ニュース雑記帳

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第三のビールも値上げ

2006-05-02 16:15:24 | Weblog
「少しでも安い商品を!」とメーカーが工夫して、発泡酒が市場に提供されはじめた時、けっこう衝撃を受けたことを覚えている。

ビールと認められるためには「主原料たる麦芽と水とホップ以外で使えるのは、麦、米、とうもろこし、こうりゃん、ばれいしょ、でんぷん、糖類、カラメルだけ」とか、「副原材料の量は、麦芽の重量の二分の一以下に抑えなければならない」とか、「発酵させたものであること」という条件をクリアーしなければならないのだが、その決まりを逆の発想で捉え、ビールでは使えない原材料を使い、麦芽の量も控えて、ビールとは認定されないビールに似た飲み物を造り、ビールにかかる酒税を免れることによって、値段を抑えたのだ。

正直、個人的な嗜好で言うと、発泡酒はビールほど美味くない。が、その創意工夫は凄いと思うし、素晴らしいと思う。消費者は、発泡酒に、がっちりと食いついた。すると政府は、きっちりと発泡酒にもそれなりの酒税をかけてきた。

が、メーカーたちも負けてはいない。今度は「第三のビール」といわれる飲み物を作り出した。麦芽以外の原料で作ったビール風アルコール飲料を売り出したのだ。これに関しては、一度も口にしたことがないので、味についてのコメントは出来ないが、あっぱれな企業努力であるということに、異を唱える人はいないと思う。

と、また政府が、この第三のビールに対する税金を上げようという。いや、昨日(五月一日)から上がっているのだ。これには、消費者としてではなく、企業の張りに敬意を持つ者として、無性に腹がたつ。

案外、各メーカーは「そんなことは想定の範囲内」と、冷静に受け止めているのかもしれないけれど・・・この「努力が無駄になる感」に、わたしは、どうも納得できないのだ。

それに、本家本元のビールの方は350ml缶一本に付き0.7円減税とか、発泡酒は据え置きという、同じビール系飲み物だしドンドン横並びにしちゃえ的発想も、わたしは個人的に好きじゃないのだ。

せっかく企業が、「高くても好みのものが欲しい」か「安さ優先。他は我慢します」か、買い手が自分の好みや判断で選べるようにように、商品に個性をつけているのに、それを税金でもって邪魔するなんて野暮の極みだと思う。

格差が広がったと言われてははいるけど、日本の平均的な家庭では、切り詰めるところと、贅沢するところを、選択しながら生活できるレベルにあると思う。つまり、お父さんの晩酌は第三のビールになったけど正月は家族でハワイに行くという家庭があったり、車は中古の軽自動車で住まいも築数十年のボロアパートだけど週末には家族で外食を楽しむ家庭があるような・・・贅沢するところと、切り詰めるところを、自分の感覚で選べるのだ。

だから、せっかく、ビールに関して贅沢したくない人には、徹底的に切り詰められる商品が提供されて、生産者も消費者も満足しているのに、それを邪魔するようなことをして欲しくないと、第三のビールの増税には腹が立つのだ。

税金上げるな、公共のサービスは充実させろ!!なんて、そんな無茶を言っているわけじゃない。ただ、人の努力や、人の我慢を、台無しにするようなことをしていたら、人はやる気を失うよということが言いたい。そうじゃないかい、みなさん!!