ニュース雑記帳

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在日米軍再編 

2006-05-06 14:52:32 | Weblog
冷戦も終わって暫く経つし、世界情勢も変化しつつあるし、米軍が、世界中にバラ蒔いている自軍の配置を、根本的に見直して再編しようと考えるのは、当然のことなんだろうな。まっ、そういうのがなければ、いくら日本の世論が訴えても、米国は自分たちの思うようにやるでしょう。善い所も沢山ある国だけど、こういう時の高飛車さは、折り紙つきだもの。ということは、上手く米国に乗せられちやってるのかな、日本は(^^;。

でも、ある意味、それは日本にとってもチャンスなわけだから、相手の気分や都合の変化を読んで、それを利用して自分たちの希望を通していくのが交渉(外交)だと思うのだけど・・・相変わらず、ただ相手の好いようにされている感じがするのは、実感の沸かない巨額な負担費用の額を聞かされてビビッてしまった貧乏人の狭量なんだろうか(^^;。

その、わたしがビビッた金額・・・約三兆円。大きな金額なのは確かだけど、それでも必要なものなのか、妥当なものなのか・・・もしかしたら、とってもお得なのか・・・庶民には、それを測るメジャーがないから、分からんですよ。

おっと、遅くなりましたが、あらためて、日米が嬉しそうに記者会見して「合意したよ」と公表した事柄を整理しておきましょうか。まず、日米が昨年10月合意した中間報告では『普天間飛行場(沖縄県)移設』『在沖縄海兵隊司令部のグアム移転』『キャンプ座間(神奈川県)への米陸軍第1軍団司令部の改編・移転』『厚木基地(同)の空母艦載機部隊の岩国基地(山口県)移転』などが明記されていたということでしたね。に加えて、今度は、額賀防衛庁長官とラムズフェルド国防長官の間で、グアム移転経費102億7000万ドルの59%を日本側負担とすることが合意されたと。

が、そこで「約七千百億円かよぉ~」と驚いていたら、チッチッチッ、それで驚いてちゃいけないよ、在日米軍再編で日本が負担するのは、六、七年間で総額約二兆九千八百億円にもなるんだよ~ん、しかも、少なめに見積もってねと、ローレス米国防副次官が言ったわけです。

が・・・先にも言ったように、我々では、それが妥当な額なのかどうなのか分からないから、ただ「凄いなぁ~」と驚くことしか出来ないわけです。しかも、きっと詳しく説明されても、理解も判断も出来ないことだと思います。となると、わたしたちに出来ることは、それを判断を下している政府が信用できるかどうかってことしかないでしょ。比較的身近な国内法案とかだと「分かるように説明してください!!知ってから意見を言うから、それに耳を傾けてください!!」と言いたいんだけど、ここまで話が大きいと、たとえ説明されてもどうにもならないですよ。

もちろん、だから勝手に話を進めてくれなんて、投げちゃ駄目ですよ、国民は。たとえ分からなくても、政府には、ちゃんと情報を公開させて、たとえ僅かでも自分の分かる範囲で理解しようとすることが大切です。それが、政府を良い意味で見張る目になりますからね。

でね・・・わたしたちが分かることの出来る範囲というのが・・・政府の取り組む姿勢を見ていて「信用できるかどうか」を判断することじゃないかと思うわけです。数字を並べられても分からないけど、それなら、どんな人でも自分なりに感じることが出来るでしょう。

となると、見るべきところは、イラクで邦人が拉致された事件の時とか、北朝鮮問題のように『政府は自国民をどけだけ守ろうとしているか、また実際に守れるか』というところだったり、竹島問題とか靖国問題にイラクの自衛隊派遣問題や米軍再編に関わる費用負担の問題などから『諸外国それぞれ関わり方』しているのかなってところになるでしょうね。

でね・・・わたしは、最近の日本の世論は「米国からの独立」を意志していて、国もそれに沿って頑張ってるのかなと思っていたのですが・・・なんだか、最近の報道を聞いていたら、それと真逆の解説ばかりなので、ちょっと驚いて、正直混乱しているのですよ。で、もし報道で言われていること、つまり「米軍と自衛隊の一体化」が目指されているのなら、それには、断固反対なんですよ。

国民が米国からの独立を意志しているのではないかと思う一番の理由は、やっぱり自衛隊がらみの憲法を改正問題対する反応ですね。中間思想層の人たちが今までになく容認ムードになっていると、わたしは感じました。

国連の常任理事国入りなんてことじゃなくても、イラク戦争や北朝鮮問題、対中関係に対韓国関係と、日本は自国外交のことに関しても、国際社会での役割の問題にしても、かなり正念場に来ているでしょ。それで、いろいろ考える機会も与えられて、つくづく今までのように何かあったら米国に頼るしかない状況は嫌だと思い始めてるでしょ。しかも、そのせいで、米国の言うなりなのは、ウンザリだと思っているじゃないですか。

なら、その状況を改善したかったら、どうすればいいのか・・・それは、米国に「どうぞ守ってください」と言わなくてよくなるってことですよね・・・そして、それはつまり「自分で自分を守れる国になる」ということですよね。だから、世論は、日本が軍隊を持つことを受け入れようとしているんじゃないかと、わたしはそう解釈していたんです。

もちろん、日本人は、今も平和が一番だと思っていると信じていますよ。。世界中の国が武器も軍隊も持たなくなることを願っていると。けれど、現実として、自立した独立国家であるためには、防衛に関しても他国に依存していてはいけないと思い知った、戦後六十年なんだと思うのです。

そうなれば、たとえ同盟国であろうと考えが違えば立場を分かつことが出来るし、お金の使い方に関しても、どんなに巨額の費用がかかろうと自国の為に必要なら納得して出せるじゃないですか。

なのに、今度の米軍再編計画と、日本の費用負担は、日本の米国からの独立どころか、日米の軍隊の一体化を目的にしているって・・・それじやぁ、ますます米軍との関わり・・・米軍とだけの関わりが強化されちゃうじゃないですか。それは、金高の問題じゃなく、駄目ですよ!!

基地施設なども共有出来るようになるし、青森・車力分屯地に配備されるXバンドレーダーなどミサイル迎撃システムも自衛隊&米軍共有だし、決してお得とまでは言えないけど、自衛隊の施設や装備の充実など、悪いことばかりではないという意見もあるようだけど・・・主権国家のプライドの問題として、納得できなくないですか?

米国は「日米同盟について責任分担から権限分担へ進む時がきた」って言っているらしいけど、まったく逆でしょ。判断はこちらで下すから、今まで以上に米国の世界戦略の為に働きなさいってことにしか見えないよ・・・権限は米国、責任は日本に持たせたいってことでしょ。まるで、管理職にしてやったから、労働者の権利とか言い出すなよ・・・みたいじゃない?

それなら、日本は、唯一の逃げどころである「日本には平和憲法があるから・・・」を死守しておくべきかも。でも、政府が米国との合体に熱心なのだから、難しいなぁ。

もちろん、米国から軍事的に独立した場合、日本が独自の軍備拡充を図ることになり、それは当然、隣国から「日本の軍事大国化」と非難されるだろうし・・・実際には難問だらけの選択肢なのだとは思うけど・・・だからといって、さらに米国にノメリコムというのは、どう考えても賛成できないのだけどなあ。じわじわと米国から離れ、じわじわと独立する道を探るなんてこと、政府は考えてくれないものだろうか。