問題は、硫化水素のみ・・・

硫化水素を使った自殺が後を断ちませんね。

硫化水素を使わなくても、自殺は周りの人を傷つけるし・・・関係ない人たちにまで迷惑をかけることが多いし・・・絶対に好ましいことではないのだけど・・・そんなことまで考慮できる心の状態なら、そも自殺を選択しないでしょうし・・・ある意味、仕方ないのかなと思います。硫化水素を使うことを思いとどまれるくらいなら、自殺そのものも思いとどまれる可能性も高い気がします。

なので、ここで話したいことは、硫化水素を使って自殺した人に対してどうこうってことではありません。また「ニュースって・・・」って話です。

なんていうか・・・ニュースを伝える側にとっても、ニュースを受け取る側にとっても、硫化水素で自殺した人のニュースに関しては、「硫化水素」こそが問題なのであって、「自殺」そのものに関する興味はほとんどないんだろうなって思います。

もちろん、それは当然のことだと思います。硫化水素を使った自殺は、関係ない人を巻き込む可能性が大だから、一般の人たちが被害を被らないように、注意を喚起したり、対策情報を提供したり・・・その為に、毎日のように報道がされているのだと思います。

残念なことですが、きっと硫化水素自殺が問題になる前からずっと、たくさんの方が毎日自殺してらっしゃるのだと思います。でも、それはニュースにならない。だって、そんなことはもう、報道の世界では、ありふれた日常の出来事だから。でも、今回は硫化水素だから報道する意味がある、あるいは価値があるってことなんでしょうね。だから、報道したとしても、個々の人が何故自らの命を絶ったのかは、まったく問題にされない・・・そういうことなんですよね。

だから・・・だからといって、別に、報道のあり方を問おうとは思っていません。仕方ないっていうか・・・たぶん、妥当な判断なのだと思うから。でも、頭はそう思っていても、心が虚しさを感じてしまう・・・そういうニュースだなと・・・そう思ったのでありました。