風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

新緑の津軽ひとり旅 4(奥入瀬、青森)

2019-07-31 | 東北

3日目からの続きです。


● 朝のみずうみ号

最終日の4日目になりました。
母と親戚宅を訪ねるのが午後になったので、午前中は十和田湖に再び行ってこれそうです。
迷わず、のっけ丼を食べる時間をあきらめて、朝イチのみずうみ号に乗ることに。

みずうみ号の乗客は、昨日は欧米人、今回はアジア人が多い印象ですが、(アジア人の割に?)みんな総じて静かです。
朝早い便なので、まだ半分寝ているのかもしれません。

● お茶汲みシステム

萱野茶屋での休憩時間。
今日は、バスの外に降りてくる外国人がほとんどいません。
英語のアナウンスでは、ここでお茶を飲めるということがわからないんですよね。

そしてここは、自分で茶釜の蓋を開けて、柄杓でお茶を汲み、茶椀を洗って戻すシステム。
日本人でさえ、見よう見まねです。
ここも英語の説明がないため、お店の前で人がなぜお茶を飲むのか、外国人はわからないでしょう。
まだみずうみ号で外国人用JRパスが使えるようになったばかり。
他国の人が増えるにつれて、少しずつ変わっていくことと思います。


● アジア人女性ひとり旅

ここから見える八甲田山を写真に収めようと、見晴らしのいい場所まで少し歩いていきました。
すると、後ろからついてくる足音が聞こえます。
私と同じ場所で停まり、同じアングルを撮影。


それは学生風のアジア人女性でした。
八甲田をバックに、自分の写真を撮ってほしいと頼まれたので、ついでに私も撮ってもらいました。
この旅で初めて自分が写真に入ったわ。

英語を使って、一人旅をしているようです。
でも「スミマセン」と「アリガトウ」をハッキリ言える人なので、やっていけるでしょう。
それだけ言えたら、優しい日本人は、なんとか手を貸そうとしてくれるので。
八甲田ロープウェイ前で下車した彼女は、私に「アリガトウ」と言って、降りていきました。

● 春の豪雪ルート


なおもバスは進みます。八甲田の先は、猿ヶ京温泉、城ヶ倉温泉など、山の中のザ・秘境が続きます。
冬の間は通行禁止になるエリア。
みずうみ号という穏やかな名前ながら、急勾配を多い大変なルートを通る、タフな登山バスです。
4月の頃は、雪はバスの高さうらいまであったそう。ダイナミック!
立山黒部・大谷にできる雪の壁みたいですね。


木がかしいでいるのは、冬の間中、重い雪に伸し掛かられていたためです。
湿った重い雪は1立方メートルで重さ500kgほどになり、雪の重みで学校の校庭の鉄棒が曲がることもあるそう。
冬の間中、雪にぎゅうぎゅう圧され続けていても、どっこい折れずに頑張っている細い樹々を見ると、生命の強さを感じます。

 

 


明るく美しい緑のブナの森が続きます。
新潟に美人林と呼ばれるブナの林がありますが、ここはさながら、美人森。
散策したら気持ちよさそうですが、どこまでも続くような広い樹海なので、迷い込んでしまいそう。


● 北国の春

蔦沼温泉で休憩タイム。
ずっと雪景色の中を登ってきたため、満開の花が咲き乱れるこの場所は、天国のように思えます。
今回の旅では、ここに4回降り立ち、そのたびに幸せな気分で北国の春にひたりました。


ソメイヨシノは散ってしまいましたが、八重桜が咲いています。
タンポポと桜の花びら。春の訪れ。


池には、スイレンの花が咲き、葉っぱの上にカエルが乘っていました。



● 再びの奥入瀬

奥入瀬にやってきました。とても暑い日ですが、ここまで来るとぐんと涼しくなります。
馬門岩のバス停で下車し、ここから「阿修羅の流れ」まで歩いていきます。


昨日の奥入瀬散策路は、ほとんど無人でしたが、ここにだけ大勢の中国人グループがいて、ワサワサしていました。
お互い邪魔にならないよう、立ち止まらずに通り過ぎたため、あらためて訪れたかったのです。

● 阿修羅の流れ

今回は、人はほとんどおらず、じっくり眺められました。
ここは奥入瀬を代表するスポット。急流がごうごうとうなりを上げて、流れていきます。

 
 
 

あたりを散策してから、帰りのバスに乗りました。
次の予定があるため、ちゃっちゃと移動します。

● 酸ヶ湯温泉

帰りのバス休憩は、酸ヶ湯温泉。
名湯なだけに、強い硫黄のにおいがバスの中までやってきます。
ここまでの道はカーブに続くカーブで、毎回ここに着いた時はバスに酔っており、ぐったりして降りずにいました。
でも今回は酔っておらず、硫黄のにおいも気になりません。
そこで、初めて降りてみました。

いい天気。軒下に巣をつくったツバメが、ピチュピチュとさえずりながら飛び回っています。
子ツバメが飛ぶ練習をしているのかしら。
10数羽いるようですが、素早すぎてカメラに収めきれません。


酸ヶ湯は日本一の積雪量を誇る場所。
まだ階段の上まで行けません。ようやく半分まで見えてきたところです。


● 山の恵みの水

この辺りはまだまだ雪が残っており、水が湧き出ているところもあります。
硫黄の匂いが立ち込める中、温泉水かな、と多少覚悟して、エイッと飲んでみたら、水でした。
八甲田山の伏流水。冷たくておいしかったです。


後ろの山に向かって「ごちそうさま~!」


八甲田ロープウェー入り口のバス停から、乗り込んできたのは、さっき降りたアジア人女性でした。
3時間後のあっという間の再会。
「ロープウェイに乗ったの?八甲田山はどうだった?」と聞きましたが、それには答えず「次に行きたいのはここ」と地図の三内丸山遺跡を指さします。
うーん、英語で聞いたのに伝わってない。まあいっか。

● 三内丸山遺跡

ここで彼女は降りていきました。縄文時代の大規模集落跡で国の特別史跡。
今年から有料化したんですよね。東京にもある青森県産品ショップの「北彩館」が隣接していました。

 

● プチ法事

うつらうつらしながら、終点の青森駅に到着。
ここから歩いて、父の実家に向かいます。
青森銀行本店そばにあり、なんと家からねぶた祭りを見られます。

ひさしぶりに会った親戚たちと話をして、法事を済ませました。
ここ数年、リサーチを重ねている家系図や家紋について聞いてみましたが、わかることは限られている様子。
うーん、調査はここまでかしら~。
帰りは、従兄に新青森まで車で送ってもらいました。

● 帰りのはやぶさ


駅まで来て「あ、弘前のいがメンチを食べそこねた!」と気づきます。
駅で探しましたが、売っていませんでした~。
残念!
早めに駅に着いたので、一便はやいはやぶさに変更します。
座席はほどほど埋まっていますが、ほどほど空いていて、のんびりできます。

はやぶさ内で、別行動だった4日間について、母と報告し合います。
10年ぶりくらいの帰省だった母は、人と会う予定が詰まっており、時間刻みで動いていたそうです。
会う人会う人みんなに再会を喜んでもらい、とてもいい日々を過ごしたとのこと。

次の停車駅は七戸十和田かと思いきや、一気に盛岡まで行きました。
往路便は、岩手内の駅に細かく停まりましたが、復路便でははしょるようです。
快適に関東に入りましたが、東京駅で信号機故障が起き、大宮ー東京間の新幹線が詰まっているとのことで、予定時間よりも遅れての到着となりました。

● epilogue

車がないと圧倒的に周りづらい青森。
ちょうど盛りの横浜町の菜の花畑を見られなかったのが残念でしたが、それ以外は満足のいく旅になりました。
もう市街の桜は咲き終わっていましたが、山間部にはまだ雪が残っており、雪解け水の流れる奥入瀬渓流は、夏よりも激しい流れだったのが、みずみずしく印象的でした。

でも、ヒラメのお刺身といがメンチを食べ損ねたのが心残り。
次回は忘れずにいただこうと思います!



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