ニュース雑記帳

日々のニュースからテーマを拾い雑考してます

『鈍感力』が大ブームの兆し(^^;

2007-02-24 12:54:15 | Weblog
自分の失態と言うより、自分が任命した大臣さんたちが相次いで起こす騒動で、すっかり「頼りない総理」の烙印を押され、支持率も下落の一途を辿っているといわれている安倍総理大臣に、前総理の小泉さんが、細かい事に一喜一憂して消耗するな、総理という役職に付いたものには『鈍感力』も必要だぞとアドバイスしたとかしないとか。それで、その元ネタになった渡辺淳一さんの鈍感力がなんたらという本まで売れまくっているとか(^^;。

でも、マスコミが一斉にこの「鈍感力」って言葉に食いついたのは、わたしとしても分からなくはないなと思ってます。だって、わたしも、このニュースを最初に聞いた瞬間に、このネタは面白いって思ったもの(爆)。

何故おもしろいかと言うと、一つには「小泉さんらしいね」って思ったから。まだまだ世情に総理時代の小泉さんの残像があるんだもの、これは話題になるなと、素人の私でも思ったです(^^;。

それともう一つには「確かに・・・」と思ったから。鈍感って言ったら言葉は悪いけど、「いちいち傷ついてちゃいけない」ってのは、ほんとうにそうだと思うもん。特に地位のある人とか、人気商売の人とか、人の目にさらされる場所に居る人は、決して「いちいち傷ついてちゃいけない」ですよ、ほんとに。

有名人でなくても、たとえば学校の中であっても、目立つ子ってのは、人気者になるか苛められるか、どっちかなわけだけど、どっちにしても「いちいち傷ついてちゃいけない」です。

そういう意味で「鈍感力」って巧いですよね。渡辺さんのご本は読ませてもらってないので、渡辺さんが、どういう意味で使われているのかは分からないけど、小泉さんが、安倍さんに言ったという使い方に関しては、ほんと巧いなと思ったです。

ただ、それが小泉さんなんだけど・・・あくまでもキャッチ・コピーなんですよね、彼の言葉って。一番印象的な部分をスパッと切り離して、ごちゃごちゃ注釈を付けずにズドンと投げてよこす。だからインパクトがあるし、分かりやすいし・・・また、マスコミも、そういうのが使いやすいから、大いに乗っかっていって、小泉劇場開幕ってことになるんですよね。

だから、小泉さんには、彼の言葉を実のあるものにしていってくれる後続が必要なんですが・・・それを、誰がやってくれているのかな。地道な旨みの少ない、そのわりには難しい仕事だし、誰もやってくれてないのかな・・・そんな感じじゃないですか。

鈍感力だって、本当はきっと、鈍感なだけじゃダメだってところに落ち着く話なんだと思いますよ。インパクトを狙って、いくぶん逆説的&極論的に「鈍感力」なんて言ってるけど、要は「振り回されるな」ってことなんでしょ。世の中の動向とか、人の気持ちの流れとか、そういうことに対しては敏感でいるべきだから、徹底的に情報を収集し鋭く分析しなくてはならないけれど、それに対して感情的反応するなってことでしょ。わたし流の言葉で言わせて貰うと、つまりそれが「いちいち傷ついてちゃいけない」てことになるんだけどね。

個人的な人間関係においても、知っていながら知らないでいると良い事っていっぱいあるでしょ。知らないふりをするんじゃなく、知っているけど知らないって事が、本当に大事だったりするじゃないですか。本当に知っていなかったら、緊急事態にアタフタしちゃうから、何かの時には、さっと動けるようにデータとしては知っておくべきなんだけど、個人的な感情の部分では知らないでおくといいことがね。そういう意味で、鈍感力は確かに巧い表現だと、そう思った次第でした(^^;。