風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

新緑の津軽ひとり旅 3-1(十和田湖、奥入瀬)

2019-07-29 | 東北

2日目からの続きです。

● 魚菜センター

3日目。今日こそは朝食にのっけ丼を食べようと、7時の開店を待って、魚菜センターに行きました。
市場のように多くの店が、新鮮なお魚を並べており、活気があります。



まずチケットを購入し、ご飯だけ入ったどんぶりを手に、それぞれのお店に並ぶ具を見て回ります。
その中から食べたいものを選んで、白米に載せてもらうと、自分だけのオリジナルのっけ丼のできあがり。
お金ではなくチケットと交換するため、値段ではなくチケットの必要枚数が描かれています。
「これ、おいしいから食べてって~」という威勢のいい呼び声が、あちこちからかかります。

● のっけ丼

どの具も大きくてつやつやしていて、プリップリ。
なににしようと迷いながらも、真っ先にホタテのところに向かいました。
きれいに並べてありますね。



最後に、エビをもらったお店のおじいさんが、
「じゃあサービスで、ずわいがにも持って行っていいよ」と言ってくれました。
わあうれしい。チケット2枚分なのに、太っ腹!
写真を撮らせてもらいました。


私が選んだのはホタテ、えび、ずわいがに、イクラ、八戸前沖さば、本マグロのトロ。
どれも好物ばかり~💛


● ホタテとヒラメ

う~~ん、おいしかった~。
特にホタテが最高!ホタテのひもラブ💛💛
肉厚で食べがいがありました。本当に青森のホタテは絶品です。

しかし、ホタテに気を取られて、うっかり青森の誇るヒラメを食べ損ねてしまいました。
いつも完璧にいかないのが、私クオリティですが…。
心残りでござる!次回はぜひに!

美味しいものを食べるとそれだけで元気になれます。
軽い足取りで青森駅に向かいました。

● 横浜町の菜の花

予定では、横浜町に行って、目下シーズンの菜の花を見る予定でした。
陸奥横浜駅に着けば、菜の花畑が広がっているものと思っていましたが、違うんだそう。
菜の花畑まで行くには、陸奥横浜駅から1時間、歩かなくてはいけないそうです。
隣の有畑駅の方が近いそうですが、それでも徒歩40分。
公共バスはなく、シーズン中には、菜の花畑へのマイクロバスが出ているそうですが、土日のみの運行とのこと。
観光案内所の人に聞いても、小さな駅なのでタクシーがいるかはわからないそう。
車がない人が平日に行くのは、この上なく大変な場所のようです。

● みずうみ号

そこでぐっとあきらめて、逆方向の十和田湖に行くことにしました。
2日間パスを買って乗り込むと、十和田湖行きみずうみ号の始発には15人ほど乗客が乗っていました。
そのほとんどが外国人で、日本人は私ともう一名のみ。



(いつの間にかすごい人気ね)と思っていると、みんな降りるときにJRパスを見せています。
外国人専用の、JR線乗り放題のジャパン・レール・パス。
それが、去年からみずうみ号に使えるようになったそうです。それで外国人が、大勢利用するようになったわけですね。
羨ましい限り。私達日本人は往復6000円、2日間パスだと5000円かかります。

それにしても、青森に来るたびに外国人が増えてきているなあと思います。
まさか八甲田越えのバスの中で、英語や中国語の会話を聞くとは思いませんでした。

● 八甲田山



昨日までは弘前近郊から岩木山を眺めていましたが、この日は青森近郊にいるため、見えるのは八甲田山連峰。
右側に見えるこんもりとした山は、標高553メートルの雲谷(もや)です。


学生の頃、せっせと通って秘密のスキー特訓をしていたモヤヒルズの前を通っていきます。
どんどん高地に登っていくと、八甲田のすそ野まで見えそうなほど広々とした高原になりました。



● 萱野茶屋

バスは萱野茶屋(かやのちゃや)で、10分の休憩時間を取ります。
木陰の多い、とっても気持ちのいい場所。子供の頃、ここに親戚みんなでハイキングをしに来ました。
ここではお茶の接待を受けられます。
英語のアナウンスがなく、見慣れぬ光景に外国人がとまどっていたので、ここでのお茶の飲み方を教えてあげました。


どうすればいいか、外国人にはわかりませんよね

バスの中で、次に停まるバス停については日本語と英語のアナウンスが流れますが、その他の解説は、日本語のみ。
このバスでは、毎回行き帰りに雪中行軍の説明が流れるので、そのたびに悲しい気持ちになりますが、外国人はその悲劇を全く知らされないまま「ワッハッハ」と爆笑したりしています。
せっかくここまで来ているのですから、もっと外国人への情報があってもいいのにと思います。

ここからは本格的な山の中。とたんにカーブが増えます。
もともと乗り物酔いしやすいのに、先程食後すぐにバスに乗ったため、のっけ丼がお腹の中で動いているようです。

● 地獄沼

地獄沼は、いつ見てもキレイ。
別府の地獄めぐりと比べると、全然地獄ではなさそうですが、ここは泉温98度と、見た目に寄らず高温です。
さらに付近には、今でも硫黄を多く含んだガスや温泉が噴出しており、ハイキングコースにはなっていますが、立ち入り禁止地域の多い、要注意地帯です。



● 5月の残雪

八甲田を登っていくと、まだまだ雪は残っていました。
これまで夏にしか来たことがなかった十和田湖。新鮮な風景です。

 



● 春の蔦温泉

十和田湖までは長距離なので、途中2回休憩が入ります。
2回目の休憩は、蔦(つた)温泉。
先ほどの八甲田よりも少し標高が低くなったため、辺りは一面花が咲き乱れる、春の楽園でした。


外国人が運転手に「ネノクチ~?」と聞いていました。
結構日本に詳しいようで、連れに「ネノクチとかイシゲドとか、意味が分からないよ」と英語で喋っているのが聞こえました。
子ノ口と石ヶ戸のことですね。大丈夫、私もよくわかりません。
ゲドというと『ゲド戦記』しか連想しませんが、"小屋"という意味だとアナウンスで流れました。
"石小屋"バス停だと、なんだか迫力がないので、やっぱりイシゲドの方が雰囲気ありますね。

● 十和田湖

奥入瀬渓流を通って、終点の十和田湖に到着したのは、10:30。
標高が高い八甲田を超え、約3時間かけて到着しました。



さっそく湖畔を歩きます。波のように水が寄せては引いています。
とても澄んでいて美しい水。山の奥の神秘の湖だけあります。


人はあまりいません。こんなに空いている十和田湖は、初めて。
夏以外に来たのは、初めてだからかもしれません。午後の方が人が増えそうですしね。



この小島、形が良くて、いつも撮っちゃうんですよね。
恵比寿大黒島といいますが、実は恵比寿島と大黒島の二つに分かれています。
それぞれに、恵比寿様と大黒様のお社があるとのこと。
横から見ると二つの島に見えるそうですが、緑深くてよくわかりませんでした!



● 令和最初の御朱印

十和田神社の前につきました。
手水舎のところには、ペットボトルを並べてせっせと水を汲んで入れている女性がいました。

最近、パワースポットとして知られるようになりましたが、この神社はとても迫力があります。
ズンとくる感じです。


参拝し、ここで、私にとって令和最初の御朱印をいただきました。
お寺の御朱印のように迫力ある筆跡です。ありがたや~。



● 手水舎は御神水?

神主さんに「手水舎の水は飲めるんですか?」と聞きました。
先ほど女性がたくさん汲んでいたので、湧き水の御神水なら、私も一口いただこうと思ったのです。
すると神主さんは
「飲めますよ。水道水ですから」と言われました。
水道水・・・!?(゚〇゚;)
えーーっ?
ビックリしながら神社を後にし、手水舎のところまで戻ってきました。
まだ先ほどの女性がおり、ペットボトルに水を汲み続けていました。



ええと、この人は、これが水道水って知っているのかしら…?
知っていて汲んでいるということもありえるかも…?
わからなかったので、あとは天に任せることにして、そっとその場を離れました。

もしも心当たりのある御方がこの文章を読んでらしたら、気づいてくださいね。
あれ、御神水じゃないようですよ。

● 湖畔の乙女像



高村光太郎の湖畔の乙女像。見るたびにふくよかになっている気がする…。
春なので、道端にはたんぽぽなどが咲き乱れていて、きれいです。
桜の花びらも落ちているので、少し前までは咲いていたんだなあと思います。

● 奥入瀬散策

湖畔を散策したのち、ふたたび11:20のバスに乗りました。
11:36に、銚子大滝前のバス停で降りました。
ここからしばらく、奥入瀬渓流を散策します。


銚子大滝


とてもいい散策路。一番好きかもしれません。
雪解け水でいつもよりも速さが増している気がします。

まだ雪が消えたばかりのこの辺り。
平日なのでとてもすいており、水の流れのほかは、かすかに虫と鳥の声が聞こえるのみ。


ゆっくり歩いていきます。
ふと、(もしかして私、死んでるんじゃないかな?)と思いました。
それだけ心地よく、なんの辛さもありません。


時々人とすれ違い、挨拶を交わし合うので、私の姿は見えているようですが、わかりません。
相手だって死んでる人かもしれないし。


生きてるのか、死んでるのか。たわいもないことですが、よくわからなくなってきます。
「胡蝶の夢」みたいなものですね。

そんな、ふわふわしたとても心地よい気分で渓谷沿いを散歩。
銚子大滝から馬門岩までの6キロを、てくてく歩きました。

 

 

 



馬門岩から13:42発のみずうみ号バスに乗ります。
行きのバスと同じ運転手と見習いさんが乗っていました。


その2に続きます。



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