃったものだから・・・「米日統合軍になるのか!!」の話は、また次の機会にさせてください。

*********************

日中戦争さなかの1942年、大干ばつに見舞われた河南省の人々を救ったのは、なんと日本軍だった――。そんな史実を描いた、中国人作家のルポルタージュが日本語に翻訳され、注目を集めている。
 主題は日本軍の「美談」ではなく、人間の「生きる」という営為は政治や戦争の善悪を超えるということ。人々の生活こそが歴史を作るとの作者の主張は、政治対立に翻弄(ほんろう)される日中関係に新たな視点を提供している。

 この作品は北京在住の人気作家、劉震雲氏(47)が発表した「温故一九四二(1942年を訪ねる)」。邦訳はこのほど竹内実監修・劉燕子訳で中国書店から刊行された。

 1942年、河南省など華北一帯は激しい干ばつに襲われ、同省では約300万人が餓死。同省の農村出身の劉氏は郷里を取材して歩き、資料を調査して、当時の飢餓地獄の惨状をルポルタージュにまとめた。

******************

なんだかねぇ~・・・涙が出ちゃった。日本軍の美談レポートではないということなので、読んでみれば、思っているようなものとは、全く違っているかもしれないけれど、たとえ日本を良く描いてくれていなくても、悪くは書かなかったというだけでも有難いと思わずにいられない・・・そんな心の動きの背景にある、今の日中関係や、日韓関係が悲しいです。

けれど、劉さん、そんなことを書いて、大丈夫なんだろうか・・・と、それも心配だったりします。少し前に、日本を庇う発言をした親日家の韓国人タレントさんが、ひどい吊るし上げに合い、仕事も干されたってニュースがあったでしょ。劉さんが、そんな目にあっては嫌だなと思うのですが・・・十分に有り得ることだと思うので、とても心配しています。

わたしの、この反応も、ずいぶん感情的というか、情緒的だなとは思うのですよ。けれど、それほど、日中間には、感情的な溝が作られてしまっているのだなぁ・・・ということですよね。

しかも、それが、かなり意図して作られたものであるということに・・・先行きの不安を煽られるわけです。国内をまとめる為に、国外に敵を作る・・・為政者にとって、一番てっとりばやい方法だとは思うのですが・・・韓国の竹島問題を見ると、それが諸刃の剣であることが、よく分かりますよね。

日本は、先の戦争に負けた割には幸せな国で、どうも、ウスぼんやりしたところがあるものだから、今のところ攻撃は苦手でしょ。だから、竹島のことにしても「あれは絶対にうちのモノだけど、第三者機関に裁定してもらって、それで韓国のモノだって言われたら、それに従うよ」って言ってるでしょ。それは、一つには勝つ自信があるってことだと思うけど、万が一負けても、それで日本国民が暴れだす心配がないと政府は安心しているのだと思うんですよね。でも、韓国の場合は、もし負けたら、絶対に暴動が起こりますよ。政府が国を挙げて煽ってきてしまっていますから、いまさら「だめだって」と言っても、国民はその裁定を受け入れることを許さないでしょ。だから、実質支配で権利が確定するのを、じっと待っているんでしょう。色んなところから、脇固めしながらね。けど、その方法は、国際外交的には好意的に受け止められないでしょ。日本からはともかく、他国からも尊敬を勝ち得られない方法だと思いますよ。

つまり、中国にしても、韓国にしても、自国を成熟した形で統治出来ていないということを、諸外国に宣伝してしまっているわけです。でも、まだまだ世界的にも「それでも力があれば・・・」という価値観がまかり通っていますから、危機感はないのかもしれませんが。

が、そういう全体的な国の方向性やイメージに反して、出来るだけ公平に、しかも未来志向でもって、物事を見ることが出来る人が、ちゃんと居るんだなあ。しかも、リスクを承知で発言されたんだなぁ・・・と思うと、嬉しさで、また涙が出てきます。どうか、劉さんに、危険なことが起こらないようにと祈っています。