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DIARY yuutu

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室生犀星(1889 -1962)「春の寺」『青き魚を釣る人』(1923年):平穏・幸福・美の白昼夢

2017-10-18 19:26:51 | 日記
 春の寺 

美しきみ寺なり 
み寺にさくられうらんたれば
うぐいすしたたり
さくら樹にすずめら交(サカ)り
かんかんと鐘鳴りてすずろなり。
かんかんと鐘鳴りてさかんなれば
をとめらひそやかに
ちちははのなすことをして遊ぶなり。
門もくれない炎炎と
うつくしき春のみ寺なり。

《感想1》
春の寺が美しい。
桜が繚乱。
多くの鶯。
雀たちが桜に遊ぶ。
突然、寺の鐘が鳴る。
鐘はかんかんとにぎやか。
女の子たちがおとなしく飯事(ママゴト)遊びをする。
寺の門は赤く暖かな陽気。
春の美しい寺である。

《感想2》
情景が絵画のようだ。
桜が満開、鶯、雀。
春の美しい寺
突然の鐘の音のにぎやかさ。
対照的に、遠くの飯事(ママゴト)遊びは静か。
寺の門は鮮やかに赤い。
春の美しい寺だ。

《感想3》
短い時間、平穏と幸福と美のイデアが地上にとどまる。
しかしイデアは、直ちに、飛び去る。
波乱と不幸と醜悪の日常に戻る。
詩人は、平穏・幸福・美の白昼夢を見た。  

 A temple in spring

It is a beautiful temple.
As cherry blossoms are full in bloom in the temple,
many warblers are there,
and sparrows play together on cherry trees,
then its bell abruptly rings cling-clang.
While its bell rings cling-clang loudly,
young girls quietly play
imitatig the way of acts that their father and mother do.
Its gate is brilliantly red,
and a beautiful temple is there in spring.
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