ニュース雑記帳

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唯一の被爆国は特権でも武器でもなく・・・

2010-04-16 13:46:51 | Weblog
オバマ大統領がプラハ演説で「核のない世界を目指しましょう」と開催を提唱し、それが実現した形で開かれた『核安全保障サミット』。日本を含む47カ国が参加し、核物質の管理体制を4年以内に確立するなどの共同声明を採択し、閉幕したそうですね。

それにしても・・・この核サミット関連のニュースは、もっぱら「オバマ大統領の取り合いっこ」の話題が中心でしたよね。それが世界の現状なのか、日本の認識なのか・・・仕方ないことなのだとは思いつつ、なんとも情けないなぁ~と思わずにいられなかったのです。

それから・・・非常に多く耳にした「唯一の被爆国の日本として」という言葉。これに、なんともしれない違和感を感じてしまったのは、わたしだけでしょうか。

わたしの捻くれた誤解かもしれませんが・・・「唯一の被爆国の日本として」という言葉を使っている人の多くが、まるで、それを特権のように振りかざしているのではないかと感じてしまうんですよね。でなければ、武器として利用しようとしているのではないかと。

けど・・・唯一の被爆国という事実は、むしろ大きな義務、あるいは責任として、日本という国に圧し掛かっていると、わたしは思うんですが、それは間違った受け止め方でしょうか。

しかも、にもかかわらず、核サミットのような場所においてでさえ、唯一の被爆国たる日本が軽んじられるのは、日本自身に、その責任のあることの認識、その責任を負おうという覚悟が感じられないからではないでしょうか。

それから・・・いつも思うんですが・・・核は特別じゃないです。たしかに、一瞬で多くの人命を奪う。しかも、その時に命を奪わなくて、生き残った人を生涯にわたって苦しめる。とても恐ろしい兵器です。だから、ぜひとも、世界中の人たちの意志で根絶させて欲しいと思います。けれど、だからといって、核だけが取り上げられることには、どうしても違和感があります。

核兵器だけではなく、人を傷つける目的で作られるものの全てのものの製造を止めて欲しい・・・どうして、そういうことにならないのでしょう。なぜ、核限定で、悪者にするのでしょう。

象徴として・・・というのは理解できます。人は、分かりやすい旗を立ててもらわないと、なかなか行動できないものですから、目立つ存在である核兵器を、人を傷つける目的で作られる全てのものの代表として祭り上げる意味は、分かっているつもりです。けれど、あまりにそれだけをクローズアップしすぎて、本来の目的を見失ってはいないでしょうか。

人を殺すことは好ましくない。けれど、人は人を殺す生き物だ。とすれば、とりあえず、国家単位で一方的に大量に殺すことだけは、みんなで協力して抑止しよう。仕方ないときは、随時、ちょっとずつ殺しあうようにしよう。

とても現実的な考え方なのかもしれないですが・・・なんとも、悲しくてしかたがなくはないですか。理想を現実のものにするには、キレイごとだけではすまない。目的のために、利用できるものは何でも利用し、たとえ僅かであっても、一歩ずつ歩みを前へと進める・・・世界は、それをしているのかもしれませんが・・・お子ちゃまなワタシには、それが良く分からず、ただただ悲しくなってしまうのでありました。

『OBERON日記』
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